凹状岩壁〜コップ正面壁/緑ルート

ARIアルパインクラブ/原岳広、木元康晴


<山行日> 1999年7月25日(日)<記録> 原岳広



 前日、荻窪駅に8時の予定が、原が渋滞に捕まり40分遅れ。木元さんにとんでもない迷 惑をかける(スミマセンでしたm(__)mペコペコ)

 そのまま谷川まで。途中で食料と酒を買い、出合で軽く飲んだあと0:00過ぎに就寝。

 翌日(7月25日(日))、朝3:15起き。4時頃に出発。既に何パーティーか登り始 めている。さすがに日曜日の一の倉の朝は早い。テールリッジへは途中から雪渓が残って おり、比較的楽に末端へ取り付けた。途中から大崩壊の岩石の残骸が雪渓を覆っており 、気持ちは悪かったが若干歩きやすかった。

 凹状取り付きで一番乗り。のろい先行パーティーがいたら継登の成功が危ぶまれるので 、ホッとする。途中、1ピッチ飛ばしたのでW級のピッチは木元さんばかりリードになっ てしまい、せめて最後のピッチはと思い、リードさせてもらう。かぶっているが一見して ガバガバ。全然簡単であった。7:30前に登攀終了。快晴の衝立の頭は気分爽快であっ た。が、太陽がジリジリ照りつけ始めており、昼にかけて相当暑くなりそうだった。

 8時過ぎに行動再開。衝立の頭からコップ側に回り込んだところにシュリンゲが一杯かか った懸垂支点があり、ここから40メートル×2の懸垂でコップ広場へ降り立つ。初めて 降り立ったコップ広場は思いのほか広かった。

 大ハングを目安に取り付きを探す。ハングにぶら下がっている古いシュリンゲを見つけ 、その下部を見ると逆層のフェースの基部にハーケンが2本打ってあった。多分ここが取 り付き。

 1ピッチ目。木元さんリード。 逆層のフェースから一段高いテラスに上がり、ハング目指して右上。ボルト/ハーケンの 間隔が短くなってくると壁は垂直なり、人工が始まる。2、3回アブミを掛け替えた後 、ハングにかかる。

 ところが!なんとほとんどのハーケンがお辞儀をするではないか!どれもこれも古く、根 本から腐っており、とてもじゃないけどここでダイナミックな巻き込みなんて出来ない 。慎重に、じわじわとアブミに体重をかけていかないとすぐにはずれそうで、しかも A1の立ち込みならまだしも、ハングの、完璧なA2の巻き込みである。いやはや、まい った。

 ハングに入り込んだところに完全に腐ったハーケンが一本。ここはとても使えないと思っ て無理矢理その次のハーケンを取って飛ばした。が、ハングを抜けたところにももう一本 メチャクチャ腐ったハーケンがあった。ハングを乗り越して息が上がっていたこともあり 、「ダメかな」と思いつつアブミをかけてしまう。思いっきりそのバカブーはお辞儀をす る。慎重に慎重に、その上のハーケンを取ろうと伸び上がったその瞬間!

 バカブーは折れた。

 当然、原は墜落。木元さんがしっかりビレイしてくれていたので距離は短かったが指を怪 我してしまった(今日病院に行ったら、骨が折れてました。でも山には行けますのでパ ートナーのみなさんご安心を)。登り返してみたら何とかもう一つ上のピンが取れた。最 初からそうすれば良かった。反省。

 よくまあこんなところをリードしたもんだ。さすが木元さん!と敬服しながらビレイ点へ 。こういうピッチは本当に経験がものを言うなあと思った。勉強になりました。

 2ピッチ目、原がリード。ピンがないかな、と思っていたら間隔は遠いがなんとかピンは ある。40m弱でビレイ点。ハーケンが3本あった。

 その後、4ピッチの草付き〜ルンゼもかなり悪い。まず、ランニングが取れない。草は滑 る。露出した岩には手がない。いやはや大変。でも、途中のチムニーは面白かったです。 ヒイヒイ言いながら終了点へ。一本腐ったハーケンが残っていたが使えず、カム×2で支 点を作って木元さんを迎える。登攀終了が1時過ぎであった。あわよくばマチガ東南稜も と思っていたがさすがに無理とあきらめる。南稜を懸垂して下降した。

 下降中、雷混じりの夕立にあい、さらに初心者バリバリの先行パーティーもいて相当時間 がかかる。練習はゲレンデでしてほしい!と、木元さんとぶーぶー文句を言いながら下山 。雨で濡れたテールリッジでは懸垂を交えた。

 夕立によって雪渓には穴が空いていたが、なんとか左岸を行けた。6時過ぎに駐車場。先 行パーティーがいなければ2時間は早かったはず。

 しかし、今回は継登成功で大充実でした!勉強になることも多く、自分の課題も見つかっ たのでその意味でもとても大きな山行だったです●^O^●


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