ボリビア・アンデス

      
日程
2005年8月1日(月)〜17日(水)
メンバー
(ぶなの会)三浦
記録
(ぶなの会)三浦
写真
なし
ルート図
なし

<山 行 記 録>


こんにちは、ご無沙汰しています。

三浦大@ぶなの会です。

今年の夏は昨年に引き続きボリビア・アンデスでClimb & Rideをしてきましたので簡
単に報告します。

今年のボリビア・アンデスは5月以来晴天が続き、全体的に雪が非常に少なくなり、
アイシーな氷壁やペニテンテスに手を焼きました。しかしレアル山群に比べ、天候が
プアなペルーとの国境に位置するアポロバンバ山群ではそれなりに雪も降り、氷河も
大きく発達していて、Climb & Rideをやるには適した素晴らしい山域でした。

まともな地図もガイドブックも無く、情報も極端に少ないエリアで、パートナーのア
イマラのクライマーも登ったことにない山にトライしました。そして幸運なことに、
予定どおり山群の主峰のChaupi Orco(6044m)と難峰のCololo(5915m)を 新
ルート(ガイドにはない)からの登頂+スキー滑降に成功しました。

8/1〜4
チャカルタヤ5100mで高度順化と登山準備

8/6〜13
 アポロバンバ最北、ペルーの国境に位置する山郡の主峰Chaupi Orco(チョピオル
コ、6044m)は非常に遠い山だった。ふもとのペレチュコ村までラパスから4WDで丸一
日のロングドライブ。
 そこからミュールを使い、BCに至るまで3つの大きな峠を越え、その3日間とも雪
に降られた。しかし4日目のハイキャンプに上がるころからは好天に転じたのは幸運
だった。そしてハイキャンプからは偵察をかねた2日間の粘り強いアタックでガイド
ブックの示すルートとは異なる、西壁からよりダイレクトなラインでの登頂に成功し
た。ガイドに記載されていた旧ルート(SEリッジ)はセラック帯の突破が非常にハイ
リスクで断念し、この新ルートを開拓したのだった。
 下部は大きいクレバスを縫うようなライン、上部はほどよい傾斜の西壁を登った。
登りでスキーは5600m付近まで使用できた。さらに山頂に担ぎ上げたスキーで反
対側の斜面をコルまでサミットスキーを行えた。
 西壁自体は部分的にアイシーで、ペニテンテスもあり、一部クライムダウンと懸垂
を交えたが、HCまで標高差1100mのうち三分の二はスキー滑降できたので満足し
ている。ここは非常に大きな美しい氷河で周囲に衛星峰がたくさんあった。まさに別
天地でのスキー滑降だった。ペレチュコ村を基点にトータル8日間の山旅だった。

8/15〜17
 次の目標であったビューティフルなスティープ・トライアングル、Cololo(コロ
ロ、5915m)は実にエレガントな山だった。ペルー・ブランカのアルテソンラフに似
ているが、こちらはめったに登られない、アポロバンバきっての難峰である。これを
登って滑ってやろうというチャレンジングな課題だった。
 アプローチは同じ村からロングな1日で美しい氷河湖の脇にキャンプを設営した。
ここから標高差1200mをワンデイでアタックする作戦だった。結果は成功した。
朝4時に出発して23時に帰幕した。19時間の行動で心身ともにへとへとになっ
た。しかし胸には熱いものをしっかりと持ち帰った。
 Cololo基部の大きな氷河を回り込み、一か八か、ガイドにないSW壁にルートを求め
た。中間部まで難しいルートファインディング、雪壁とクレバスの対応に追われた。
最後はWリッジに出て4P、部分的に5級のWIをこなした。山頂は見事なナイフリッジ
で一人立つのがやっとだった。16時半、登頂し雄たけびを上げた。
 Cololoのスキー滑降は本当に素晴らしかった。既に夕暮れ直前だった。Wリッジの
基部直下から広大なSWフェイスに印象的なシュプールを描いた。振り返ると白いフェ
イスがバラ色に染まっていた。

 ラパスに戻って最後にレアルのHuyna Potosi(ワイナポトシ6088m)をゾンゴか
らのワンデイでのスキー滑降を狙った。ソロで行ったが、5600m地点でクレバス
が越えられずに、無理せずそこから滑降した。しかし中間部は雪質が良く、よいエピ
ローグになった。

 今回、めったに登られることも無く、まともな地図も無い、ペルー/ボリビア国境
のアポロバンバ山郡に入り込み、予定通り目標の2座を、しかも新ルートから登れ、
そしてスキー滑降に成功したことに非常に感激しています。

アンデスもこれで4回目の山旅が終了しました。
そろそろ次のステップへ、7000mへ行きたいですね。
志を同じくする方、是非ご一緒しませんか?

PS
ペルーも晴天が続いて、アイシーだったみたいですね。
ボリビアも氷河が毎年後退し、雪や氷が溶け、岩が剥き出しの斜面も多くなっている
ようです。
過去のルートも現在は登れなくなっているところがいくつかあります。

温暖化は我々にとっても他人事ではなさそうです。

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