十一面正面壁/達磨バム

日程
2006年11月9日(木)
メンバー
(G登攀倶楽部)鈴木、(横浜蝸牛山岳会)近藤
記録
(MSCC同人)寺田
写真
なし
ルート図
なし

<山 行 記 録>


11月9日
瑞牆山 十一面正面壁 「達磨バム」 5.11c 9p
鈴木&近藤(G登攀×横浜蝸牛)
1p目    5.11b
ベルジュ、春一番と共通。バランシーでとても面白い。小川山にあ
っても多分人気ルートになるのでは。
2p目    5.11b
ベルジュを左に分け、ダイクを右へ。マイクロホールドに爪を立て
ての、絶妙な立ちこみムーブが核心か。スラブの弱点を巧みに突
いて登ってゆく。
近藤は、エイリアンをきめるポケットをスキップし、魂のランナウト
でこのピッチをオンサイト。
3p目     5.11b 
白熊のコルまで、60mいっぱいのピッチでしかもAll NP!
ベルジュ3p目の隣を登る。核心は浅いクラックでのフェースムー
ブだが、決して危険ではない。最後少しロープの流れが悪くなる。
このオリジナルの2、3p目はいずれもおもしろいし、マルチを登っ
ている、という実感がある素晴らしいピッチ。
4p目    5.11b(5.11a)
春一番のフリー化。ボルト、ハーケンが抜かれ、All NPのピッチに
なっている。内容は少し感動してしまうぐらい素晴らしい。ムー
ブはフェース的。砦岩(小川山)のナインティーンみたいだ。
下部のフレークはパワフルで、上部核心はテクニカル。
エイドでも登れると思うが、下部、アンダークラックからフレークに
入るところが、ちょっと遠いだろうなと思う。
5p目    5.8
易しいフェース状から少しクライムダウンし、ワイドクラックを登るが
残念ながら(?)ワイド登りをしなくても登れる。
6p目    5.11c
春一番のチムニー右のフェース。フェースを横に断ち割るクラック
からカンテ状を登るのだが、このピッチもシビレる!  
絶妙な立ちこみのムーブが連続し、クラック部分も含めて、とても
テクニカル。花崗岩の粒子が粗いのでフリクションは最高。
7p目   5.11c
テラスから真上のスラブを登る。出だしがとてもテクニカル。
薄い皺ホールドと絶妙なスメアで体を上げてゆくのだが、なぜとま
っていられるのかが分からないくらい、スタンスは微妙だった。
水晶の詰まった穴を越え、慎重に上部をこなすと傾斜が落ちてき
た。達磨バム全ピッチオンサイトを確信し、歓声を上げる。
最後、4級ぐらいのスラブを駆け登ると露岩帯に飛び出し、そのま
ま最終ピッチの取付まで引っ張る。
8p目    5.9
最終ピッチのオリジナルがよく分からず(トポを持ってきたなかった
のだ)、ベルジュのラインを登り、十一面のてっぺんへ。
無風快晴。周囲の眺望がとても美しい。
一度もロープにぶら下がることなくこの場所に立てたことが、たまら
なく嬉しかった。

最初のトライでは、4p目までオンサイトで登るも(1、4p目は以前人
工で登っているのでFLになるのかもしれないが・・)、夕立につかま
り敗退。今回は1p目を私がリピートし、近藤が2、3p目をオンイト。
そして4p目を私がリピートし、さらに6、7ピッチを私がオンサイト。
私のわがままを聞いてくれた相方の近藤に本当に感謝。

それにしても、達磨バムは十一面の合理的かつ魅力的なラインを
必要最低限のボルトで繋いだ、本当に素晴らしいルートです。特に
3、4、6p目は文句なしに三ツ星ピッチと感じました。
「(甲斐駒の)赤蜘蛛よりタフなルートだったな」と近藤。言われてみ
ればそうかもなあ。


登攀タイム    5h15m
ギア         エイリアン青〜キャメロット青(エイリアン黄色〜キャメ
                  黄色は2セット)、ストッパー1セット
                  クイックドロー9本 長シュリンゲ少々 60mロープ 

参考まで。

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