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2005年10月25日

[感想] 『セリヌンティウスの舟』/石持浅海

 セリヌンティウスの舟

 著者:石持 浅海
 出版社:光文社 新書
 発売日:2005/10/20
 価格:¥ 800
 ISBN:4334076211

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 荒れ狂う海で、六人のダイバーはお互いの身体をつかんで、ひとつの輪になった。米村美月、吉川清美、大橋麻子、三好保雄、磯崎義春、そして、僕、児島克之。石垣島へのダイビングツアー。その大時化の海で遭難した六人は、信頼で結ばれた、かけがえのない仲間になった――― そんな僕らを突然、襲った、米村美月の自殺。彼女はダイビングの後の打ち上げの夜に、青酸カリを飲んだ。その死の意味をもう一度見つめ直すために、再び集まった五人の仲間は、一枚の写真に不審を覚える。青酸カリの入っていた褐色の小瓶のキャップは、なぜ閉められていたのか? 彼女の自殺に、協力者はいなかったのか?

 何故何故何故、自殺について残された仲間たちが論じつづけるミステリ。ともに信頼があり、そこから動かないという部分で心理面の強情さがあり、客観的視点とはまた違った”謎解き”へと展開して、それはそれで面白いんですが、なんというかそれはあくまで登場人物たちの心理であり、明確に読者に伝わってくる部分が少ないんです。そして結末というか動機というか。いつも石持さんの作品の動機にはなじめない部分が大きかったりするんですが、「あぁ、今回もか」的な部分が。しかも、この小説ではそこんところがメインだったりするんで、ちょいと評価が難しいかなと思ってしまったり。『扉は閉ざされたまま』みたいに別の部分でも点数の高い”何か”があればかなり高得点だったんですが、残念。でも、面白かったですよ、それはそれで。

投稿者 FOOL : 2005年10月25日 23:47

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