幽ノ沢/V字状岩壁/右ルート

やまびとNomad/山根俊、虫明千恵子


<山行日> 1999年8月21日(土)<記録> 山根俊



8/20

 夕方より豪雨となり、夜半すぎても止まず雷雨となる。やけくそで2:00 まで飲む。

8/21

 5:00起床。なんと晴れている。飲むんじゃなかった。しかし悪天の兆し を見せる鱗状の雲が、一抹の不安を感じさせる。

 とにかく6:20には出発。眠い。幽ノ沢出合6:45。沢靴に履き替えて遡行。 雪渓は全て消え去っており、快適なナメ滝をフリクション登攀。かなり悪い 箇所があるものの、リングボルトに助けられる。沢通しで二俣まで行けた。 カールボーデンは真っ白な庭園という感じで、解放的な気持ちのよい場所。

 10:00にT1でアンザイレンし、右俣リンネのトラバースにかかる。しかし 空に積乱雲が見えだした。雨がぱらつく。前日の豪雨が頭をよぎり、撤退 を検討するが、引き返すのも相当な時間が掛かるのでそのまま登る。壁に 水が流れており、沢靴のまま行く。

 V字の要からは容易なスラブ。ハング右のルンゼは3級で容易。確かに 登攀と言うより登路である。小垂壁も気づかぬまま通過。狭いチムニーは 寝ているのでグイグイと登れる。ピンも豊富。

 ところがここからが悪い。アンチョコではバケツの草付きを上がる2級 80mとなっているが、根こそぎ草付きが流れ落ちて立ったルンゼに変貌して おり、しかもその上には泥と木の根のハングが見える。ピンもない。

 しょうがないので右にある逆層フェースの右端に取り付き、非常に悪い 泥の乗った壁を直上し、途中から左上するランペに乗って正規の終了点に 辿り着く。ハーケン三連打で、4級に感じた。

   16:00に堅炭尾根に出た。その瞬間雷鳴が轟き始め、再び豪雨となった。

 確かに核心部は容易だが、アプローチや草付きの悪さはやはり幽ノ沢特 有なのかな?と感じました。


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