『真・女神転生V NOCTURNE』 吉村 夜 7点
『賭けろ!世紀の大勝負 新ソードワールドRPGリプレイ集6』 秋田みやび 7点
『橋をわたる』 伊島りすと 7点
『銀座幽霊』 大阪圭吉 6点
『葉桜の季節に君を想うということ』 歌野晶午 8点

『真・女神転生V NOCTURNE』 吉村 夜
 富士見ミステリー文庫 BK1-3.gif (240 bytes)

 フリーカメラマン神代浩司は、カルト教団ガイア教との繋がりを噂される巨大企業サイバース社の重役氷川の秘密を探るべく、新宿衛生病院に潜入した。だが、そのとき異変が起きた。新世界創造を唱え、旧世界の破滅を望んだガイア教と氷川によって、東京は悪魔が跳梁跋扈する魔界と化してしまったのだ。

 ゲームでは見事にバットエンドだったんで、小説で普通のエンドを、と思ったんですが、小説版の主人公は神代浩司でした。人修羅じゃないのか… まあゲームの設定の世界を生かしきれてないかなと感じるものはありつつも、普通かなと。しかし、これもある意味バットエンドっぽく、うー、ハッピーエンドを見てみたいです。

『賭けろ!世紀の大勝負
  新ソードワールドRPGリプレイ集6』
 秋田みやび 富士見ドラゴンブック BK1-3.gif (240 bytes)

 失敗をしながらもさまざまな冒険をこなし、一人前の冒険者といえる5レベルまでこぎつけたイリーナたち。それなのに舞い込んだ依頼は「冬支度を迎える山村への物資輸送」という地味なもの。秋の遠足気分で出かけた一行、道中襲いかかる危機を乗り越えて村についたはいいけれど、平和なはずのレイカ村は突如出現する爬虫類の謎で大騒ぎ。村に逗留していた記憶喪失の蛮族の青年はいったい何者?

 そろそろ”初心者”マークの取れそうな面々の冒険譚も大型爬虫類を相手にするところまで来ましたか、と。あいかわらずのノリ、駆け引きで非常に楽しく読めました。楽しそうなんですよね、やっぱりリプレイは。しかし、NPCのネーミングセンスもすごいです、スゲーナって…

『橋をわたる』 伊島りすと 角川ホラー文庫 BK1-3.gif (240 bytes)

 時給の高さに惹かれ、大学の夏休みの期間だけ、僕は塾講師のアルバイトをすることにした。担当する科目は小学校五年生の算数。文学部の僕にとって、彼らに算数を教えるのは至難の業だった。なんとか夏期講習前期最後の授業まで辿り着き、ひと安心した矢先、教室で信じられない出来事が起こる。女子生徒の一人がシャーペンで自分の顔を突き差し始めたのだ!

 ホラーで恐怖を感じるのは感じるんですが、結末の所為かどうも微妙、な感じです。言ってみれば唐突に訪れた非日常に浸透していくといった感じなのでしょうが、その非日常に陥った瞬間の怖さが持続せず、非日常こそが当たり前って感じがだんだんしてきて、うーむ。もうちょっと結末に何かがあれば、もっと面白かったんじゃないかなと思いました。

『銀座幽霊』 大阪圭吉 創元推理文庫 BK1-3.gif (240 bytes)

 うらぶれた精神病院に出来したグロテスクな事件―――『三狂人』 捕鯨船と共に海の藻屑と消えた砲手が生還した夜、事件は起こった―――『動かぬ鯨群』
 探偵小説の短編集。

 なんというか淡々とした文章で綴られた、昔の探偵小説って雰囲気がよく出てるかなと。シンプルでまとまりもあるんですが、逆にその淡々とした文章とシンプルさが物足りないかなという感じで、面白い、面白くないということすら感じない、でした。どう、なんでしょうね、こういう純粋な探偵小説というのは。

『葉桜の季節に君を想うということ』 歌野晶午
 文藝春秋 BK1-3.gif (240 bytes)

 俺が彼女と出合ったのは、地下鉄の駅のホームでだった。自殺しようとしていた彼女を助けた、そのときはただそれだけのはずだった。やがて、蓬莱倶楽部という高齢者相手に高額な商品を売りつけるという詐欺商法を行っている団体を調べて欲しいと知人に頼まれた俺は、独自に捜査を開始したのだが…

 「あ、あ、あぁぁ〜!」という嬌声を上げてしまいそうな一品でした。高齢者を狙った詐欺商法を追いかけるハードボイルドものっぽいんですが、全ては結末のためのオードブルというか、それをやりたいだけにこの小説があるんじゃないかと思うぐらいです。まあ、結末だけど結末じゃないし。なんにせよ、見事にだまされた感じです。なにしろ一行目からアレですもんね、すごいっす。