北穂高/滝谷遡行〜第4尾根〜〜西穂

名古屋工業大学/山口貴弘、南山大学山岳部/藤井毅


< 記 録 > 藤 井 毅


<山行日> 1998年7月24日(金)〜26日(日)
 7/24〜26で滝谷へいってきましたので報告します。(長くなっちゃったので、多忙な方は下の ダイジェスト版をどうぞ) 24日(金)  名古屋=新穂高温泉 車で右俣林道途中まで入る。 25日(土)  0130起床。天気予報を裏切って、空は満天の星空。0200ラテを点けて出発。空を見上げるととき どき流星が流れ落ちる。0415滝谷出合着。空が白みはじめているが、稜線の西側だからか、まだ暗 い。夜明けを待って右岸を歩き始める。水量は思ったより少ない。  はじめの難関は雪渓だった。右岸から雪渓上を左岸へ渡り、雪渓の切れ目に降りて再び右岸へ渡 りかえす。しばらくして落差の大きな雄滝が見えてくる。雄滝と雌滝の沢の間にある尾根にほぼ正 面から取り付く。残置ピトンのある凹角から草付きに上り、右上する踏み跡をたどる。  草付き交じりの岩を一段上がり、草付きのルンゼをトラバースして0630雄滝の上に降りる。私は 本格的な草付きは初めてでビビリまくり、鼻歌を歌いながらスタスタ登ってしまった山口さんに上 からロープを下ろしてもらった。  再び雪渓上を歩き、滑滝の左岸側を一段上がった、残置のあるテラスから取り付く。「日本の岩 場」にもあったように、滝の両側は切り立っていて水量が多いと非常に厳しそう。山口さんリード で、水流際の残置のA1一手から、半身にしぶきを浴びつつ2ピッチで0830滝上へ。落ち口付近は 脆そうなゴルジュ状になっており、ハングした左岸から落石が降ってきそうで怖い。  今度は稜線まで展望の開けた雪渓上を歩く。明け方に少し曇ったが、日が昇ってからはサングラ スが欲しくなるほどの日差しになった。合流点辺りで雪渓は消える。C沢二股まではわずかながら 水の流れがあり、途中で水を補給していく。  1015第4尾根取り付き着。しばらく展望を楽しんで休憩する。強い日差しに乾いた風がきもちい い。1100登攀開始。藤井リードからツルベで登る。浮き石はけっこうあるが岩はだいたい堅く残置 ピンも多い。クラックも多くキャメロットやロックスがけっこう役に立った。  Cカンテ上の“ツルムのガリー”はややもろくて浮き石多い。最終ピッチのVはワンムーブだけだ った。最終ピッチは45mロープでは終了点まで届かなかった。雲が出始めた1500登攀終了。登攀パ ーティーは見かけなかったが時々落石のごう音が轟いていた。  1615に南稜テン場着。テントの数は少ない。わずかに残った雪渓はそれほど汚くなかったし溶け るのも早くてよい水が取れた。でももうすぐ消滅しそうだ。雪渓で浮いた金で小屋のビールを買っ て乾杯。 26日(日)  0330起きると雨が降っている。ナイロンツェルトはビチョビチョで防水効果のなくなったシュラ フカバーも濡れ濡れ。0630雨やまず、クラック尾根とドーム西壁はあきらめて、西穂へ出発。  間ノ岳辺りから天候回復す。1130すっかり晴れ上がって西穂着。ここまで6〜7パーティーとす れ違ったがさすがに西穂から先は人が多い。1340西穂高口着。ロープウェイが二階建てのきれいな やつになっていた(ゴンドラ嬢は変わってない)。  栃尾温泉の辺りにある河原の無料露天温泉(ホントは200円)で疲れを癒した。新穂高周辺はロハ で入れる温泉がたくさんあってすばらしい。

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