2007年08月24日
[感想] 『盗作』/飯田譲治、梓河人
盗作(上)
著者:飯田 譲治
出版社:講談社 単行本
発売日:2006/01/28
価格:¥ 1,260
ISBN:4062132923
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盗作(下)
著者:飯田 譲治
出版社:講談社 単行本
発売日:2006/01/28
価格:¥ 1,260
ISBN:4062132931
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片田舎の平凡な女子高生・彩子は、ある晩、衝撃的な夢を見た。憑かれたように、その夢の光景をキャンパスに描きあげた彩子の作品は日本中を震撼させるが…
タイトルから盗作を巡るドロドロとした話かとも思っていたのですが、予想外に創作に対する一つの考え方というようなテーマを見せてくれました。絵から音楽へ、そして… 時代を移り変わらせ、一つのジャンルではなく芸術・創作そのものを突きつめ、ラストの主人公の言葉に重みを持たせているなという印象派受けました。面白かったです、一気に読ませるジェットコースター的な小説でもあったとは思います。意外なことに『アナン』の登場人物まで登場したりもしましたし。これは閃きに関わって創作を行っている人にも読んで欲しい作品かなとも思いました。オススメです。
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2007年08月16日
[感想] 『異界』/鳥飼否宇
異界
著者:鳥飼 否宇
出版社:角川書店 単行本
発売日:2007/07
価格:¥ 1,680
ISBN:4048737783
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明治時代、紀伊山中で全身が体毛で覆われた野生児が目撃された。その直後、とある病院で乳児が攫われるという事件が発生。大博物学者・南方熊楠は弟子と共に事件解決に乗り出すが…
ミステリっぽさはあんまりありませんでした、民俗学っぽい? 最初は狐憑きやらの話が続き、中盤から赤子誘拐、つづいて変死事件と流れていきますが、そんなに深くのめりこむことなく、あっさりと真相が露見して、あれやあれやと解決。おまけ的に海外の某探偵とかが意味もなく登場したりしていましたか。どの辺りがメインなのか掴みにくく、気が着いたら薀蓄を聞かされて終わってしまった一冊というような、まさにバカミスとも取れる作品だったかと思います。
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2007年08月11日
[日常] 古本まつり
下鴨神社にて古本まつりが行われるということで行ってきました。まあ、夏も本番ということで炎天下。神社の中だから木陰は多く助かりましたが、配っていたうちわがなければ倒れていてもおかしくない感じでした。
さて古本まつりですが、とりあえず圧巻なほど店がならび人がおり、もう何がなんだか。私の目的としてはサンリオSF文庫だったんですが、基本的にワゴン品が多いため見つからず、相方が何冊か本を買うという感じで終了でした。まわった時間はおおよそ三時間ほど? あっという間だったかもしれません。
帰りにはヨドバシの新しい食事どころで飯を食って帰宅です。もうちょいで夏休み、うれしいな。
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2007年08月10日
[感想] 『収穫祭』/西澤保彦
収穫祭
著者:西澤 保彦
出版社:幻冬舎 単行本
発売日:2007/07
価格:¥ 2,100
ISBN:4344013484
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1982年、8月17日、夜。暴風雨の首尾木村北西区で、ほとんどの村民が虐殺される大量殺人の発生が警察に伝えられる。しかし悪天候と現場に通じる2脚の橋が流されたため地区は孤立、警察の到着は翌日になってからだった。かろうじて生き延びたのは中学3年の少年少女3人と彼らが通う分校の教諭ひとり。被害者は、3人の家族ら14名で、そのうち11人が鎌で喉を掻き切られていた。不明な点もあったが、犯人は、事件当日、逃走後に事故死した英会話教室の外国人講師と断定された――― そして9年後、ひとりのフリーライターが生き残った者たちへの取材を開始するや、ふたたび猟奇的な殺人事件が起こる。
大量殺人の過去と、その後の現在。事件が解決しているかのように見せ、上手く手がかりを小出しにしつつ、満足を与えるその物語の運び方が上手いなぁと感じました。一気に読み終わりたくなるという点で。つまり、なんとなく解決している気持ちにさせるんですが、実はまだわからないことはたくさんあり、「ああ、そういえば」と思い出すと同時に「なるほど」と驚きと納得をあたえてくれるわけです。第三部の結末である真相に到達したときには、確かにそれしかないのに見事に騙されたという気持ちだったかもしれません。その後はなんとなく蛇足な展開で、そっちはちょいと好みではなかったんですが… なんにせよ、面白かったと思いますよ。
