2008年09月30日
[感想] 『夢は枯れ野をかけめぐる』/西澤保彦
夢は枯れ野をかけめぐる
著者:西澤 保彦
出版社:中央公論新社 単行本
発売日:2008-08
価格:¥ 1,680
ISBN:4120039714
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50歳を目前にして勤め先を退職し、父親が遺した実家で、一人静かに暮らす羽村裕太。ある日、高校の同級会に出席した彼は、そこで30年ぶりに再会した加藤理都子に、「人前では説明しにくいアルバイト」をしないかと頼まれる。持ち前の勤勉さと求職中という身から、とりあえずあ、アルバイトを引き受けることにしたのだが、それは……
高齢者問題を扱いつつ、ミステリ仕立てにもなっている連作短篇集。最初のほうは結構謎を解くスタンスだったんですが、だんだん高齢者問題になってきたのがちょいと残念。高齢者問題になっていくと、なんともやりきれない展開が多いわけで、ボケとかねぇ… すごい特定の地域で、こう事件っぽいものが続くとなんかしつこさも感じちゃいましたか。うーん、面白かったんですがね、最初のほうは。
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2008年09月29日
[新刊情報] 2008年10月
井上夢人さんの文庫が楽しみ。
そして驚きが、東野圭吾さんがガリレオシリーズ2冊(長編と短編)出版という…映画効果狙いすぎてない?
10月6日 『乱鴉の島』/有栖川有栖 講談社ノベルス 【Amazon】
10月6日 『書物迷宮』/赤城毅 講談社ノベルス 【Amazon】
10月6日 『UFO大通り』/島田荘司 講談社ノベルス 【Amazon】
10月8日 『野に咲け、あざみ』/芦原すなお 作品社 【Amazon】
10月10日 『灰色のピーターパン 池袋ウエストゲートパークⅥ』/石田衣良 文春文庫
10月10日 『魔術師 (上)』/ジェフェリー・ディーヴァー 文春文庫
10月10日 『魔術師 (下)』/ジェフェリー・ディーヴァー 文春文庫
10月10日 『大阪ばかぼんど』/黒川博行 幻冬舎文庫
10月10日 『仔羊たちの聖夜』/西澤保彦 幻冬舎文庫
10月11日 『シューカツ!』/石田衣良 文藝春秋
10月15日 『議論の余地しかない』/森博嗣 講談社文庫
10月15日 『あわせ鏡に飛び込んで』/井上夢人 講談社文庫
10月15日 『『アリス・ミラー城』殺人事件』/北山猛邦 講談社文庫
10月17日 『フェティッシュ』/西澤保彦 集英社文庫
10月21日 『スナッチ』/西澤保彦 光文社
10月22日 『ガリレオの苦悩』/東野圭吾 文藝春秋
10月22日 『聖女の救済』/東野圭吾 文藝春秋
10月22日 『夜の光』/坂木司 新潮社
10月24日 『レスキューウィングス/ファイナルシーカー』/小川一水 MF文庫
10月25日 『ジェシカが駆け抜けた七年間について』/歌野晶午 角川文庫
10月下旬 『モダンタイムス』/伊坂幸太郎 講談社
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2008年09月28日
[感想] 『辛い飴』/田中啓文
辛い飴―永見緋太郎の事件簿
著者:田中 啓文
出版社:東京創元社 単行本
発売日:2008-08
価格:¥ 1,995
ISBN:4488025307
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名古屋のライブハウスに現れたという伝説のブルースマンにまつわる謎、九州地方の島で唐島と永見が出会った風変わりな音楽とのセッションの顛末、”密室”から忽然と消失したグランドピアノの行方、など七編を収録した短編集。
結構ミステリ色のつよい謎を、変人っぽい永見が解くジャズミステリのシリーズ二冊目。「味」をタイトルに持ってきているので、タイトルから作品は想像しにくいですが、ジャズに関する出来事から謎が現れ、解いていくという純粋なミステリ。結構綺麗にまとまったものが多く、面白かったです。表題作『辛い飴』が結構好みで、あとは『酸っぱい酒』とかかな。野球の話はまあ、ちょっとどうかなと思ったりもしましたが。
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2008年09月26日
[感想] 『火星ノンストップ』/アンソロジー
火星ノンストップ
著者:ジャック・ウィリアムスン他
出版社:早川書房 単行本
発売日:2005-07
価格:¥ 1,785
ISBN:4152086513
