北アルプス/錫杖岳/前衛フェース/左方カンテ

春日井山岳会/稲川,前川,中川


< 記 録 > 稲 川 正 巳


<山行日>     1998年1月31日(土)〜2月1日(日)

 始めまして春日井山岳会の稲川と申します。錫杖岳に行って来たので報告します。

<入山、下山場所> 槍見温泉〜同下山
<アプローチ状況> 膝程度のラッセル

1月31日

 8時出発の予定が寝過ごして9時発となってしまった。先行パーティーのトレースに助けられて,クリヤ谷
を登っていく。先行の神戸山岳会の2人には錫杖沢の手前で追いついた。先頭交代をして5人でラッセルして
いく。

 クリヤの岩小屋12時。ここでテントを張る神戸山岳会と別れて前衛フェースに向かう。急登のラッセルが
きつい。偵察に上がってきた神戸山岳会と合流してサッセルしていく。壁の下まで来たところで,2ルンゼを
1ルンゼと勘違いして中央壁のあたりに取り付いてしまう。

 左方カンテまでちゃんとトレースを付けてきた神戸山岳会の2人に教えられて間違いにに気づく。結局15
時取り付き,前川リードで登り出す。ほとんどサッセルともろい氷で40メーター登る。2P目を登った所で
暗くなりテラスも狭そうなので取り付きまで降りてビバークする。(結局これが2つ目の間違いだった。)

2月1日

 結局,朝まで雪が降り続いた。取り付きでフィックスしたザイルを登り返そうとしていると神戸山岳会の二
人が登ってきた。3人パーティーのスピードを考えると,上まで抜けられそうにないのでやる気をなくしてフ
ィックスだけ回収して神戸山岳会の2人にルートを譲って下山した。

 夏,何度も登っているにも関わらず取り付きを間違えたこと,無理にでも2P目でビバークしなかったこと,
登攀スピードの遅さが敗退の原因といえるだろう。

★ エリア別山行記録へ戻る ★ INDEXへ戻る