剣岳/剣尾根

ノマド/和田佳明、山根俊


<山行日> 1999年7月30日(金)〜8月1日(日)<記録> 山根俊



7/30 

 上市より馬場島入山。ほとんど人が居ない。8:30に出発。白荻川タカノスワリの 巻きで結構苦労する。水量多く渡渉5回。冷たい。

 小窓乗越取付点は赤ペンキと道標ですぐに解る。10:00に小窓尾根を登り始めた。 11:50に1600m地点を通過。暑い。13:00富高の岩屋到着。池ノ谷雪渓はここまでビッチ リとつながっており、シュルンドもなく快適。

 14:00に池ノ谷二俣。左俣に入る。R10から取り付くつもりだったが、何となく末端の 容易なルンゼから剣尾根に取り付く。尾根上は非常に濃い藪。踏み跡もかすか。剣尾根 の末端は両脇が急峻で、尾根上は草付きスラブもしくは低木の藪となっており悪い。 16:00ころ非常に悪いトラバース。仕方なくザイルを出す。残置ハーケン2本あるものの、 下は30m以上スッパリ切れ落ちていて怖い。何とか通過。

 18:50にIV峰に付く。コルEが目の前だ。しかしツエルトを張るスペースがない。諦め 半分で周りを探すと、IV峰ピークの右俣側直下に数メートル四方の台地があった。幸運 である。樹林に隠れて上からは見えない。喜々としてツエルトを張る。富山の明かりが 美しい。どうやら古い天場らしく、相当昔の焚き火跡や、腐ったスリングが一本だけあ った。

7/31

 IV峰を5:00出発。コルEより東北大山岳部OB会2名上がってくる。末端から取り付 いた我々を見て仰天。(^^;

 コルDのフェース(III、20m)はアンザイレン。コルC到着8:30。ここで我々は大休止。 東北大が先にコルCからの核心ピッチ(IV,A1、35m)へ取り付く。ふらっとソールに履き 替え、東北大を見送った後、和田リードで取り付く。容易な人工。岩は硬く快適で、 残置ハーケンの状態もまずまず。抜け口は直上せず、左のカンバの生えたテラスへ逃げ る。良いピッチだ。

 やがて門。デカイ。東北大はルートを間違えている。ここで我々が正規ルートから抜 く。リード山根。IV,A1だが、荷物が少なければIV+,A0可能だろう。フリーが巧い人なら V+といったところか。出だしの6m程だけで、あとは簡単な左上バンドを行く。40mで切っ てビレイ。つるべで和田が門の上に抜け、終了。ドームの頭12:00。すばらしい展望。

 ガチャは付けたままでコルBに。これより上半部である。けっこう難しいので、へたく そな我々はアンザイレンしていく。コルBより左上テラスを最後まで詰め、そこから狭い チムニーを10m程上がれば稜線に戻る。所要3ピッチ。ここまで来ればフラットソールは 脱げる。ザイルもしまう。左俣側のトラバースにヒヤヒヤしながらなんとか長次郎の頭に 抜けた。15:45。やったぜ!!!

 本峰に16:50着。満喫して早月を降りる。小屋に18:45着。あとはビールだ!!

8/1 下山。温泉。帰京。

感想。

 剣尾根の末端は悪い。面白いけど好事家向け。糠蚊凄い。 (T-T)  下半部核心はコルCの1ピッチ。快適。爽快!。門は楽チン。  上半は脆く、油断禁物。


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