足尾/松木沢/夏小屋沢

獨標山岳会/西片、雑賀(さいが)、寺田

<山行日> 1999年2月2月21日(日) <記録> 寺田正之


10:00登攀開始 14:30登攀終了(F5)

 今回は少し難しい氷と言うことで松木沢・夏小屋沢を計画した。土曜の夜東京発。東北・日光道経由で足
尾入り。R122は途中路面が凍っていた。

 渡瀬渓谷鉄道の終着点・間藤(まとう)駅の駐車場でPキャンとする。翌朝朝食・用便を済ませ7:00松木沢
に移動。砂利道をしばらく走り、大ナギ沢手前のゲートに何台かクルマが停まっていたのでそこに駐車する。

 歩きだすと、後から続々とクルマが入って来るではないか!急いで戻ると、ゲートは簡単に手で開いた。

 クルマに乗り込み夏小屋沢を目指す。沢の対岸には、クルマ10台ほどの駐車スペースが有る。アプローチ
は限りなく0に近い。飛び石伝いに松木沢を渡渉すれば目の前には横向沢、目指す夏小屋沢はその隣だ。

 先行パーティーが居たのでゆっくりと準備をし、9:30登攀開始。簡単なF1・F2は寺田のリードでノー
プロで登る。核心はF3垂直12メートルの滝だ。

 ここも寺田のリードで取り付く。上部の垂直部分でスクリューのセットに手間取り、2回もA0になって
しまった。何とか抜けることが出来、後輩二人の前で面目は保つことが出来た。

 フォローの2名も何度かぶら下がりながらも登ってきた。続くF4は雑賀のリードで取り付く。向かって
右側が傾斜が緩いのだが、今回は練習と言うことで左側の垂直部分を登らせる。次のF5は真ん中の岩を挟
み、滝が左右に分かれていてかっこいい。

 向かって左側は岩溝状で右側に比べ傾斜も緩い。ここは当然、垂直の右側を西片にリードさせる。左手に
持つセミチューブの効きが悪いとブツブツ言うので、私のナジャを貸す。これでもう言い訳は出来ない。F
3で力を使い切ったと、途中フリーズしたが再起動して何とか登り切った。

 先行パーティーはさらにその先のつららの集合体の様な氷柱にトライしていたが、通常はF5で登攀終了
とのこと。すでに終了モードに入っていたので、懸垂4回で取り付きに戻る。帰路はR122を大間々方面
に走り、草木ダムにある国民宿舎サンレイク草木の温泉に立ち寄る。

 なんと3月31日までキャンペーン期間中で、入浴料はタダ!笹のエキスの入った子宝の湯やサウナもあっ
て和めます。温泉がタダだったのでさらに50号線にでて、佐野のラーメンで夕食。天気も氷も良く、すっ
かり山光(山行+観光)した1日でした。

<松木沢情報>

@ 車中泊なら間藤駅がお勧めです。水洗のトイレもあります。さらに間藤の町から松木沢に行く途中、2
 ヶ所パーキングがあります。テントを張る場合はそちらの方が良いでしょう。林道脇にテントを張ってい
 たパーティがいましたが、落石の恐れがあるのでお勧めは出来ません。

A 携帯は間藤で通話可能。松木渓谷内は圏外です。

B 夏小屋沢登攀中に対岸を見ると、林道にクルマを停めこちらを観察しているクライマーがいました。落
 石の巣なので速やかに通過した方がよいでしょう。丁度頭上に冷蔵庫大の今にも墜ちそうな岩がありまし
 た。

C 林道は砂利道ですが、降雪直後でなければFFのセダンでもOKです。至る所落石だらけなので注意が
 必要です。

D 夏小屋沢の懸垂は50メートル2本有る方が便利です。

E F5の脇にはスティービー・ハストンが登りそうな垂直の岩溝にかかる氷柱がありました。

F 氷瀑は表面は良く凍っていましたが、下には水が流れていました。ガイドブックによると2月中が適期
とのことですので、楽しめるのは来週・再来週くらいまででしょう。今回も各沢に何パーティも取り付く盛
況ぶりでした。アプローチもほとんど無いので、是非皆さんも山行計画の一つに入れてはいかがでしょうか。
松木渓谷の日本離れした荒涼とした景色を見るだけでも価値が有ります。

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