前穂高岳/北尾根

どんぐり山の会/坂上、長谷川、その他3名


< 記 録 > 坂上 栄人



(山行日)1996年11月1日〜3日

 最近は出張の合間にメールを見るという生活が続いており、少々遅れてしまいましたが11/2-4の
3連休の報告です。

 3連休は槍の東稜の予定でしたが、2日の天気が悪いと言うことで、なぜか上高地に転進して前
穂北尾根に登りました。期待していた雪は見事になく、ほとんど夏道状態でした。アイゼンはただ
の重石になってしまった。

<行動>

11/1 会のメンバー5人(N氏、長谷川、S氏、K氏、坂上)で、23時56分発の臨時急行で大町へ
  向かう。

11/2 雨。七倉に向けてTAXIに乗ろうとしたが、N氏が傘と防寒具を忘れてきたことが判明。N氏
  の合羽にはどう見ても防水性はない、このままゆくと悲惨な状況になるのは必至であった。N
  氏は、もうすでに槍への道を断念しており、上高地で天気の様子を見て2日で行けるルートに
  転進することを提案した。さて、これからどうしようか、大町駅でびちゃびちゃ降る雨を眺め
  ながら思案しているうちに、何ともいえない朝の駅の寒さが染みてきて、我々からも槍への気
  合いが抜けてしまった。結局、松本に逆戻り、我々は上高地へと向かった。

   上高地は曇り時々霧雨、ルートは何となく前穂北尾根に決まり。涸沢の方は天気が悪そうだ
  ったので、横尾でツエルトを張る。
   夕方、大天井の登高研、伊藤さんと交信ができました。(メリット5)

11/3 横尾(6:30)−涸沢(8:30)−5・6のコル(10:30)−前穂頂上(14:00)−岳沢(16:15)
   途中、屏風はまだ雲の中で見えなかったが、そうこう登っているうちに、雲が切れてこげ茶
  色に染まった山並みの間に涸沢が見えてきた。

   ヒュッテ前で休憩し、プラブーツにはきかえる。アルプスのどこかの国立スキー学校の講師
  が2人(兄弟らしい)来ていて、講習会をやるとのことで混んでいた。気温は0℃ぐらい、素
  手ではちょっと寒い。

   5・6のコルに向かう途中で、相模労山の児矢野さんにお会いした。今回は槍に入っている
  のではと聞かれたが、ハハハハッと照れるしかなかった。
   雪の北尾根を期待していたのだが、肝心の雪は全く影も形もなし。こういう時は、天気が良
  過ぎるのが恨めしくも思える。

   無雪期の北尾根については、山渓のアルペンガイドにものっているぐらいなので、5・6の
  コルから簡単に紹介します。

    5峰:道なりに行く。
    4峰: 奥又側から巻く。我々は若干下を巻きすぎてしまった。
        岩が脆いので落石注意。
    3峰: 3・4のコルでザイルをつける。ザイルの流れが悪いので短めにピッチをきるとよ
       い。幾つかルートが取れます。我々は凹角からチムニーへ登りました。2峰への下り
       で岩が脆い。
    2峰− 本峰:岩稜歩きでそのうち頂上へ着く。
   前穂北尾根は、難しいところはほとんどありませんが、全体的に岩が脆いので、落石・浮き石
  には要注意です。特にフリーで登るところでは気をつけましょう。

   前穂頂上からは重太郎新道で岳沢へ下る。ツエルトを張り終えた頃、真っ赤に染まった穂高が
  見られました。まことに絶景でした。

11/4 岳沢−上高地
   岳沢から降りてくると、梓川沿いの木々に、霧氷がついて白く染まっていた。村営のアルペン
  ホテルで風呂を浴びて、帰りに河童橋を渡ったところで偶然にも、一昨日交信した登高研のパー
  ティと出会う。ACMLメンバーの惠川さんにお会いすることができました。

 ところで現在の河童橋は、今期限りでかけ替えられるみたいです。思わず記念写真を撮ってしまっ
た。

 今回は、どうもキレに欠く、気の抜けたビールのような山行となってしまいました。でも、穂高に
登れてやっぱり良かったです。

坂上 栄人  どんぐり山の会(都岳連加盟)


★ エリア別山行記録へ戻る ★ INDEXへ戻る