黒部/丸山東壁南東壁/塚田・小暮ルート

黒部/丸山東壁南東壁/塚田・小暮ルート

京都・左京労山/伊藤達夫・大塚とみあき・中村真


< 記 録 > 伊藤 達夫



山行日:1996年9月14日-17日

参加者:伊藤達夫・大塚とみあき・中村 真
山岳会:京都・左京勤労者山岳会

ルート:黒部ダム - 丸山東壁南東壁塚田・小暮ルート - 丸山北峰 - 丸山主峰 - 御前谷乗越
    - 御前谷右俣下降 - 御前谷左俣 - サル又のコル - 雄山 - 東一ノ越 - タンボ平
    - 黒部ダム

9/14 雨のち晴れ

 13日夜に車で京都を出て扇沢から関電トンネルを歩いて抜け出口で仮眠。南東壁の取付まで行くと雨
が上がった。各自水2リットルを持ちスタート。

 壁には水が流れロープが重くなり,ピッケルや軽アイゼンを持ったためにザックも重く,ピッチが上
がらず緩傾斜帯へ抜け出たのは夕方。最後の人工の部分でハーケンが抜けラストが宙吊り。脱出に手間
取り夜間登攀で松の木テラスまで行ってビバーク。

9/15 晴れ

 上部も悪く終了は昼過ぎ。北峰頂上で薄暗くなってきた。ヘッドランプをつけヤブをこぐが疲れが出
て進めず主峰との中間点でごろ寝のビバーク。水が少なく食事はなし。

9/16 晴れ

 主峰,御前谷乗越を経て沢を下ると10分で水場があった。御前谷の二俣で大休止して食事をした。左
俣へ入って最初の大滝は右岸の溝を登ってから灌木のバンドをトラバースし,行き詰まったところでザ
イルをつけてカンテを乗越し1ピッチ水平にトラバースして上に出る(容易)。そこから,ほとんど雪
渓の上を歩きサル又のカールの下に出る。最後の水場で給水し,カールに上がってテントを張る。

9/17 くもり

 予定では大汝山のピークからカールに落ちている第3尾根を登るはずだったが,時間切れを心配して
割愛。軽アイゼンをつけて雪渓をさらに登り,コルに出て雄山山頂を往復したのち,一ノ越を経由せず
に,東一ノ越にトラバースする登山道に向かって最短距離を下った。タンボ平を経てダムへ下山。

 今回は計画通り出来なかったが,丸山東壁-御前谷-第3尾根-立山-(剱)のルートは,岩壁・ヤブ・
沢・滝・雪渓・岩稜・縦走路と何でもありの総合力を試される好ルートです。御前谷は人が全く入って
いないのがいい。お花畑も美しい。丸山東壁だけでは物足りない人におすすめします。

 第3尾根は結構手応えがあります。「登山大系」の解説は最初の3峰の部分だけは正しいですが,そ
の他の部分はウソです。ほとんど最後までロープで確保しないと危険です。雪がなければ左右のルンゼ
に逃げることはできません。

 塚田・小暮ルートは,下部のハング下を左斜上するピッチでピンが抜けていて中間サイズのアングル
が1本必要です。

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