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2009年02月26日

[感想] 『三匹の猿 私立探偵飛鳥井の事件簿』/笠井潔

 三匹の猿―私立探偵飛鳥井の事件簿

 著者:笠井 潔
 出版社:講談社 文庫
 発売日:1999-08
 価格:¥ 670
 ISBN:4062646536

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 依頼人は可憐な十七歳の少女、有美。退屈な日々をやりすごしていた探偵飛鳥井史郎は父親探しをうけおったが、その有美が失踪、高原で起きた猟奇的な連続少女殺人事件にまきこまれていた。少女たちの両親には共通の過去があり因縁と確執がかくされていたが―――

 序盤、学生運動なんかの話で、「あぁ、またか」で暗い陰気な話かと思っていたんですが、やっと中盤あたりからスピード感が出てきて、事件もごろっと変化して、まあ最終的には駆シリーズよりも読みやすく面白かったかなと思えましたね。ハードボイルドな探偵ものでした。

投稿者 FOOL : 21:11 | コメント (0) | トラックバック

2009年02月24日

[感想] 『火神を盗め』/山田正紀

 火神(アグニ)を盗め

 著者:山田 正紀
 出版社:角川春樹事務所 文庫
 発売日:1999-06
 価格:¥ 882
 ISBN:4894565358

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 古代、インド=ヨーロッパ人が崇拝していた神にちなんで名づけられた、最新鋭の原子力発電所―――火神「アグニ」。日本の商社からセールス・エンジニアとしてインドへ出張していた工藤篤は、偶然「アグニ」のある秘密を知ってしまう。ヒマラヤ山中の鉄壁の要塞に隠された「アグニ」の秘密をめぐる、CIA、中国情報員との壮絶なる死闘に巻き込まれて行く彼の運命は果たして…

 サラリーマンが頑張ってスパイを出し抜く、んだけどやはり無茶がありますよね、絶対… 主人公一行がすごく運良くピンチをくぐりぬけて、という展開はハリウッド映画のノリなんですよね。まあ、落語の部分は笑えるというか微笑ましかったですが。あとは、ちょっと展開がブツブツ切れてるようで、もうすこしなめらかな感触が欲しかったです。

投稿者 FOOL : 20:13 | コメント (2) | トラックバック

2009年02月22日

[感想] 『煙の殺意』/泡坂妻夫

 煙の殺意

 著者:泡坂 妻夫
 出版社:東京創元社 文庫
 発売日:2001-11
 価格:¥ 651
 ISBN:4488402178

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 出所て間もない手許不如意のひだるさに、島津亮彦は身なりを繕って花見客さざめく多武の山公園へ。知人に出会い、誘われるまま鍋をつついたその翌日…… 愛すべき傑作「紳士の園」や、殺人現場に赴いた風変わりな捜査官が織り成す推理の妙「煙の殺意」など八編を収録。

 それぞれが独特の色合いを持つ短編集でした。ちょっと古風な感じがするのは仕方が無いですが、仕掛けられたトリックのキレはなかなかのものと思いました。私としては『歯と胴』のラストへの話の持って行き方が好きです。

投稿者 FOOL : 23:23 | コメント (0) | トラックバック

2009年02月21日

[感想] 『新米女神の勇者たち4 ソード・ワールド2.0リプレイ』/秋田みやび

 ソード・ワールド2.0リプレイ 新米女神の勇者たち(4)

 著者:秋田 みやび
 出版社:富士見書房 文庫
 発売日:2009-02-20
 価格:¥ 651
 ISBN:482914548X

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 蛮族の手から女神ルーフェリアの現身ルーを救い出すことに成功したジークたち“ぞんざい勇者団”。しばらくは“年輪国家アイヤール”で女神修行をすることになったルーのもとで冒険者稼業を続けることに。だが、ルーが住むことになった神殿にはどうにも怪しいところがあるらしく、早速調査に向かうとそこにはなにやら秘密計画遂行中のドレイクたちが……

 まだ2.0のシステムに慣れてません… GMの用意する敵がすごく強いんじゃないかと思いながらも、着実に成長するプレイヤーとPCが明確になると言えばそうですが。今回は閑話休題的なネタで、まあさっぱりと読みきれてよかったかなと思います。マン・ドレイクとパジャリガーが結構好きなネタですな。

投稿者 FOOL : 22:06 | コメント (0) | トラックバック

2009年02月20日

[感想] 『20世紀の幽霊たち』/ジョー・ヒル

 20世紀の幽霊たち

 著者:ジョー ヒル
 出版社:小学館 文庫
 発売日:2008-09-05
 価格:¥ 980
 ISBN:4094081348

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 奇妙な噂がささやかれる映画館があった。隣に座ったのは、体をのけぞらせ、ぎょろりと目を剥いて血まみれになった“あの女”だった。四年前『オズの魔法使い』上映中に一九歳の少女を襲った出来事とは!?(『二十世紀の幽霊』) そのほか、ある朝突然昆虫に変身する男を描く『蝗の歌をきくがよい』、段ボールでつくられた精密な要塞に迷い込まされる怪異を描く『自発的入院』など…… スティーブン・キングの息子による怪奇幻想短編小説集―――

 『年間ホラー傑作選』でちょっとグロさを味わった以外は、幻想というか境界のあいまいな世界観と子供たちの思考、みたいな爽やかさが漂う奇想小説。読み終えるのに苦労はしたものの、思い起こせば記憶にも残りやすく意外と面白かったんですよ。『ポップアート』、『マント』、『おとうさんの仮面』、『自発的入院』は結構お気に入り。オススメします。ちなみに、キングは未読なんで、その色合いが出てるかどうかはわかりません。

