« 2011年04月 | メイン | 2011年06月 »

2011年05月30日

[感想] 『七人の鬼ごっこ』/三津田信三

 七人の鬼ごっこ

 著者:三津田信三
 出版社:光文社 単行本
 発売日:2011-03-19
 価格:¥ 1,890
 ISBN:4334927491

 【Amazon

 秘密の場所が結びつけた子供たち。彼らは成長し、それぞれの生活に追われていた。そんな中、懐かしい人物からの電話が、彼らが封印したはずの記憶を蘇えらせた。ひとり、またひとりいなくなる…。電話のベルは死の鬼ごっこの始まりの合図なのか?メンバーの一人であるホラーミステリ作家が、この不可解な事件に巻き込まれていく―――

 謎の電話から昔の仲間たちが怪死を遂げていく… いつもどおりというべきですかね、三津田さんのホラーとしての怖がらせ方から、終盤は一転してミステリとしての着地点を見出していくというやつですね。ホラーでありミステリ。ただ、ミステリとしての部分はあやふやというか甘いと思わなくもないです。なんとなくきれいじゃないというか。そういう意味ではもうチョイホラー色を強くすると、不気味な感じでよかったんじゃないかなとも思ったりしました。

投稿者 FOOL : 21:34 | コメント (0) | トラックバック

2011年05月25日

[感想] 『虚構推理 鋼人七瀬』/城平京

 虚構推理 鋼人七瀬

 著者:城平 京
 出版社:講談社 新書
 発売日:2011-05-10
 価格:¥ 945
 ISBN:4061827685

 【Amazon

 「そんなの推理じゃなくて、欺瞞じゃない!?」真実を求めるよりも過酷な、虚構の構築。自身もまた怪異的な存在である岩永琴子の推理と知略は本物の怪異が起こす事件を止めることができるのか。

 序盤、これは新しい妖魔夜行じゃないのかなと思ったりもしたわけですが、案外と魅力的なキャラ造詣でがんがんと読ませられ、気がついたらとんでもない推理ショーにつき合わされていたという感じの良作。あえて世界観を作り出して、そこで動く駒を配置して、作者主導で物語を進めているなーと。正直、読者によって合う合わないってのがわかれそうではありますが、私はツボでしたね。

投稿者 FOOL : 22:32 | コメント (0) | トラックバック

2011年05月21日

[感想] 『メルカトルかく語りき』/麻耶雄嵩

 メルカトルかく語りき

 著者:麻耶 雄嵩
 出版社:講談社 新書
 発売日:2011-05-10
 価格:¥ 840
 ISBN:4061827782

 【Amazon

 ある高校で殺人事件が発生。被害者は物理教師、硬質ガラスで頭部を5度強打され、死因は脳挫傷だった。現場は鍵がかかったままの密室状態の理科室で、容疑者とされた生徒はなんと20人! 銘探偵メルカトルが導き出した意外すぎる犯人とは―『答えのない絵本』他、全5編収録。

 いやーはっはっは、論理的思考の行き着く先という感じでこういうのは好きです。話も進む毎にメルカトルっぽさがにじみ出てきますし、真相なんてのはロジカルに突き詰めればこうなることもあるという、ある種本格ってのを斜に構えた視線というか、数学的にはこれもありなんですよね。個人的にはこういう路線のミステリはもっと欲しいのですが、なかなか無いというかな、貴重なシリーズだと思いますよ。

投稿者 FOOL : 22:10 | コメント (0) | トラックバック

2011年05月18日

[感想] 『偉大なる、しゅららぼん』/万城目学

 偉大なる、しゅららぼん

 著者:万城目 学
 出版社:集英社 単行本(ソフトカバー)
 発売日:2011-04-26
 価格:¥ 1,700
 ISBN:4087713997

 【Amazon

 琵琶湖畔の街・石走に住み続ける日出家と棗家には、代々受け継がれてきた「力」があった。高校に入学した日出涼介、日出淡十郎、棗広海が偶然同じクラスになった時、力で力を洗う戦いの幕が上がった!

