2008年12月31日
[感想] 『のぼうの城』/和田竜
のぼうの城
著者:和田 竜
出版社:小学館 単行本
発売日:2007-11-28
価格:¥ 1,575
ISBN:409386196X
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時は乱世。天下統一を目指す秀吉の軍勢が唯一、落とせない城があった。武州・忍城。周囲を湖で囲まれ、「浮城」と呼ばれていた。城主・成田長親は、領民から「のぼう様」と呼ばれ、泰然としている男。智も仁も勇もないが、しかし、誰も及ばぬ「人気」があった―――
歴史小説は苦手と思っていたのですが、この作品は思っていたよりも読みやすく、面白かったです。ただそこにいるだけのぼーとしたでくのぼう「のぼう様」。しかし領民からの人気、魅力によって行われる合戦の描き方。また、敵味方にかかわらず各武将たちの個性も史実を踏まえながら現れており、微妙に勉強になったというか。悪い言い方になるのかもしれませんが、ライトノベルに近い印象も受けました。そういった意味では逆に重みというのが感じにくいので、歴史小説好きには敬遠されるかなというところも。映像化してもいいんじゃないでしょうか。
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2008年12月30日
[感想] 『不全世界の創造手』/小川一水
不全世界の創造手(アーキテクト)
著者:小川 一水
出版社:朝日新聞出版 新書
発売日:2008-12-19
価格:¥ 945
ISBN:4022739088
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物作りを愛する少年・祐機の夢は、自分で自分を複製するフォン・ノイマン・マシンの実現。地方都市で才能をもてあます彼の前に天才投資家の娘・ジスレーヌが現れた。「あなたの力と未来に投資させて」 ――二人は強力なマシンと資金を武器にして、世界生産を支配する国際組織「GAWP」に立ち向かう。創造性に満ちた、真に豊かな地球は誰が造るのか?
テーマは創造と生産性。天才少年の理想とそれをかなえるための手段。奇麗事だけでなく、それに伴うマイナス面を見せてくれるあたりもさすがです。いや、面白かったです。何に関してもいえますが、創造したい気持ちがあればオススメしたい作品かなと思います。刺激ありますよ。
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[感想] 『ぽんこつ喜劇』/浅暮三文
ぽんこつ喜劇
著者:浅暮三文
出版社:光文社 単行本
発売日:2008-12-17
価格:¥ 1,890
ISBN:4334926487
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アサグレ氏が何かに取り付かれたようにして書いた物語。それは”文字”たちによって操作された物語だった。図を取り入れた実験的な奇書。
うーん、なんとも意味のない短編集という感じも。図を取り入れ、まさに実験小説という作品ですが、まあバカらしいというか、なんというか… じわじわとくるものもあるかもしれませんが、一瞬、そのまま通り過ぎるんですよね。
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[感想] 『退出ゲーム』/初野晴
退出ゲーム
著者:初野 晴
出版社:角川グループパブリッシング 単行本
発売日:2008-10-30
価格:¥ 1,575
ISBN:4048738984
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穂村チカ、高校一年生、廃部寸前の弱小吹奏楽部のフルート奏者。上条ハルタ、チカの幼なじみで同じく吹奏楽部のホルン奏者、完璧な外見と明晰な頭脳の持ち主。音楽教師・草壁信二郎先生の指導のもと、廃部の危機を回避すべく日々練習に励むチカとハルタだったが、変わり者の先輩や同級生のせいで、校内の難事件に次々と遭遇するはめに―。化学部から盗まれた劇薬の行方を追う『結晶泥棒』、六面全部が白いルービックキューブの謎に迫る『クロスキューブ』、演劇部と吹奏学部の即興劇対決『退出ゲーム』など、高校生ならではの謎と解決が冴える、爽やかな青春ミステリの決定版。
青春ミステリ。話の持って行き方が上手く面白いと思いました。変人はたくさん登場しますが、主人公となる二人のボケとツッコミ風かなとも感じたり。個人的には『退出ゲーム』を実際にやってみたいと思いましたね。結構オススメです。
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2008年12月29日
[感想] 『完全版 怪人二十面相・伝』/北村想
完全版 怪人二十面相・伝
著者:北村 想
出版社:出版芸術社 単行本
発売日:2002-12
価格:¥ 1,680
ISBN:4882932288
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江戸川乱歩が生んだ世紀の怪盗「怪人二十面相」。日本で最も名の知れた怪盗の謎に包まれた素顔が今、明かされる! 彼の魔法のような奇術は元サーカスの天才・丈吉が世間を観客に見立てた「芸術」であった。次々と披露される鮮やかな変装の舞台裏、明智小五郎や小林少年との華やかな対決、二代目二十面相の誕生など、乱歩のオリジナルでは決して味わうことができなかったおとなの冒険奇談!
前編と後編がまとまった一冊。前編では初代の二十面相が、そして後編では二代目二十面相が… 二十面相の視点で描かれる世界で、二十面相自身の人間くささや、明智の邪悪さ(特に後編)が出ており、乱歩とは全く違う側面を見せてくれます。乱歩の描いた二十面相の矛盾をも綺麗に解消する解釈も面白く、まさに「おとな」の冒険奇談でした。お見事。
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[映画] 『K-20 怪人二十面相・伝』
怪人二十面相に間違われた男が、無実を得るため怪人を捕まえようとする話、で合ってるかな?