投稿者 FOOL : 20:50 | コメント (0) | トラックバック

2009年02月16日

[感想] 『静かなる祝祭 人形館殺人事件』/竹本健治

 静かなる祝祭 人形館殺人事件 竹本健治自筆原稿復刻

 著者:竹本 健治
 編集・発行人:本多正一
 発行日:2009-01-31
 価格:¥ 2,000
 ISBN:-

 『匣の中の失楽』の元となり、中井英夫が目にしたという手書きの原稿であり、貴重な資料である。 ―――『幻影城の時代 完全版』(講談社)に掲載された「静かなる祝祭」と「人形館殺人事件」の直筆原稿。

 コレクターズアイテム、になってしまうかもしれませんが、読みました。作品自体は中途半端な書きかけで、完成された作品が『匣の中の失楽』という感じでしょうか。手書き原稿も、字が綺麗だから読みやすく、若干の追加書き込みや、手書きのアパート見取り図や錠前の図など、「あぁ、こうやって書いていたんだなー」を感じさせてくれました。我が家のお宝扱いにします。なお、部数は800部しか出ていません、入手するなら今ですよー

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2009年02月15日

[感想] 『十八面の骰子』/森福都

 十八面の骰子

 著者:森福 都
 出版社:光文社 文庫
 発売日:2005-06-14
 価格:¥ 660
 ISBN:4334739016

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 最盛期を迎えつつある中国・宋の時代。童顔、小柄の趙希舜は、全国を行脚しながら地方役人の不正を監察する「巡按御史」と呼ばれる秘密捜査官。身分は隠しているものの本来は皇帝の名代。威光は絶大である。従者に傅伯淵、護衛役に賈由育の二人を引き連れ、各地で起こる奇怪な事件を次々と解決していく。

 ミステリ風味の水戸黄門です。身分を隠しつつ都市に入り、知事を監査するという感じ。ただその過程で事件が起こり、アクションと推理が丁度良い具合に混ざり合って「これにて一件落着」と。舞台が中国なので、人名が覚えにくいところはあるんですが、キャライメージも持ちやすく、比較的世界に入り込みやすいのかなとも思ったり。そういった意味では若干ライトノベルっぽさも感じましたかね。なかなかに面白い趣向のミステリと思いますので、変わったもの読みたいなってときに手軽に手を伸ばせるんではないでしょうか。

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2009年02月13日

[感想] 『学寮祭の夜』/ドロシー・L・セイヤーズ

 学寮祭の夜

 著者:ドロシー・L. セイヤーズ
 出版社:東京創元社 文庫
 発売日:2001-08
 価格:¥ 1,386
 ISBN:4488183115

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 探偵作家ハリエットは醜聞の年月を経て、母校オクスフォードの学寮祭に出席した。するとその夜、けがらわしい落書きを中庭で拾い、翌日には嫌がらせの紙片を学衣の袖に見つける。幻滅の一幕。だが数ヶ月後恩師から、匿名の手紙と悪戯が学内に横行していると訴える便りが…… 学問の街を騒がせる悪意の主は誰か。ピーター卿の推理は?

 ミステリ小説としては、殺人事件もなく悪意あるいたずらで分厚い分厚い本になっているんですが、詰め込まれた物語が面白く、結構勢いで読めました。印象としては後れてきた青春小説みたいだな、と感じたり。コニー・ウィリスの『犬は勘定に入れません』も、この作品の影響をうけているというのが、雰囲気でわかります。引用もされているみたいですし。ちなみに、私はセイヤーズはおそらくこれが初読みで、いきなりハリエットとピーター卿のロマンスの結末を知ってしまったわけですが、まあ遡るように読んでもいいかなと考えています。ミステリとしての悪意のちりばめられかたと、その結末も時代を感じさせてくれますし。なんかいろいろ満足させてくれたなーってな一冊でした。面白かったです。

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2009年02月11日

[感想] 『火村英生に捧げる犯罪』/有栖川有栖

 火村英生に捧げる犯罪

 著者:有栖川 有栖
 出版社:文藝春秋 単行本
 発売日:2008-09-25
 価格:¥ 1,650
 ISBN:4163274502

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 京都で、30歳のエステティシャンが扼殺された。ほどなくして、大阪府警に「これは火村英生に捧げる犯罪だ」という文面の挑戦状が届く。一方、作家の有栖川有栖のもとには「先生に盗作されたと言っている人物がいる」との怪電話が……

 良くも悪くも「さらっと」読める短編集だったという印象です。短編とショートショートが混ざり合っています。まあ、ショートショートはある意味一発ネタなんで、ミステリの読書経験からどれだけ驚かされるか、というところですね。あと、表題作は期待させておいて、そんなオチかよ!と思いました。そういえばアリスが火村より役に立ってると印象を受けた作品は珍しいな、と思いましたかね。

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2009年02月10日

[感想] 『マリオネット・エンジン』/西澤保彦

 マリオネット・エンジン

 著者:西澤 保彦
 出版社:講談社 新書
 発売日:2009-02-06
 価格:¥ 903
 ISBN:4061826352

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 パートナーを機械で理想のタイプに変換し愛することのできる時代が到来した。その技術に賛否が渦巻く中、思いも寄らぬ恐怖が開発者を襲う! 表題作『マリオネット・エンジン』をはじめ恐怖に満ちた6作品を収録。

 ホラーっぽかったり、SFだったりする西澤さんの非ミステリ作品です。表題作は気合が入っていそうなんですが、ややこしすぎて理解が… 逆に日常的に恐怖を感じることができる『シュガー・エンドレス』や『家の中』は面白かったかなというところです。ただ、やはり爽快感みたいなのがないので、全体的にダウナーな印象があり、今ひとつの感じがぬぐえませんでした。うーん。

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