 舞台は滋賀、琵琶湖のほとり。久しぶりの万城目新刊でしたが、個人的には結構上位ですかね。オカルトというか超能力をからめ、荒唐無稽な物語展開をみせてくれました。癖のある登場人物のやりとりで、丁度いいスピードで展開していき読みやすかったかなとも。なかなかにオススメだったりします。

投稿者 FOOL : 22:27 | コメント (0) | トラックバック

2011年05月14日

[感想] 『獅子真鍮の虫』/田中啓文

 獅子真鍮の虫 (永見緋太郎の事件簿)

 著者:田中 啓文
 出版社:東京創元社 単行本
 発売日:2011-03-24
 価格:¥ 1,995
 ISBN:4488025374

 【Amazon

 クインテットでの活動を休止にして海外に旅立つ唐島に、同行すると言いだした永見。ニューヨーク、シカゴ、ニューオリンズでふたりが出合った、ジャズと不思議な出来事。“日常の謎”的ジャズミステリーシリーズ、第三弾。あこがれのミュージシャンが遺した楽器を手に入れた唐島を襲った災難、ニューヨークで管楽器の盗難事件に巻きこまれた永見が見いだした真相、シカゴで仲良くなった老人が行方不明になっていた伝説のジャズマンだったことに端を発した騒動の顛末…、など全七編を収録。

 日常系の本格という感じで結構好きなシリーズでしたが、諸所の事情で今回がシリーズ最終回とか。なので華々しくということなのか、舞台は海外へ。巻き込まれた事件を解決しつつ放浪旅なんですが、なんだかちょっと自由気まますぎて締まりってのが薄い感じはありましたか。それでも、普通に楽しめて大団円?という感じに。なんとか続かないかなーと望みない期待はしておきましょう。

投稿者 FOOL : 23:54 | コメント (0) | トラックバック

2011年05月11日

[感想] 『ソード・ワールド2.0リプレイ 聖戦士物語(1)』/北沢慶

 ソード・ワールド2.0リプレイ 聖戦士物語(1)

 著者:北沢 慶
 出版社:富士見書房 文庫
 発売日:2011-04-20
 価格:¥ 693
 ISBN:4829146184

 【Amazon

 平和な小王国グラスノに、セフィリア神聖王国の若き“聖戦士”ロイが、武者修行のためにやってきた。王女・フィオの熱烈アタックを天然ボケでかわしつつ、武者修行というよりは観光を満喫するロイ。だが平和な時間は長くは続かず、グラスノ王国は蛮族の襲撃という危機に見舞われてしまう。1000にも及ぶ蛮族の軍勢から王国を救うため、ロイたちはわずか5人で包囲網からの脱出を試みる!北沢慶の描く王道リプレイ、堂々開幕。

 うーん、新シリーズなんですが、いきなり人物が壊れてないか?と… 個性は魅力に繋がるんですが、ちょいやりすぎというか、世界観に沿ってないと思えたりします。王道らしいですが、冒険者ってのともすこしずれてる感じもしますし、今のところはまだ微妙ってとこですねえ。

投稿者 FOOL : 20:22 | コメント (0) | トラックバック

2011年05月07日

[感想] 『スティーヴ・フィーヴァー ポストヒューマンSF傑作選』/アンソロジー

 スティーヴ・フィーヴァー ポストヒューマンSF傑作選

 著者:グレッグ・イーガン、ジェフリー・A・ランディス、メアリ・スーン・リー、ロバート・J・ソウヤー、キャスリン・アン・グーナン、デイヴィッド・マルセク、デイヴィッド・ブリン、ブライアン・W・オールディス、ロバート・チャールズ・ウィルスン、マイクル・G・コーニイ、イアン・マクドナルド、チャールズ・ストロス
 出版社:早川書房 文庫
 発売日:2010-11-25
 価格:¥ 1,008
 ISBN:415011787X

 【Amazon

 少年は、14歳の誕生日のあと間もなく、農場を出て街をめざす自分を、毎夜夢に見るようになった。だが、彼の行動はある強固な意志によって制御されていた……。現代SFのトップランナー、イーガンによる本邦初訳の表題作。スタージョン記念賞を受賞したマルセクの究極のVRSF『ウェディング・アルバム』ほか、ブリン、マクドナルド、ソウヤー、ストロスら現代SFの中心作家が、変容した人類の姿を描いた全12篇を収録。

 進化した人類の多種多様な短編ということで、前半のアンドロイドとそれに伴う進化については比較的わかりやすく読めたかなというところです。で、後半に入ってくると、これが情報生命体になっていき… むむむ、と。想像が追いつかなくなるというか、実態が無いということでイメージしにくくなり、なかなか難解に感じてしまいました。さて、早川のSF傑作選を読んできましたが、さすがというべきか標準以上に楽しめる作品が多かったと思います、難しいのもありますが。また、こういう傑作選を続けて出して欲しいものです。

投稿者 FOOL : 21:20 | コメント (0) | トラックバック