北穂高岳/滝谷/滝谷クラック尾根

無所属/金野、他1名


< 記 録 > 金 野


<山行日>     1997年3月31日(月)〜4月3日(木)
 3シーズンぶりの雪山&岩登りに行って来ましたので,簡単に報告します。

3月31日

 新穂高のバス停で相棒と合流し、白沢出会いで幕(19:00)ヘール・ボップ彗星がバッチリ見えました。

4月1日

 白沢出会い(6:30)〜涸沢岳西山稜経由,北穂岳山頂付近(15:00)

 入山にはもったいない快晴の中、順調に高度を上げるが、涸沢岳から北穂間での稜線で予想以上に時間がかかった。
まあ、体力不足が一番の原因か。
 頂上小屋は雪で2/3埋まっており,松なみ岩付近に幕。IDOディジタル800MHzで愛妻にラブコールするも、周期的に音
声がとぎれ,電波状態は悪い。

4月2日
 天幕(6:10)〜滝谷クラック尾根/取り付き(7:00)〜終了(12:00)

 低気圧が近づいているが,朝のうちは高曇り。午前中勝負でクラック尾根に取り付く。雪の状態は安定しており、主
稜線の下降,B沢の下降は問題なくクリア。10時頃から雪が舞い始め、終了間際には強い風雪になった。

 クラック尾根のピッチグレードは,じゃんけんクラックの4級+が最高だが、3級ピッチでも以外と難しいムーブがあっ
たりして、久しぶりのミックス壁登攀としては、非常に充実感がもてた。リハビリにもなったし。

 終了後、下山しようかと思ったが風雪が強いのであきらめ、テレビで天気予報をチェック。明日からさらに悪くなる模
様で,ショックが大きい。

4月3日

 天幕(9:20)〜新穂高バス停(21:00)

 予定では、第一尾根の登はんだったが、悪天でキャンセル。夜中,雪から雨となりテントの中には水たまりが出現。融
雪注意報が出ているのでやけに暖かい。視界は50m位だが風が弱まってきたので下山開始。岩には昨日からの雪が雨と混ざ
ってへばりついており,状態は悪い。

 涸沢岳までの主稜線のルートがはっきりせず,2度ほどリングしてしまった。一時,方角や位置が分からなくなったが,
なんとか涸沢岳に14:00頃到着し、一気に新穂高まで下山することにする。

 雪はザラメ状で,ズボズボ。下部樹林帯も足を取られて体力消耗。入山の時と比べて、1ヶ月くらい一気に時期が進ん
だようだ。林道にはデブリが数カ所新たにできており、かなり暖かかったようだ。

まとめ

 テレビ付きのラジオ,移動電話を駆使すれば、従来のように天気図を自分で引くことは必要ない様だ。特に、テレビで
見る衛星写真での雲の状況は非常に役に立つ。

 反対に、今回使用した山道具は,知人に”時代遅れ”と言われるような装備だった。割れてもおかしくない10年くらい
前の白いコフラック靴,14年前に買ったテルモス(残念ながら,今回の山行で魔法瓶が割れてしまった),びりびりのロ
ングスパッツなど、愛着はあるが使用限界を超えてしまっている装備が,ちょっと悲しい。

 3シーズンぶりでの登山は,自分の体力のなさを実感させると共に、充実感あふれるものとなった。

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