『幽霊船が消えるまで 天才・龍之介がゆく!』 柄刀 一 7点
『鬼女の鱗 宝引の辰捕者帳』 泡坂妻夫 7点
『二の悲劇』 法月綸太郎 7点
『薔薇の女』 笠井 潔 7点
『首切り坂』 相原大輔 7点
『幽霊船が消えるまで 天才・龍之介がゆく!』 柄刀 一
ノンノベルス 
「鳥の羽ばたき音とともに、女の幽霊が現れる―――」
後見人探しの旅を続ける天地龍之介が乗り込んだ貨物船には不気味な怪談が広まっていた。震え上がる龍之介を笑っていた従兄弟の光章は、その夜、奇怪な幽霊船に遭遇、失神する。気が付くと、船内はエメラルドのネックレス盗難事件で大騒動に。しかも、現場に残された指紋は龍之介のもので…!
相変わらず短編でもあり長編でもあるような作品群。ライト感覚で読めるというのが非常に嬉しく、またちょっと専門的な知識で解決しちゃうのも、試みとしては面白かなあと。やはりこんな感じのライトでユーモア作品が簡単に読めていいですね。
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『鬼女の鱗 宝引の辰捕者帳』 泡坂妻夫 文春文庫
宝引の辰は千両町ではちょっといい顔の岡っ引。千種の股引に茶弁慶の羽織、帯には十手が突っ込んである。色が黒く、目が大きく、よくない人相の男だが、十手さばきはしつこいくらいに真面目そのもの。手先の松吉を使って、皆目不可解な事件を謎解きする。
時代小説ミステリで、短編集。今とは違う舞台といえども、やはり根本は男と女、という感じでしょうか。謎解きについては特に「あざやか」と感じたわけでもなく、突き詰めればそういう解答だなあと思うことも多数。まあ、シリーズものなのに、それに気がつかないほどうわの空で読んでたりもするんですが…
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『二の悲劇』 法月綸太郎 ノンノベルス 
東京世田谷でOLが殺されて顔を焼かれ、ルームメイトが重要参考人として手配された。事件は三角関係のもつれによる単純な怨恨殺人と見られたが、ただ一点、被害者の飲み込んでいた小さな鍵が謎とされた… 作家にして探偵の法月綸太郎に出馬が要請された矢先、容疑者の死体が京都蹴上の浄水場で発見され、惨劇の舞台は一転、西へ飛んだ。自殺か? 他殺か? 失われた日記に書かれた内容とは…?
微妙にサスペンスかなという感じの、犯人探しではない謎解きもの。二転三転の結末は予想通りでありながらも、脇道が見事だったかなとも。これで余分な注釈(他の作品の宣伝)さえなければよかったのになあと思いました。
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『薔薇の女』 笠井 潔 創元推理文庫 
犯人は、火曜日の深更に独り暮らしの娘を襲い、絹紐で絞殺した後、屍体の一部を切断のうえ持ち去る。現場に赤い薔薇を撒き、「アンドロギュヌス」と血の署名を残す… 酷似する犯行状況にひきかえ、被害者間には接点を見いだせず苦悩する捜査当局を後ろ目に、難なくミッシングリンクを拾い上げる矢吹駆の推理はいかに。
あいかわらず薀蓄が大半をしめてたりしますが、それなりに楽しませてもらいました。映画と女優に関する薀蓄というか説明というかが主なんですが、これってやっぱり創作なんでしょうかね? うーん、事件そのものはある意味無差別連続殺人だから、焦点となる部分しか語られないのもちょっと中途半端にも思えましたが。それにしても矢吹駆はあいかわらずやな感じです。犯人わかっててもほったらかしですもんね、自分の目的のために被害者増えてもなんとも思わないんだから… 確証がなくても説明して犯行防ぐ手段考えればいいのにと思ってしまいますよ、まったく…:
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『首切り坂』 相原大輔 カッパノベルス 
明治四十四年初夏、東京。地蔵の上に生首がのったとき、狐の顔の怪人が出現する… 怪談として広まった「首切り地蔵の呪い」は、首なし死体が発見されるに及んで、陰惨な殺人事件に姿を変える。それでも、偶然この怪事件に遭遇した青年作家・鳥部には「これは呪いではないのか」という思いが消えない。なぜなら彼も、生首と闇に浮かぶ白い狐の顔を見てしまったから―――
カッパ・ワンのデビュー作です。時代が明治だったりするんで、幻想というか怪奇というかそんな雰囲気が一気に溢れます。小説の内容も首切り地蔵の呪いです。おどろおどろしく空気を描いているという感触でしょうか。全体的なスケールも内容も実際のところ小さいです、ただ雰囲気がよいかなと。
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