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2007年08月09日
[感想] 『バカミスじゃない!?』/アンソロジー(辻真先、他)
バカミスじゃない!?―史上空前のバカミス・アンソロジー
著者:辻 真先、山口 雅也、北原 尚彦、かく たかひろ、戸梶 圭太、船越 百恵、鳥飼 否宇、鯨 統一郎、霞 流一
出版社:宝島社 単行本
発売日:2007/06
価格:¥ 1,785
ISBN:4796658696
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霞流一、鯨統一郎、鳥飼否宇ら、おなじみ『このミス』常連組の最新作。ミステ リー界の重鎮、辻眞先の奇想天外な怪作。山口雅也が独自の感性を爆発させた異 色ハードボイルド。戸梶圭太の痛快写真小説。日本を代表するシャーロッキア ン、北原尚彦のホームズ・パスティーシュ。船越百恵のユーモア中編。WEB上 で話題沸騰中、かくたかひろの新感覚ショートショート。 実験&遊戯精神にあふれた怒涛の作品群
まあ、タイトルのとおりというべきか、バカミスぞろいの一冊です。くだらないネタ、一発ネタ、うへぇ、というような作品ばかりで面白いというよりも、「いいのこれ?」みたいな感じでした。小説という形じゃないものもありますし。ま、そんな中でも面白いと感じたのは船越百恵さんの『乙女的困惑』と霞流一さんの『BAKABAKAします』でしょうかね。小説として成立していますし。かくたかひろさんの『あれだけの事件簿』なんてビックリでしたよ。あー、しかしばかばかしいですが、これはこれで楽しめましたとも。
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2007年08月08日
[感想] 『押入れのちよ』/荻原浩
押入れのちよ
著者:荻原 浩
出版社:新潮社 単行本
発売日:2006/05/19
価格:¥ 1,575
ISBN:4104689025
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15年前のかくれんぼから、姿を消してしまった妹の運命を垣間みる夜。(『木下闇』) 不毛な結婚生活に終止符を打つため、殺人計画を実行する夫婦が過ごす夜。(『殺意のレシピ』) 愛らしく不憫な幽霊と失業中サラリーマンが、奇妙な同居生活をはじめる夜。(『押入れのちよ』) ホラーとかちょっと笑えたりする9つの短篇を収録した短篇集。
怖いものから笑えるもの、切ないものと色々取り揃えた短篇集。取り揃えすぎで逆に統一感がなく、ギャップによって小説の当たり外れを感じてしまうところがちょいと残念かなというところでしょうか。『コール』とか『押入れのちよ』のように心温まる(?)作品が好みでした。逆に怖さをあおるべき作品が、最後の押しが弱いとかあって、うーんなところも。一気読みじゃなく時々読むぐらいが丁度良かったのかなとも思ったりします。
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2007年08月07日
[感想] 『監禁』/福田栄一
監禁
著者:福田 栄一
出版社:講談社 新書
発売日:2007/06/08
価格:¥ 924
ISBN:4061825356
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「助けてくれ、カンキンされている 警察にれんらくを」 そうかかれた一枚の紙切れを見付けた美哉。危険な匂いを感じた美哉は一人でそのメッセージの真相を追う。一方、放火の容疑をかけられたまま失踪してしまった恋人の行方を追う義人。もう探すのを諦めようとしていた時に、ある手がかりを得て―――
三つの視点で描かれる物語。福田さん特有の巻き込まれ型をあえて三方向から見せているのですが、どうも都合が良すぎるという点が気になったのと、まとまらず発散しているなあという印象が。ラストも不完全燃焼で、あれ終わっちゃった、みたいな。福田さんの作品としては無理に犯罪ものに展開せず、人のいい青年が振り回されるタイプが面白く読めるかもしれないなと思ったりしました。
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2007年08月06日
[感想] 『幼年期の終り』/アーサー・C・クラーク
幼年期の終り
著者:アーサー・C・クラーク
出版社:早川書房 文庫
発売日:1979/04
価格:¥ 756
ISBN:4150103410
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人類が宇宙に進出したその日、巨大宇宙船団が地球の空を覆った。やがて人々の頭の中に一つの言葉がこだまする―――人類はもはや孤独ではない。それから50年、人類より遥かに高度の知能と技術を有するエイリアンは、その姿を現すことなく、平和裡に地球管理を行っていた。彼らの真の目的は? そして人類の未来は?
