＜山行日＞　１９９８年１２月３０日（水）〜１２月３１日（木）

　年末年始は、北岳バットレスへ行きましたが、新雪のため雪崩の危険があったし、新人ばかりの
パーティだったし、登攀スピードがないと危険なので、結局ピークハントで終わってしまいました。

　以下、簡単な報告です。

１２月３０日（水）曇り〜雪

池山吊り尾根登山口(0830)　〜　ボーコンの頭手前(1430)

  登山口には全く雪がなく、小池小屋付近でやっと雪山らしくなってきた。寒気の影響で風が強く、
雪が舞っている。どうせ今日はボーコンまでなのでゆっくりと登っていく。

　稜線上の雪が少ないのが心配だったため、森林限界を少し越えたあたりでテントを張ることにし
た。寒気があまり南下しなかったようで、−７℃ぐらいまでしか気温が下がらず、暖かい夜で、爆
睡する事ができた。

１２月３１日（木）雪〜晴れ

ＢＣ(0530)　〜　北岳(0830/0840)　〜　ＢＣ（1040/1100)　〜　登山口(1245)

　バットレスアタックのために早めに出発する。まだ行動しているパーティはいないようだ。八本
歯の頭手前で弱層テストをしてみると、２９日までは天気が良かったが、３０日から冬型気圧配置
になってきたため積雪があり、完全にクラストしている上にサラサラの新雪がかなり積もっている。

　これでは雪崩がいつ発生してもおかしくない状態である。

　八本歯の頭からバットレス方面を観察していると、案の定あちこちで雪崩が発生している。おま
けに、まだ雪は降り続いているので取り付くのは自殺行為である。

　と言うことで、バットレスはさっさとあきらめて、とりあえずピークハントだけする事にする。
頂上は吹雪で視界もなく、写真だけ撮ってＢＣまで下山した。

　ピークハントからの帰りに、八本歯のコルで取付のトラバース地点まで行ったパーティがいたの
で話を聞いた所、、クラストした上に新雪が積もってかなり不安定だったので引き返してきたと言
うことだった。

　毎年恒例のテントの中での年越しをしたかったが、あの雪の状態では、天候が回復しても取り付
く気はしないので、時間も早い事だし下山することにした。

　年末のバットレスは、２９日までに登ったパーティはベストコンディションの登攀ができたと思
いますが、３０日以降に入山したパーティは敗退したパーティが多かったのではないでしょうか？

　３０日以降にアタックしたパーティがいましたら状況を教えていただければ幸いです。結局、大
晦日は私の自宅で年越しをすることになり、酒を買い込んでやけ酒を飲み、元旦の朝には山行用の
食料を全部作って、やけ食いをして年末年始山行の締めくくりをしました。(T_T)(T_T)(T_T)

　年末年始は、寒気の影響で北アルプス方面はかなり天候が悪かったようですが皆さんの山行はい
かがだったでしょうか？

　ちなみに、私の知り合いが荒沢岳奥壁に行って下山予定日を２日過ぎても下山しないので心配し
ていたところ、地元の人に無線連絡が入り、５日には下山すると報告がありました。

　出発前に、３０日には寒気が入って荒れるので、取り付くなとは言っておいたのですが・・・・
・。行ってしまって、はまってしまったみたいです。

　捜索隊を編成中だったのでホッと胸をなで下ろして、このメールを書いています。

　ミソジの遠藤さんも谷川で大変な思いをされたようですが、無事下山された様で安心しました。

　今年も無事故でクライミングが楽しめますように。