宮崎/雌鉾岳/美しいトラバースルート

福岡山岳会/蜂谷一彦


<山行日> 1999年10月31日(日)<記録> 蜂谷一彦



 蜂谷一彦@福岡と申します。

 先日の土曜・日曜に、同じ会の山本和也さんと一緒に、宮崎県の鉾(ほこ)岳に行って きました。

今回、山本さんから、"雌鉾(めんぼこ)岳の『美しいトラバースルート』(X、A1、360m) を登って、同8P目、9P目にある人工部分のボルトを新しく打ち替えようと思っ ているが、一緒に行こうか?"とのお誘いがあり、同行させてもらいました。

 同ピッチは、85年にフリー化されているようですが、(Y+)、鉾岳を庭のように登 りつめているクライマー集団の『庵・鹿川(いおり・ししかわ)』の常連さん(山本さんも 含む)達も、そのラインが不明瞭で、よくわからないとのことでした。

 10/30(土)、9時半頃取付。4P目までは、傾斜の緩いスラブを右上気味に登る。

 5P、6P、7Pが"美しい"トラバース。いずれも、決して難しくはないのですが、高度 感があるうえ、1Pあたりにピンが1〜2本程度しかないので、ちょっと怖いです。特に トラバースの箇所は、トップにしろセカンドにしろ、落ちたら大きく振られて大根下ろ し状態なので、とても緊張します。

 8P目から人工で、この日はこのピッチのみ打ち替え。途中、山本さんがハンマ ーを落としてしまい、バンドから20m下の樹木があるテラスに運よく引っかかっている 様子なので、山本さんが回収に行ってユマーリング。バンドにドリル等荷物の一部 をデポして、大滝左ルートの取付まで3回の懸垂。

 この日の『庵』は、とても賑やかで、キビナゴのお刺身やシシ肉、鹿刺しなど、美 味しいものをいろいろと頂きました。ありがとうございました。

 10/31(日)、岩場での混雑を避けようと思い、朝飯抜きで出発。8時すぎに取付。 一番乗りかと思いきや、先行パーティが3P目にいる。デポしたバンドで追いつい た。

 東京から来られたという男女2人組の方で、『このような素晴らしい岩場は、九州 にあるからよかった。関東にあったら、人がたかって、うんざりしていたでしょうか ら。』と仰有っていました。

 それでも、この日は、庵で昨日夜遅くまで酔って大騒ぎしていた人達が、きちんと 起きて登りにきましたので、それなりに鉾岳も大盛況でした。 バンドで順番待ちをしていると、後続のパーティが現れて、よく見たら、戸高雅史 さんでした。憧れの人にお会いできてうれしかったです。

 戸高さんは、ガイドのお仕事で来られていた様子でしたが、とても優しい方で、 私のような者に対しても、きちんと挨拶してくれましたし、親しげに話しかけても くれました。最近、MLで話題になっている"横柄なガイドさん"とは、全然ちがうみた いです。戸高さんのような素晴らしいガイドさんだったら、私も連れていってもらい たいなぁと思いました。

 山本さんが、『ボルトの打ち替えをボチボチやってますので、よかったら先に行っ て下さい』と言うと、戸高さんは、『打ち替えご苦労様です。整備していただいて 、ありがとうございます。』と丁寧に応対してくれました。

 結局、打ち替えが短時間で済んだ為、私達の方が先に上がりました。 山本さん、ありがとうございました。

 同ルートのフリー化のラインについて、『日本の岩場』や岩雪にあった情報の他に 、何か詳しいことをご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教示ください。


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