剱岳/源治郎尾根

神奈川山岳会/服巻、小島


< 記 録 > 服 巻 辰 則


<山行日>     1997年7月25日(金)〜29日(火)

 台風接近の中、行ってきましたので報告します。天気がはっきりしないので、記録というほどではありませんが、
残雪情報でだけでも御参考ください。

計画  :7/25 入山
     7/26 源治郎尾根縦走
     7/27 八ッ峰縦走
     7/28 八ッ峰六峰側壁登攀
     7/29 下山

記録

7/25

 前日の急行アルプスで新宿を出発する。台風の予報が出ているせいか、自由席は空席がある。信濃大町からタク
シーの相乗りで扇沢へ。アルペンルートはやはり空いている。(台風と平日のせいか?)
 好天の中、室堂から剣沢へ入る。

7/26

(剣沢発3:10-源治郎取付4:30-T峰8:00-U峰懸垂終了9:00−本峰10:00-10:30-剣沢14:20)

 台風9号の接近により午後から崩れると判断し、六峰登攀の準備をして出発するが、雪渓を下っている間に「せ
めて本峰だけでも踏んでおこう」と考え直し重荷で源治郎尾根に入ることにする。天気はくもりで時々小雨が降る
が、雨具を着るほどではない。

 源治郎の取り付きは今までルンゼに入って詰めていたが、今回は左の尾根の踏み跡に入ってみる。踏み跡の選択
を間違ったのか、ブッシュがうるさく、数箇所苦労する。

 しばらくするとルンゼに戻り、T峰、U峰と順調に稼ぐ。物好きもいるもので、3人パーティーの後続がやって
くる。 本峰にでると台風の影響か、風が強くてたまらない。別山尾根の下山は、剣沢から吹き上げる風が強く
(20〜30m/s)苦労する。思わず鎖のお世話になる。

 剣沢に帰ると、学生のテントを除いて小屋に避難しており、剣沢小屋も雨戸を用意しており、つられて我々も小
屋に避難してしまう。実際には夜中に風雨は強くなったが、避難するほどのことも無かったような気がする。


7/27

 きっと今日は大荒れと思って、寝坊をして小屋から出ると、なんと晴れている。しかし、出かけるには遅いので、
テントを張り直して、別山の岩場で岩トレとする。夕方から風雨。

7/28

 前日の天気図から、27日と大差ない天気と判断して、八ッ峰の予定で早起きする。前日の雨もやんでいるが、天
場は霧の中。準備を整え靴を履いていると、霧が晴れ、雨になる。しばらく様子を見ていると本降りになったので、
諦めて寝袋に入り直す。

 明るくなってから、1日早いが荷物をまとめて、立山縦走経由で室堂に下山する。この日はずっと霧雨。タクシー
運転手によると下界はずっと雨だったとのこと。

残雪情報

 室堂・剣沢は残雪少なく例年の8月中旬並。剣沢は天場から少し下ると雪渓はなくなっている。夜間の下降に注意。
しばらく右岸を行くと再び雪渓が現れる。 源治郎尾根からの観察によると、平蔵雪渓は亀裂は出ているが、下降は
問題なし。

 長次郎雪渓も問題なし。池の谷乗越まで雪渓がある模様。S字雪渓は消滅。県警の情報によると熊の岩の左側の沢
は切れているらしい(視認出来ず)。熊の岩上部は雪解けが進んでおらず、設営可能数は少ない。六峰の取付きは雪
渓の処理が必要な模様。

 長次郎雪渓と平蔵雪渓は、例年並の残雪と思われる。

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