丸山中央山稜〜八ツ峰I峰四稜〜八ツ峰主稜

三峰山岳会/金子隆雄、小幡信義


< 記 録 > 金 子 隆 雄


<山行日>     1997年4月26日(土)〜5月1日(木)

4月26日 快晴

黒部ダム8:25〜丸山南峰12:40

 黒部ダムから見える丸山中央山稜はあまり雪が付いていなくて黒々としていてなんだか先が思いやられる。
とりあえず馬場島の派出所に電話で入山届けを済ませて黒部川へと下る。橋は途中壊れていて危なそうだった
のですぐ上流を徒渉する。アイゼンを付けていたので濡れることはなかった。

 橋から50mくらい下流の開けたルンゼから雪を拾って登り始める。ルンゼのどんづまりは岩壁となってい
るので左からかわして先に進むと赤布が目立つようになってくる。所々雪が消えて薮こぎとなる。

 だんだんと雪も多くなってきて雪壁を登りきると傾斜も緩くなりまもなく南峰に着く。荷物が重くヨレヨレ
だったので、明日頑張ればいいやということで今日はここでお終いとする。

4月27日 快晴

丸山南峰6:10〜主峰6:45〜内蔵助峰8:45〜富士ノ折立13:20

 南峰から主峰まではアップダウンの少ない稜上を行く。主峰から一旦下ってから内蔵助峰への登りになる。内
蔵助平側のカール状に開けた斜面を汗を滴らしながらひたすら登る。内蔵助峰から先は小ピークをいくつか越え
ていくが大抵急雪壁になっている。

 途中這い松混じりの岩稜となり1ピッチだけアンザイレンする。富士ノ折立の肩へ出る部分は急雪壁になって
おり下を見ると御前谷に一気に切れ落ちており高度感ばつぐん。昨日に続き今日も荷物が重くてちょっと情けな
いがここまでとする。

4月28日 雪のち雨

富士ノ折立7:15〜ハシゴ谷乗越13:5〜剣沢13:30

 縦走路に出て真砂岳を経て内蔵助山荘へ。内蔵助山荘は無人だが入口が掘出されており使用可能。ここから真
砂尾根の下降にはいる。上半部は岩峰が連なっていていやらしいトラバースやバックステップでないと下降でき
ない所などあり気が抜けない。

 下半部はただの雪尾根でなにも問題無し。途中登ってくる二人の登山者に会ったがいづれも単独行のようだ。
ハシゴ谷乗越が近くなると高度を下げたせいか雪が雨に変わってきた。ハシゴ谷乗越から剣沢へ下り八ツ峰取付
きの対岸にテントを張る。我々の他に二張りのテントあり。テントを張り終え中に入ると雨が激しくなってきた。

4月29日 快晴

剣沢6:00〜無名岩峰8:00〜P4基部10:30〜P7 13:40

 予定通りI峰四稜から八ツ峰に取付く。谷の中でラジオが入らず天気予報が聞けなかったので朝方雨がパラつい
ていて様子を見ていたら出発が遅れてしまった。4人パーティが我々より1時間ほど先に同じ四稜に向けて出発
した。

 四稜へは四ノ沢の右のリッジの更に右のルンゼから取付く。先行パーティのステップがしっかりと刻まれてい
たので楽させてもらった。このルンゼは無名岩峰の下まで続いている。無名岩峰から派生する稜を乗越して四ノ
沢の枝沢に一旦降りて狭い枝沢から雪壁を登りきるとP2基部に至る。

 P2は雪が付いていなく壁ノ谷側をトラバースするが雪がズタズタで状態が悪いのでザイルを使う。P4は上半分
に雪が付いていなく、巻くこともできずIV級程度の岩登りとなる。

 P5は大きなドーム状のピークで長い雪壁登り。P6、P7はなだらかなピークで問題なし。P7で先行していたパー
ティが行動を止めてテントを設営し始めたので先に行くチャンスと思い前に出てP8の斜面を見上げると雪崩れた
跡が数ヶ所あった。

 なんだか嫌な感じで進むのをためらう。ここに来るまでにも四ノ沢ではひっきりなしに雪崩れていたし、P8の
デブリもまだ新しいので止めておくことにする。テントを張る場所がないので雪洞を掘り始めた直後、P8の斜面
全体が雪崩れた。雪崩落ちた雪は四ノ沢と壁ノ谷に分かれて落ちていき我々の居た場所までは届かなかったが、
止めておいてよかったと胸を撫で下ろす。

4月30日 雪

P7 5:10〜I峰5:50〜V・VIのコル10:30〜八ツ峰の頭13:00〜V・VIのコル16:20

 今日は風が強く雲の流れが速い。下にテントを張っているパーティより先に出発しようと早起きしたが結局後
になってしまった。

 昨日の雪崩跡を登ってP8に、更に三稜とのジャンクションピークを越えるとI峰に着く。あとは登っては懸垂下
降の繰り返しとなるが支点はすべて出ている。IV峰付近で急にガスがでて視界がほとんど利かなくなって、V峰付
近で雪が降り始める。

 VI峰の斜面には雪崩れた跡があったが今日は大丈夫だろうと登りだす。ここで先行パーティを一気に追い越そ
うと思い最も傾斜の強い部分を直登したが追い越すことはできなかった。VI峰で先行パーティはテントを張り始
めたが我々は先に進むことにする。

 VII峰の懸垂は支点がなかったので竹ペグを雪に埋めて支点とする。VIII峰を越えると八ツ峰もそろそろ終わり
で池ノ谷乗越への下降ルートを探すがガスっていて何も見えないのでルートがよく判らない。長次郎谷側への懸
垂下降の支点があったので途中まで下降してみたが、どうも違うような気がして登り返す。

 よく見ると微かな踏み跡が先に続いているので行ってみることにする。ナイフリッジとなった雪稜をしばらく
登ると突然行き止まりとなる。懸垂もできそうにないので戻ることにする。ビバークする場所があれば天候の回
復を待って明日以降続きをやればいいのだが生憎テントを張るどころか雪洞を掘れそうな所も見当たらない。

 降雪中に長次郎谷に入り込むのはどうかと思ったがまだそれほど新雪も積もっていないので長次郎谷を下降し
てV・VIのコルまで戻ることにする。先ほど途中まで懸垂したところより1ピッチ懸垂し、その下もかなり傾斜が
強いので100mほどスタカットで降りる。

 早く安全な場所へ着きたいと気持ちだけは先に行くが腐った雪に足をとられてなかなか進まずV・VIのコルに着
いたときはヨレヨレ状態だった。

5月1日 快晴

V・VIのコル7:40〜ハシゴ谷乗越11:5〜内蔵助谷出会12:30〜黒部ダム15:10

 当初の予定ではこの先、剱から雄山まで縦走し雄山東尾根を黒部ダムへ降りるつもりだったが、一旦下降してし
まったのでもういいやという気持ちになってしまい内蔵助経由で黒部ダムへ下山することにした。

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