阿弥陀岳/南稜

ARIアルパインクラブ/原岳広、塚本智史、福島猛


<山行日> 1999年12月11日(土)〜12日(日)<記録> 福島猛



11/Dec 舟山十字路 (09:30) ---> 旭小屋 (10:15) ---> 立場山 (12:15)
       ---> P1 (13:55) ---> P1・P2 のコル (14:00)

12/Dec P1・P2 のコル (06:40) ---> P3 (08:50, 09:00) --->
       阿弥陀岳(09:20, 10:00) ---> 美濃戸口(12:45)
 阿弥陀南稜は,樹林の登り、岩稜歩き、また P3 では簡単な氷混じりの岩登りもあり (積雪、天候によっては、楽しむどころではないでしょうが)、なかなか楽しめました。 P1 の通過の際には多少風にあおられましたが、全体を通して風はあまりなく、天気に ずっと恵まれ、楽しい山行となりました。

 雪は少なく、ラッセルは全くありませんでした。人気コースとあって踏み跡はつき まくっており、阿弥陀までルートを間違えるようなところはありませんでした。

 ビバーク訓練は、南稜 P1・P2 のコルで、原さんの指導のもと、ザイルを用いて ツエルト張って行ないました。

 シュラフカバーだけで寝てみましたが、寒くて寒くて、夕方 6:00 に寝入って、8:00 には寒くて目が覚め、それからは、うとうとは多少出来たような気はしますが、ほと んど朝まで寝れませんでした。いったい温度は何度位だったのでしょう。昼に立場山で、 マイナス8度位だったような気がするのですが...

 足先が寒くて寒くて。暖かくなれ、暖かくなれと祈りながら、足の指先を何度も何度も 動かしてました。あんなに足先が冷えたのは行動中に履いていた靴下を替えずにそのまま で寝た所為かもしれません。象足が欲しいと今回初めて思いました。

 横になったり、うつ伏せになったりと色々な体勢を試してみましたが、シュラフカバー に体が触れている部分がとても寒く感じました。きっと空気の層が出来ないからなの でしょう。横向きに寝てるときは腰や尻が冷えて、何度も手でさすってやりました。

 インナー手袋のみで寝てたのですが、途中であまりの寒さに毛糸の手袋を履きました。 それ以後、上半身の寒さは多少なりとも安らいだような気がします。

 暖を取ろうと考え、何度かテルモスから熱い湯を飲んだが、そんなに効き目はなかった ようです。砂糖のたっぷり入った甘いコーヒーか紅茶なら効果があったのかも。

 今回は耐寒トレとばかりに、寝る際、パッチや長袖の下着、また目出帽をしなかった のも失敗でした。しかし(少し逆説的ですが)様々な要因のおかげで、寒くて寝れない 夜を経験できたことが、今回の山行の一番の収穫だという気がしています。

 以下、少しメモ程度にコースについて、

=> 無名峰には "無名峰 2540 m" と書かれた看板が立っている。
=> 立場山、無名峰ともに樹林のせいかピークはあまり明瞭ではなく、稜線上の少し
   開けた場所といったふうに感じた。
=> P1・P2のコルのビバーク適地は稜線上から東側に一段下がったところの 2m弱 x 6m 
   程度の平らな場所。ツエルトが4張り出来るかどうかのスペース。
=> P3 は左へ大きく巻いて登った。下り気味のトラバースにはロープとワイヤーが、
   またその後の1ピッチにはロープがフィックスしてある。フィックスロープの
   終了点は新しいリングボルト、その横にはぐらぐらの残置ハーケンがあった。

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