« 2008年05月 | メイン | 2008年07月 »

2008年06月29日

[感想] 『なぜ絵版師に頼まなかったのか』/北森鴻

 なぜ絵版師に頼まなかったのか

 著者:北森鴻
 出版社:光文社 単行本(ソフトカバー)
 発売日:2008-05-22
 価格:¥ 1,575
 ISBN:4334926096

 【Amazon

 変革の嵐が吹き荒れる、明治年間の帝都。帝國大学には多くの雇われ外国人が教師・研究者として赴任していた。エルウィン・フォン・ベルツ先生もその一人。並はずれた日本びいきで知られるベルツ先生とその弟子・葛城冬馬が、次々に出来する新時代の事件に挑む!

 変革の時代を舞台にしたミステリですが、その強みがあんまり感じられないかなと。鳴り物入りのベルツ先生もいまいちな感じでしたし、ほとんど主人公の冬馬が一人で事件を勝手に解決している、そんな展開なんですよ。登場するたびに名前が変わるサブキャラもなんか意味があるのかわからんし… 全体的に地味で、設定が上手くない、というわけでちょいと外れたかなと思ってしまった一冊でした。

投稿者 FOOL : 22:52 | コメント (0) | トラックバック

2008年06月28日

[感想] 『モンスターズ』/山口雅也

 モンスターズ

 著者:山口 雅也
 出版社:講談社 単行本
 発売日:2008-03
 価格:¥ 2,310
 ISBN:4062145936

 【Amazon

 誰の中にも潜んでいるモンスター、それに乗っ取られた時に始まるミステリ。深く、濃く、そしてゆっくりと謎は深まる…… 『ミステリーズ』『マニアックス』に続くシリーズ第3弾。

 テーマとしてはいろんな意味での”怪物”を扱った作品集です。ミステリとしての色合いは薄まっているかなと思う部分もありますが、物語として面白いものもありました。『もう一人の私がもう一人』と『モンスターズ』が好みですね。山口雅也っぽさも感じられたし、このシリーズはやはりけっこう好きです。

投稿者 FOOL : 22:44 | コメント (0) | トラックバック

2008年06月22日

[感想] 『山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー』/アンソロジー

 山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー

 著者:ジェイムズ・パウエル他
 出版社:角川書店 文庫
 発売日:2007-12
 価格:¥ 820
 ISBN:4043455038

 【Amazon

 本格ミステリの華・密室トリック。国内・海外の巨匠がが執筆した、以外な謎と解決が冴える傑作短篇集。 入門者からマニアまで、全ての読者を驚かせ、満足させる作品を山口雅也が編集した短篇集。

 変り種の作品も結構収録されており、「ああ、山口雅也が選んだんだなぁ」を感じさせる一冊というのをすごく思いました。謎を提示する『女か虎か』や、バカらしい『イギリス寒村の謎』など、ニヤリとなる作品がおおいのも確かです。意外と読めて楽しめて、お勧めなのかもしれません。

投稿者 FOOL : 18:40 | コメント (0) | トラックバック

2008年06月21日

[感想] 『蒸気駆動の少年』/ジョン・スラデック

 蒸気駆動の少年

 著者:ジョン・スラデック
 出版社:河出書房新社 単行本
 発売日:2008-02-19
 価格:¥ 2,205
 ISBN:4309622011

 【Amazon

 暴虐な大統領を排除すべく、タイム・パトロール隊が用意したのは蒸気駆動の少年ロボット。だが、そこには思わぬ結果が待ちかまえていて……(『蒸気駆動の少年』) 奇抜で奇才なSF作家の見せた短篇集。

 よくわからなかったです。奇抜すぎるというか、突飛すぎるというか。話のつながりが理解できず、あっちいってこっちいって、物語として破綻しつつも、世界はその中で連続した時間を刻むというか。支離滅裂の中のSFなもんで、ほんとわからないんです。中にはミステリと取れる作品もあり、そちらはロジカルに書かれているのでそれなりに楽しめましたが、SFについてはほんと理解範疇を超えていました。難しいところですね、何が面白いかわかって読めればよいのですが。

投稿者 FOOL : 18:35 | コメント (0) | トラックバック

2008年06月15日

[感想] 『マジック・フォー・ビギナーズ』/ケリー・リンク

 マジック・フォー・ビギナーズ

 著者:ケリー・リンク
 出版社:早川書房 単行本
 発売日:2007-07
 価格:¥ 2,100
 ISBN:4152088397

 【Amazon

 国一つが、まるごとしまい込まれているハンドバッグを持っている祖母と、そのバッグのなかに消えてしまった幼なじみを探す少女を描いたファンタジー(『妖精のハンドバッグ』) なにかに取り憑かれた家を買ってしまった一家の騒動を描く、家族小説(『石の動物』) ファンタジー、ゴースト・ストーリー、青春小説、おとぎ話、主流文学など、さまざまなジャンルの小説を、独特の瑞々しい感性で綴り、かつて誰も訪れたことのない場所へと誘う、異色短篇集。

 不気味な小説も多く、なんとなく暗く重い雰囲気になってしまったなという感想です。読んだ時期も悪かったのかもしれませんが。『石の動物』なんて作品なんて、ほんとどっしりと来ました。異色なんですよね、雰囲気も全体も、見えない何かに対しての恐怖のあおり方なんて上手いというかリアルというか。すごい小説は小説なんですが、肌にあわなかったなぁという感じでした。