ワイヤーを使ったアクションがなかなか格好よく、街を颯爽と駆けていくシーンが好きです。明智 VS 二十面相 VS 主人公となかなかに微妙な感じで、直接対決もそれほどないわけですが、何故かアクション映画と思ってしまうところがなんとも。あ、でもヒロインイメージは微妙。
正直二十面相である意味は特にない(むしろお宝が兵器だったりして、ルパン三世的印象の方が強い)ですが、明智イメージを前面に出すためかとも思ったり。なんだろう、ラストの対決も、唐突感があったりして、観た方と言い合いをしてみたいような。あー、あの冷たい目の小林少年にもっと出てきて欲しかったかも。
で、映画を見た後に原作の小説を読んだんですが、ぜんぜん別ものでしたね。映画は映画ということで、やはり二十面相の必要はないんじゃないかな。
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2008年12月28日
[感想] 『訪問者ぶたぶた』/矢崎存美
訪問者ぶたぶた
著者:矢崎 存美
出版社:光文社 文庫
発売日:2008-12-09
価格:¥ 500
ISBN:4334745156
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ホストのコウは焦っていた。ナンバーワンは引き抜かれ、オーナは病に倒れ…… そんなとき耳にした”伝説のホスト”の噂。不滅の売り上げ記録を持つ謎の男とは!? (『伝説のホスト』) もう〆切に間に合わない――― アシスタントたちに逃げられ、独り泣く少女マンガ家の元にスゴ腕の助っ人がやって来た! (『ふたりの夜』)
シリアス作品は影を潜め、コメディで笑顔と癒しを与えてくれるぶたぶた短編集。神様になっちゃったり、伝説のホストだったりと、いつもながら多彩なぶたぶたです。やはり見た目+おじさん声というのが癒しのエッセンスなんでしょうか。なんにせよ、読むとなんかやさしくなれる気がする一冊でした。
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[感想] 『サイモン・アークの事件簿1』/エドワード・D・ホック
サイモン・アークの事件簿〈1〉
著者:エドワード・D. ホック
出版社:東京創元社 文庫
発売日:2008-12
価格:¥ 1,029
ISBN:4488201083
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73人もの人間が崖から飛びおりた、謎の大量自殺事件を取材に出かけたわたしは、現場の村で不思議な男性と知り合う。悪魔や超常現象を追い求めつづけ、その年齢は二千歳とも噂される彼の名は、サイモン・アーク―――
ホックのデビュー短編みたいですね。最初はオカルトでサイモン・アークも神秘だったんですが、後半になればなるほどアークは普通の人っぽくなり、ただのミステリになっていった感じが。あまりにも変化しているのは、途中の短編が結構はしょられて時系列がとんでいるからでしょうか。うーむ。
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2008年12月27日
[日常] ちょいと早いですが今年を振り返る
さて、今年もあとわずか、ってことで今年読んだ本/ゲーム/DVDで面白かったと思うものでもピックアップしましょうか。
【小説部門】
・ 『ホルモー六景』/万城目学 [感想]
・『ハローサマー、グッドバイ』/マイクル・コーニイ [感想]
・『夜は短し歩けよ乙女』/森見登美彦 [感想]
→うーん、今年はミステリで”これだ!”ってのはなく、エンタメ小説が面白かったですね。私個人の好みが変化してきているのかもしれませんが。
【コミック部門】
・『惑星のさみだれ』/水上悟志
・『それでも町は廻っている』/石黒正和
→どっちかというと、今年出会った良作って感じです。ともにアワーズ作品ですが、ツボにはまったというか、好きですね、こういった作品。
【ゲーム部門】
・『ペルソナ4』/PS2 アトラス
→すごく良い出来だったと思います。珍しく2週目やってコミュニティを全MAXしちゃいました。古臭い言い方をすると少年探偵団みたいな感じでしょうか。
【映画(DVD)部門】
・『キサラギ』
・『インディージョーンズ クリスタル・スカルの王国』
→実際、今年は映画はほとんど見てなかったりするんですが… 『キサラギ』も安楽椅子ものとも取れるミステリでしたか、二転三転が面白いです。『インディージョンズ』は懐かしくもありの作品ですね。
こうやって見ると、ミステリものは小説以外で食い込んできているんですな。うーん。来年はどんなのがツボにはまりますかね。だんだんストライクゾーンがずれて来ている感じがして、自分でも何がHITするかわからないというところがなんとも。あるいは、今年残りわずかでこれらを超える何かに出会えないかなとも思ってみたりしてます。
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[感想] 『踊るジョーカー―名探偵 音野順の事件簿』/北山猛邦
踊るジョーカー―名探偵 音野順の事件簿
著者:北山 猛邦
出版社:東京創元社 単行本
発売日:2008-11
価格:¥ 1,680
ISBN:4488024408
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推理作家の白瀬は、とっても気弱な友人・音野順が秘める謎解きの才能を見込んで仕事場の一角に探偵事務所を開いた。今日も白瀬は泣き言をいう音野をなだめつつ、お弁当のおにぎりを持った名探偵を事件現場へつれてゆく。
気弱探偵というキャラものと、いつものトリック重視を足して割ったような作品。探偵のおどおどっぷりがあまりにもひどい感じで、一人で生きていけないレベルなのは探偵以前に人としてどうよ、ってなところです。トリックとしては北山さんらしく、凝っていますが解き明かし方がおどおどなので、盛り上がりが微妙かなとも。メリハリがちょっと今ひとつかなと思ったりしましたが、まあ普通にミステリしてる作品でした。
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