茨城県/大子町/袋田の滝

ARIアルパインクラブ/有持真人、青木徹也、雨宮尚之


< 記 録 > 有 持 真 人


<山行日> 1999年1月10日(日)
 今日は、八ヶ岳/摩利支天沢大滝の予定でしたが、袋田の滝が氷結したとの話を聞き、予定を変更して 袋田の滝に行って来ました。  3日ほど前に、袋田の滝の氷結が始まっているという話を聞き、登攀可能になるかなと密かに期待をし ていた。  そして、この冬で一番の寒気団の接近により、大子町の気温を調べてみると、早朝では−5℃〜−9℃ まで下がっている日が続いていた。これなら氷結しているだろうと言うことで、八ヶ岳から袋田の滝に変 更することになった。  袋田の滝は、氷結したと聞いて数年前にも言ったことがあるが、実際に行ってみると、氷は無惨な姿で、 とうてい登攀できるような状況ではなかったため、今回も半信半疑で出発する。  大子町に入ると、車の外気温度計は−7℃をさしている。結構寒い。  早朝だと言うのに観光客が結構来ている。早速準備をして、アイスのフル装備で遊歩道を歩いていく。 なんだか全く場違いな格好をしているので、回りの視線が気になる。  展望台の左側から、クライムダウンで滝下まで降りることができた。氷結状態はかなり悪いが、1段目 の滝は何とか登れそうだ。2段目の滝は少しだけ氷結しているだけで登攀不可能。3段目は氷結している 様だったが、傾斜もなく高さもないので、1段目だけ登ることにする。  滝下に降りると、観光客が一斉にカメラを構えて、早く登れと言わんばかりの感じだ。  とりあえず、トップロープ用にザイルを2本引っ張りながら登攀を開始する。グレードはIII〜IV−程 度と簡単だが、氷が薄く時々岩をたたいてしまう。  上部は水氷で表面を水が流れている。抜けそうな感じがして心配だったが、スクリュー3本で支点を作り、 トップロープをセットした。  このトップロープで3本のラインが上れる。左からIII〜IV−、中央がIV右がIV+のベルグラ、今回 は登らなかったが、一番右端がIII〜IV−程度で初心者のトレーニングにはちょうど良いグレードである。 高さは約30m程度。  トップロープで何本か練習をする。ベルグラでのバイルの引っかけ登りが一番おもしろかった。  10:00をすぎると、上部に太陽が当たり初めて、氷がかなり緩んできたので時間は早いが、終了する 事にした。  最後にスクリューの回収に、左のIII〜IV−のルートをフリーソロで登り、回収してからクライムダウン で取付に戻ったところ、展望台にいる鈴なりの観光客が一斉に拍手で迎えてくれて、非常に照れくさかった。  途中から来て、我々と一緒に登った、地元の水戸葵山岳会の佐藤さんの話によると、登れたのは2年ぶり でその前は10年ぐらいは登れなかったと言う事であった。  1段目だけの簡単な氷瀑であったが、滅多にない登攀チャンスを物にできてラッキーだった。  15日〜17日の3連休まで寒気が続いてくれれば、来週も登れる可能性があるかもしれません。アメダ スで大子の気温を毎日調べていれば、登攀可能かどうか分かると思います。  とにかく標高が低いために、気温が上昇すれば、氷が一気に崩壊するそうなので、興味のある人は毎日の 気温を調べて行って下さい。  気温が上昇すれば、極端な話、登攀できた次の日にはもう崩壊していることもある様です。  袋田の滝は、他のゲレンデと違って、何十人もギャラリーがいて、登るときには一斉にカメラを向けられ るので、チョット緊張します。  アプローチは、最後の駐車場から5分もかかりません。 登ったという充実感はありませんが、話の種と して興味のある人は登ってみて下さい。  それから、温泉情報です。  袋田の滝方面からR118にでて水戸方面に少し走ると、<関所の湯>だったと思います。の看板が見えるので、左折してしばらく走ると温泉があります。  入浴料金はいくらだか忘れました。最近できた施設のようです。

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