2005年09月29日
[感想] 『影男・ぺてん師と空気男』/江戸川乱歩
[ [感想] 2005年度
| あ行
]
影男;ぺてん師と空気男
著者:江戸川 乱歩
出版社:角川書店 文庫
発売日:1987/10
価格:¥ 567
ISBN:4041053064
長いにらみ合いの後、全裸の二青年は恐ろしい勢いで突進した。肉弾がはげしくぶつかり、突き合い殴り合い、そのうち、鮮血が流れ始めた… うす暗い地下室で行われた秘密の狂態。血だらけの美青年をみつめて興奮に酔う、上流婦人たちの飢えた陰湿な目、目、目。人生の裏街道を歩きまわり、弱みをもつ富裕階級をゆすって大金をせしめる”影男”とは何者?
視点が怪人というか、犯罪者側の”影男”の視点であるから舞台裏をずっと見せられるようでそれはそれで面白いです。江戸川乱歩の風味が出ているというかなんというか、幻想であり戦後の怪しい世界が実によくあらわれているな、と。話はそれぞれが短い短編の連作のようなつながりで、不気味なものもあれば、あっと驚くものもあります。ラストの明智小五郎登場はちょいと拍子抜けのあっという間の結末でしたが… 空気男の話も、こちらはブラックジョークと犯罪もので、同じように短い小説が組み合わさった感じですね。ある意味いろんなネタを一気に楽しめ、めぐるめく世界に浸りたい人にはオススメでしょうかね。
ちなみに表紙イラストは高橋葉介氏、見事にピッタリです。
投稿者 FOOL : 2005年09月29日 23:15
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