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突如地球を襲った大災害! 途方もない嵐が世界各地で発生、熱帯地方では大雪が降り、津波による死者は数十万人におよんだ。原因は火星から地球へと伸びる力場チューブだった。火星へと飛来した謎の物体が、火星からの地球の大気を盗んでいるらしい。この未曾有の危機に、一人の男が立ち上がった。男の名はカーター・リー―― 世界的に名高い冒険家だ。プロペラ機による両極間無着陸飛行の途中、南極でこの恐ろしい事件に遭遇した彼は、愛機フェニックス号を駆って大竜巻――力場チューブの中に飛び込むと、一路火星へと向かったが…… 表題作『火星ノンストップ』をはじめとする古きよきSFを収録した短篇集。
1930~60年代に書かれた過去のSFを集めた短篇集です。さすがに昔に書かれただけあって荒唐無稽とも思える話なんかもありますが、SFとしてはOKです。表題作なんて、火星から地球の大気を吸い上げるチューブの中を飛んでいく話だし、火星で宇宙人をどう退治するかなんて無茶苦茶だなぁと。そのほか、SF史上初の並列世界を扱った作品や、木星開拓の話など。気に入った作品は『シャンブロウ』(C・L・ムーア)、『わが名はジョー』(ポール・アンダースン)ですね。今でも色あせない古きSF、なかなか楽しめました。
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2008年09月25日
[日常] 漫画よむ
「読書メーター」をはじめました。読んだ小説を記録でき、読んでる本、読みたい本も登録できます。また、ページ数を自動で求めて、1日の平均冊数、平均ページ数なんかを出してくれます。さらに、似た感じの読書傾向の人も探してくれます。とりあえず積んでる小説と読んだ小説は登録していこうかなとも。感想はこちらにも随時アップしていきたいです、ちょいと遅れますが。
で、上記「読書メーター」に関しては小説のみで、それ以外のいわば漫画にかんしてもつらつらと読んでます。なんか面白いなと感じるのが、小説の漫画化。『夜は短し歩けよ乙女』、『鴨川ホルモー』が漫画化してます。ともにエンタメ小説ではあるでしょうが、どちらかというと文学系なのかなと思うところもあり、それが漫画化というのが面白いな、と。ちなみに『夜は短し~』は小説は未読です、『鴨川~』は既読で小説最高でしたね。映画化もするし、万条目はブレイクするでしょうね、きっと。してほしい。
あと、先日紹介した水上悟志さんの漫画で『惑星のさみだれ』も面白いと感じてます。しゃべるトカゲに「地球の危機」を救う協力を依頼され、断り、むしろ地球を破壊する方についちゃう少年の話といえばよくわからんでしょうが。なんというかいろいろと構成され、上手く”間”のある漫画と思ってます。結構オススメなんですよねー
まあ、まだ全部完結していませんが。
続きは紹介した漫画の情報です。
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2008年09月24日
[感想] 『ガーディアン』/石持浅海
ガーディアン (カッパ・ノベルス)
著者:石持浅海
出版社:光文社 新書
発売日:2008-08-21
価格:¥ 990
ISBN:4334076769
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幼時に父を亡くしてから、勅使河原冴はずっと不思議な力に護られてきた。彼女が「ガーディアン」と名づけたその力は、彼女の危機を回避するためだけに発動する。突発的な事故ならバリアーとして。悪意をもった攻撃には、より激しく。では、彼女に殺意をもった相手は? ガーディアンに、殺されるのだろうか。特別な能力は、様々な思惑と、予想もしない事件を呼び寄せる。
同じ「ガーディアン」という存在をめぐる中篇の物語が二編です。前半はミステリ色の強い話、後半はサスペンス風ともとれる話で、同じガーディアンなのにここまで毛色が違う物語になるんだなーと得した気分にも。私としては前半の話が綺麗で好きですね。後半は、計算されているんでしょうが唐突な結末かつ後味の悪さを感じ、逆にこの後どうなるんだろうが気になりました。ガーディアンという設定は面白く、どのように味付けするかで他にもいろいろとできそうで、面白いですね。
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2008年09月23日
[感想] 『紙の碑に泪を』/倉阪鬼一郎
紙の碑に泪を
著者:倉阪 鬼一郎
出版社:講談社 新書
発売日:2008-09-05
価格:¥ 840
ISBN:4061826093
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多方面で活躍する才人・西木遵が東京・八王子で殺害された。そのとき犯人は、遠く離れた渋谷のホールでクラシックのコンサートを聴いていた……? 一方、上小野田警部はアメリカ南部を舞台とした奇怪なミステリーを読みながら、とある場所で犯人の到着を待つ。警部はテッパンのアリバイを崩せるか?