投稿者 FOOL : 17:58 | コメント (0) | トラックバック

2008年06月14日

[感想] 『四畳半神話大系』/森見登美彦

 四畳半神話大系

 著者:森見 登美彦
 出版社:角川書店 文庫
 発売日:2008-03-25
 価格:¥ 700
 ISBN:404387801X

 【Amazon

 妄想してないで、とっとと恋路を走りやがれ! 私は冴えない大学三回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。できればピカピカの一回生に戻ってやり直したい! 四つの平行世界で繰り広げられる、おかしくもほろ苦い青春ストーリー。

 ああしていればよかった、と思うことはあってもきっとたどる道筋が違うだけでやってることは一緒ですよ。と言わんばかりの青春小説。私と悪友、師匠に後輩の女の子。入学時に入ったサークルによって起こる出来事は違うものの、時系列として起こることは同じ、私は悪友とモテナイ道に入り、そしてバラ色を失ってこんな日々を暮らしています的な。いや、青春小説として面白いですよ。なんかこう後ろ向きだし、世間をうらやみつつうらみつつ、でやっぱり回りに振り回されて… 最期の話はアレですが、全体的に微妙なつながりもあり、神話体系とは良くぞ言ったものだという小説でした。おもしろかったなあ。

投稿者 FOOL : 17:48 | コメント (0) | トラックバック

2008年06月08日

[感想] 『腕貫探偵、残業中』/西澤保彦

 腕貫探偵、残業中

 著者:西澤 保彦
 出版社:実業之日本社 単行本
 発売日:2008-04-18
 価格:¥ 1,680
 ISBN:440853529X

 【Amazon

 悩める市民の相談ごとが次々に持ち込まれる「市民サーヴィス課臨時出張所」の窓口。そこで対応する職員にして、黒い腕貫を嵌めたその男は、じつに聞き上手。相談者のこみいった個人的事情を聞きだすうちに、奇怪な事件の糸口が…… 立て籠もり? 偽装殺人? 詐欺? 轢き逃げ? などなどさまざまな事件も、人間関係をほぐされていくと意外にも…… 日常の暗部に恐ろしい罠が待ち受けているのが人生にはちがいないが!!? あっけらかんとプライベートな秘密に迫る、嫌味なまでに冷静沈着な腕貫男は神出鬼没なくせに、杓子定規な市民サーヴィス課苦情相談係。そんな腕貫男を慕うエキセントリックな彼女は食いしん坊。オフタイムの腕貫のもとへ難題を持ち込むのだが……

 腕貫男が外で遭遇した事件簿みたいな感じです。彼以外にもレギュラー登場人物が増え、この世界が広がりを見せつつあるのかなとも。面白かったですよ、なかなかにキレのある仕掛けを感じたかなとも。また新キャラともなる女子大生ですが、西澤作品らしい女性に仕上がっており、私としては好感をもてました。結構、こういう小粒だけど綺麗なミステリが好きです。後味がわるいものありますがね。

投稿者 FOOL : 17:42 | コメント (0) | トラックバック

2008年06月07日

[感想] 『人類は衰退しました 3』/田中ロミオ

 人類は衰退しました 3

 著者:田中 ロミオ
 出版社:小学館 文庫
 発売日:2008-04-19
 価格:¥ 630
 ISBN:4094510613

 【Amazon

 妖精さんが、里から消える……!? わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は”妖精さん”のものだったりします。そんな妖精さんと人間との間を取り持つのが、国際公務員の”調停官”のお仕事。……閑職ですが。そんな絶賛衰退中の人類すべての記録を目指した、ヒト・モニュメント計画の影響で通電することとなったクスノキの里では、”夏の電気まつり”が開催されることに。一方、妖精さんは里帰り。……!? 妖精さんがいなくなる!? 微妙なお別れののち、わたしたちは都市遺跡の調査に向かったのですが…… エネルギーの補給は計画的に!

 妖精さんの生態の一端を垣間見れます。と、今回はアクション巨編。妖精さんというよりもだらだらとダンジョンを探索し、ヒーロー物のお約束展開が炸裂する、そんな話です。1冊まるまるそんなもんなんで、なんとも今までと比べると冗長かなと思える部分もあり、長い話だったわりにはいまいちと感じるところも。なんですかな、妖精さんとの絡みにもよるのでしょうか。癒される展開とはまた違ったアクション小説、むむむむと読んでみてくださいな。

投稿者 FOOL : 17:36 | コメント (0) | トラックバック

2008年06月01日

[感想] 『もう誘拐なんてしない』/東川篤哉

 もう誘拐なんてしない

 著者:東川 篤哉
 出版社:文藝春秋 単行本
 発売日:2008-01
 価格:¥ 1,260
 ISBN:4163267107

 【Amazon

 「俺が、おまえを誘拐してやろうか?」 ひょんなことからヤクザの組長の娘を誘拐する羽目になった翔太郎。関門海峡を挟んで、脱力感あふれる青春が、小気味よい九州弁が、驚愕のミステリーが炸裂する!

 まあ、ユニークミステリということでヤクザの組長の娘の狂言誘拐を主軸に、ほかの殺人事件がおこり、巻き込まれてしまうというもの。ドタバタはしており、小ネタと思える仕掛けをばら撒いているにもかかわらず、ほんの一部だけを拾い上げて結末にしちゃったかなという部分があるのかなと。じゃあ、あれはなんだったの、とかあれは誰がどうしたの、みたいに解決のつかないネタが残されているんじゃないかなと。でもまあ、コミカルにユニークに単純にまとめた、という意味ではそんなものかもしれませんが。

投稿者 FOOL : 17:20 | コメント (0) | トラックバック