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『警察署長』 スチュアート・ウッズ

ハヤカワ文庫NV 

 長編。文庫上下巻。スチュアート・ウッズ初読です。
 1919年冬、アメリカ南部の町デラノ初の警察署長として、綿花栽培
から手を引いたウィル・ヘンリー・リーが内定。必要備品を買い揃え
るところからはじまったリーの署長生活だが、翌年、黒人男性の死体
が発見され、初の殺人捜査を開始することに。この事件を軸にデラノ
警察、デラノの町に関わる人物たちの人生ドラマを描いた警察大河小
説。

 主要登場人物たちの人生で、多少の接点を持った3人の署長を中心
に繰り広げられる「デラノ・ドラマ」とでもいうべきストーリー展開
は、解説でも触れられてるように若干調子良すぎるように感じられた
ところもありますが、だからこそドラマとしての面白さがより際立っ
てるはず。第1部のユーモラスなリー署長の初手柄もそうだし、第3
部のワッツ署長のデラノ警察デビューや生い立ちもしかり。その点で
言えば、アメリカ南部の地域性がからむ軸となる事件の結末に、第1
部で与えてくれたショックを超えるぐらいのネタ、本格系でもサスペ
ンス系でも意外なドラマ系でもいいから、もう一捻りして盛り上がる
ようなネタを持ってきて欲しかったところでありました。
 とはいえ、40数年にわたる3人の警察署長やリー一家による「デラ
ノ・ドラマ」はまさしく美味。アメリカの歴史・政治背景に詳しけれ
ばより楽しめる作品だと思います。

 結論。
 歴史ドラマ的側面からの警察小説、犯罪者の行動に対するサスペン
ス、アメリカ南部の地域性を背景にした政治ドラマ、3人の警察署長
それぞれ(2人目の署長も含む)が見せるヒューマンドラマ等々、た
くさんの要素が楽しめる「デラノ・ドラマ」。多くの人が楽しめる作
品だと思います。

2008/01/26(Sat)


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