西上州/行者返しの滝

日程
2006年2月9日(木)
メンバー
(YCC)増田、その他
記録
(YCC)増田
写真
なし
ルート図
なし

<山 行 記 録>


増田@YCCです。

2月9日に西上州の「行者返しの滝」を登ってきました。
ACMLに紹介された事が無いような気がするので少し詳しく報告します。
なお、西上州エリアの氷瀑については「岳人」1999年11月号に掲載された、安中山
の会の故竹田定雄氏による「西上州の氷瀑ガイド」が現在最良の資料 
と思われます。

アプローチ
下仁田インターより南牧村方面に向かい、信号のある「跡倉」交差点を左折、数分で両岸
が切り立った湯の沢渓谷に入ると左側に行者返しの滝がある。
入口はフェンスのある小沢、出会いをやり過ごして80m程で右に数台駐車できるスペース
がありここから全貌が見える。
望遠鏡があれば結氷状態が良く観察できるので、登るかどうかの判断ができる。

クライミング
出会の舗装道路で身支度。通り過ぎる車が皆徐行して物珍しそうに見て行く。
フェンスを越えればすぐ落ち葉に覆われた氷床を歩き、凍った堰堤を越えるが、薄くてピッ
クや前爪が当たっていやらしい。
1ピッチ目 30m
出会より数十mでウォームアップの間もなくいきなり被りぎみの1段目が始まっていた。
水も滴っており、謙虚にパートナーに譲る。
右の垂直から取り付くがスクリューが効かずハングした左へ小さくトラバースを強いられる。
これから垂直部が続き、やがて傾斜がやや落ちて来てテラス状に。右岸の灌木でビレイ。
氷がもろく、落氷が激しいうえ状態の良い場所を探して蛇行するラインを取ったため、氷の
当たらない位置へ頻繁に移動しながらビレイした。
足元は広く安定していたので問題無し。
2ピッチ目 30m
私がリード。楽勝そうに見えたので「ラッキー」と思ったが、もろく悪い氷のうえスクリュー
の効きが悪く落ちられないクライミングだった。
途中から傾斜も垂直近くなり、なんと落ち口には岩が露出している。
半分も入らなかったスクリューが既にずっと足の下となり大いにビビるが、もはやプロテクシ
ョンの手立てがなく覚悟を決めてドライツーリング(T- 
T)(びしょびしょでしたけど)。
岩は順層で拍子抜けする程簡単に広いテラスへ抜け、左岸の木でビレイ。
3ピッチ目 50m
出だしは垂直でしずくが多量に滴っている。
左から取り付き、シャワーを浴びながら右にトラバース。
ここも氷がもろく落氷がすごい。
セルフビレイを長目に取って逃げ回っていたが、そのうち大きなのが肩に命中して息が詰ま
りそうだった。
フォローするが、油断していたら出だしでフォールしてグランドしてしまった。
上部はやはり氷が薄くなり、ピックや前爪が当たる。
岩も悪くパートナーは一旦左の土壁に逃げて灌木でプロテクションを取ったあとラインに戻
っているが、最後の露出した岩ともろいベルグラは悪かった。
右岸の木で終了。
この先水の流れる緩いルンゼがあるのみで、同ルートを懸垂下降。
8時スタート、11時終了。
スクリューは10本以上、16cmを中心に13cmを2本持ったが短いのを多くした方が良か
った。22cmは不要。

下降
支点は登った時のビレイ点がそのまま使える。
残置は無かったのでスリングを結んだが、60mロープで2ピッチで下降できた。
堰堤のクライムダウンはできなかったので、左岸のかすかな踏み跡を辿ったら道路に降りら
れた。

感想
岳人の写真は落ち口の氷がもっと厚いようです。
滲み出しではなく沢なので、少し前のうんと冷え込んだ時期ならもっと状態が良かったかも
知れません。
傾斜の強さ、氷質など「千波の滝」より1グレード以上上に感じました。
緩傾斜の部分が無くストレニュアスでした。
アックスの形跡もあったので最近誰か登られているようです。
私は平日休みが多いので週末の状況は分かりませんが。



グルメ情報
下仁田あたりの食堂はこんにゃくの看板ばかりで、がっつり食いたい時は考えてしまうの
ですが、今回跡倉と滝の中間辺りで「明陽軒」というラーメン屋を見つけました。
なぜか西上州なのに熊本ラーメン!しかも店は道路沿いでなく農家の庭先にある!など怪
しさ満点でしたが、意外にも本格的こってり系、豚骨しょうゆ味のおいしい店でした
(都会人にはちょっとくどいかも)。
お勧めはホルモン焼き。
ボリュームたっぷりで味付けも良く、テーブルにコンロを置いて焼立てをいただくとビー
ルのつまみに最高。
しかも、この店、ビールを頼むと大瓶が出てくるんです!
熊本ラーメンの看板が出てるのですぐ分かります。
跡倉の交差点からすぐなので、他のエリアに行った帰りにもお勧めです。


★ エリア別山行記録へ戻る ★ INDEXへ戻る