警部がミステリを読みながら実際の容疑者が来るのを待つという話でしたが、事件の全貌がわからず、ただ物語りは事件の断片と思われるブログ記事とむちゃくちゃな翻訳ミステリで進んでいきます。むしろ翻訳ミステリの方が理解できるぐらいに。で中盤、やっとどんな事件だったかを容疑者と語り始めるんですが、なんというか「これ」をやりたいがための一冊に思えて、いまいち…でした。というか翻訳ミステリの無茶苦茶っぷりの方が面白かったり。本格ミステリを意識しつつギリギリアウトで失敗したんじゃないのと思ってもみたり。うーん…
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2008年09月22日
[感想] 『目薬αで殺菌します』/森博嗣
目薬αで殺菌します
著者:森 博嗣
出版社:講談社 新書
発売日:2008-09-05
価格:¥ 924
ISBN:4061826123
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神戸で劇物の入った目薬が発見された。目薬の名には「α」の文字が。その頃、那古野では加部谷恵美が変死体を発見する。死体が握り締めていたのは、やはり目薬「α」! 探偵・赤柳初朗は調査を始めるが、事件の背後には、またも謎の組織の影が…?
Gシリーズ7作目ですが、前作が遠い昔に読んだんで全くといいほど何がどうなっていたか覚えていません。というか途中にXシリーズが割り込んでいたんですね、それすら記憶が… 相変わらず事件は他人事のように伸展し、学生たちはそれぞれの学生生活を営んでいます。時間はあっという間に過ぎ去り、警察が地道な捜査で手がかりをつかみ容疑者を絞り込みます。思うんですが、森さんのシリーズものは全体でひとつの物語で、1冊にこめられているは背景を描くためのパーツであり、それ自体の物語は単独では意味を見出せない歯車みたいなものなのかな、とも。長い期間を経て試される実験のほんのわずかな瞬間を見せられても、全体像はみえませんし、もう何がなんだか、というところなんです。結局、よくわかりません、ということなんですが… 10冊で終わるのかなぁ?
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2008年09月20日
[日常] 今年初のオフ
2008年も半分過ぎて、今年初のオフ会行ってきました。といっても、いつもの面子(SAMANAさん、くにももさくらさん、私と相方)なんでこれといって新鮮味もありませんが。
で、相方は夜合流だったので、その他の面子(おっちゃんら)で昼過ぎから合流して、大阪・中崎町の「珈琲舎 書肆アラビク」にお邪魔して延々と4時間近く居座ってしまいました。申し訳なかったです… 話題としては、今年のミステリは不作ですね、とか、作家名が(記憶から)出てこなくなりましたね、とか、まあ、雑談みたいに。ああ、店主さんに「作家さんですか?」と聞かれたりもしたり、(「ぜんぜん違います」です)。店主さんがカウンタに座っていたお客さんに「ジーン・ウルフ」を薦めていたのが印象的でした。私には理解できなかったSFなもんで。
その後は相方も合流して、居酒屋っぽい店で続くトークを。私は食べすぎでへばってました。海外ミステリとかの話題もありましたか。というかいつも同じ面子は新鮮味がないんで新たな人材が欲しいという話を。若くパワフルな人とか。今の若者は何を読んでるんだろう、とか。なんなんでしょうね、舞城?西尾?道尾? それとも普通に東野?
さて、次回は11月の大谷大学で開催される三津田信三講演会で適当に集まりましょうってな話になってます。フレッシュな顔ぶれが増えないかなと期待ということで。
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2008年09月19日
[感想] 『不連続の世界』/恩田陸
不連続の世界
著者:恩田 陸
出版社:幻冬舎 単行本
発売日:2008-07
価格:¥ 1,680
ISBN:4344015398
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音楽ディレクター塚崎多聞のフランス人の妻ジャンヌが突然里帰りし、そのまま音信不通になって、そろそろ1年になろうとしていた。多聞はジャンヌの実家を訪ねたが…。『夜明けのガスパール』ほか中編5編を収録。
『月の裏側』に登場した多聞が主人公となって、不思議な事件というか怪奇と出会う物語です。といっても、『月の裏側』の出来事は関与しませんので単独で読んで問題ない作品です。作中の怪奇はまさに怪奇としかいいようのないホラー味の強いものから、ロジカルに説明のつくものまで多種多様です。静かな恐怖はじんわりと伝わってきますし、最近の作品の中では面白かった方かなと感じました。特に序盤の作品の”怖さ”はなかなかだと思いました。
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