穂高岳屏風岩東壁パラノイア

穂高岳屏風岩東壁パラノイア

森上和哲(チーム84、登高会)、小野寺賢治(慶応大学山岳部)


< 記 録 > 森上 和哲



対象:穂高岳屏風岩東壁パラノイア

期間:1996年9月15〜16日

メンバー:森上和哲(チーム84、登高会)、小野寺賢治(慶応大学山岳部)

< 登攀内容 >

9/15晴れ

ディレッティシマ取付8:30-2P-パラノイア取付-3P-アルムテラス16:30-1P fixのちビバーク。

9/16晴れ

登攀開始6:00-3P-終了点12:00-同ルート下降-ディレッティシマ取付15:00

 ヤブが多く、傾斜もなく、アメリカンエイドというよりは、日本の本番ルートそのもの。
難しいところもエイド部分よりは、エイドからフリーに移るところやフリーの所。
それからマニアックの所はまだいいいが、パラノイアのオリジナル部分はやぶ&ブッシュの嵐。

 フックやスリングがブッシュに引っかかりまくる、ブッシュにかかったエイダーに下から引
かれて殺されそうになる、そんなことのくりかえし。

 核心はアルムテラスのすぐ上のピッチにあるチムニー。雨上がりで濡れていて、フリクショ
ン効かない、でかすぎてかませるカムもない、そして一番腹たつのがすぐ横にリベットラダー
が続いていること。

 このルートのルールとして「残置には一切触れない」というのがあり、アルムテラスの下の
ピッチでも小野寺が目の前のリベットをにらみつけながらやばいフリーをこなしていた。この
チムニーでもそれだった。結局、草つきからたれている細い草の根を両手でつかみ、ちぎれな
いように祈りながら、クリアした。

 リベットがやたら多く(そしてルールだから、「使えない」)、泥も多い、傾斜もない、私
の印象として、つまらないルートだった(あくまで私の印象ですよ)。

 青白ハング帯にあるFREE FALLの方が他のルートとの交錯もなく、傾斜も強いのでずっと面白
かった。

 ギアはトポ通りです。


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