人類がエイリアンに見守られながら、段階を経て進化(?)していく様子の物語。所詮宇宙に旅立てない地球の文化なんてまだまだ、というところから、オーバーロードというエイリアンによって管理され新たな道を歩んでいく様なんて、なんとも情けないような印象と共に、オーバーロードは何をしようとしているのかという興味を混ぜてきています。牙を抜かれた獣ってのはこんな感じなんでしょうか、全てが生きるだけになっている世界とはつまらなさそうですね。なんというか主人公という概念があまりなく、人類の行く末というところに共感できないと、最終的な感動が薄いなぁというところが。純粋にSFなんですがヒロイックものでもないし、爽快アクションでもないし、歴史書を読んでいるような感じでした。難しい…
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2007年08月05日
[感想] 『絞首台までご一緒に』/ピーター・ラヴゼイ
絞首台までご一緒に
著者:ピーター ラヴゼイ
出版社:早川書房 文庫
発売日:2004/10
価格:¥ 798
ISBN:4150747210
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19世紀末ロンドン。テムズ河で水遊びをしていた女学生ハリエットはボートに乗った三人の男と犬を目撃した。翌日、テムズ河で他殺死体があがる。ハリエットが見た三人に容疑がかかり、彼女はクリッブ部長刑事に協力を頼まれた。三人は最近発売されて話題の小説『ボートの三人男』の内容に沿って移動しているらしく、彼女たちも本を読んで追いかけることになったのだが…
なかなかにユニークなミステリでした。物語としてのボートの三人男の見立て、それを追いかける女学生と刑事の珍道中、奇人達とのやりとりなど。事件そのものは地味ですが、上手く『ボートの三人男』という小道具を生かし、いかに面白くそれを追いかけているかというところがミソなんでしょうね。ミステリとしての謎解き度合いは低いかもしれませんが、楽しめるという意味では陽気な小説ですのでオススメしたいと思います。
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2007年08月04日
[感想] 『十月は二人三脚の消去法推理』/霧舎巧
十月は二人三脚の消去法推理 私立霧舎学園ミステリ白書
著者:霧舎 巧
出版社:講談社 新書
発売日:2007/06/08
価格:¥ 882
ISBN:4061825364
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十月。霧舎学園の秋の行事第一弾は体育祭。琴葉と棚彦は体育祭実行委員に据えられる。準備の真っ最中の本番一週間前、校内で不審火が発生。パソコン教室のメールに残された「十月十日の殺人」との関連は? 昨夜子の言動が事件解決の糸口になるのか?
もはやこれまでのシリーズの内容を忘れており、それがある種の致命的な部分になりつつあるのがなんとも… 過去の事件を絡めて物語が展開するのは仕方ないとしても、それにより読者の楽しみが半減してしまってはねぇ… よくわからないまま事件は進み、なんか強引な消去法をもってして解決。あれよあれよと作中人物たちの感動のフィナーレにすらついて行けないって… うーん、全部揃ってからの一気読みがよいのでしょうかね。
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