八ヶ岳/石尊綾、中山尾根、小同心クラック

JACSEM/伊藤、その他


< 記 録 > 伊 藤 淳


<山行日>     1997年12月28日(日)〜31日(水)

 年末年始は八ヶ岳のほうに入っていました。今年は例年以上に雪が少ないそうで、八ヶ岳のほうも例外ではありません
でした。28日から入ったのですが、赤岳山荘に着いたときは雪がなさ過ぎて、拍子抜けするぐらいでした。今回の山行は
ベテランの方についてきていただけなかったので、自分たちで組み立てたという実感がある山行になったと思います。

12月28日(晴れ)

 美濃戸−赤岳鉱泉赤岳鉱泉についたあと、ジョウゴ沢で少し遊ぶ。氷のほうはそれなりについているようだ。

12月29日(晴れ)

 石尊稜初めて冬季クライミングを経験したのが、この石尊稜だった。自分がどれだけレベルがあがったのかを
確認するためにも、よいコース。取り付きを間違えて、中山尾根のほうに出そうになるなどアクシデントもあっ
たが、かなり早く行くことが出来た。ただ、上部岩壁はエスケープして稜線に出た。

12月30日(雪)

 休養日定着にするとこのように、怠惰になっていく。予定では今日からもう1人はいる予定だったので、次の日
のことも考えて休養日とした。ただ、午後からたまらず、ジョウゴで少しアイスの真似事をしたが、雪のためぱっ
とせず引き返した。

12月31日(朝のうち雪のち晴れ、風強し)

 小同心クラック昨日からはいるはずの人が結局仕事で1日遅れ、雪のため中山尾根は変更になり小同心クラック
になった。

 今回はパートナーの知り合いの山岳会と合同で登ることになっているので幾分プレッシャーは少ない。ルート自
体はピッチは少なく、ホールドやスタンスはしっかりしているので、ガイドにあるとおり難しくはないかもしれな
い。私自身は課題のアイゼンでのクライミングがまだ出来ていないので、やっぱり前爪だけで乗せるには抵抗があ
って難儀した。

 また、、ピンが少なく、ナチュラルプロテクションを取っていかなければならないので、残置で慣れている人間
にとってはやりにくかった。

1月1日(曇り、のち雪)

 中山尾根やっとメンバーが1人増え、ようやく3人で行動できるようになった。前日はしゃいでしまって、なんと
寝坊し出発がかなり遅れた。小同心を一緒にいったパーティーには先に行ってもらい、約1時間ぐらい遅れて出発し
た。下部岩壁を何とか乗り越え、上部岩壁には午前中につくことが出来た。先輩二人が挑戦し、右の凹角状の所を
トライするが、うまく行かず、あぶみを出してようやく乗り越えると、そのところで二人は燃え尽き天気も悪くな
ってあえなくリタイア。

 あとで聞いてみるとそこを乗り越えれば、後はもう少しだったのこと。しかし、それが今の自分たちの実力なん
だと感じた。

1月2日(晴れ)

 赤岳南稜リッジ(?)今日は主稜に登るはずが、先行パーティーの多さに閉口し結局その右の南稜(らしきもの)
に変わった。本格的にザイルを出すこともなく(少しは出したけれど)、何となく頂上に着いてしまい、少し拍子
抜け。それから、3日に帰るはずが、完全に燃え尽き、今日中に下に下ってしまうことになった。

 下界につくと、いつもなら絶対食べることの出来ないステーキなんてものを食べ、ご飯を三杯平らげ、心身とも
に満ち足りて埼玉に帰った。

 今回の山行はレベル的には高くないものの、自分たちで組み立てたという実感が得たことが非常に収穫です。今
まではベテランの方について行くだけというような山行のパターンが多かったのですが、今回は自分たちで撤退す
ることやコース自体を決めたというのが充実したように思えます。

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