富士山/サミットフォール

日程
2005年5月14日(火)〜15日(水)
メンバー
(Club8.5φ/ZCC/ICUWV OB/同人CHOT)榎戸、川端
記録
(Club8.5φ/ZCC/ICUWV OB/同人CHOT)榎戸
写真
なし
ルート図
なし

<山 行 記 録>


えのきどです。

話のネタや噂では耳にするものの、実際に登ったと言う情報を確認できなかっ
たので、どんなもんかなと思い、シーズン最後の氷を求めて富士山・火口壁・サ
ミットフォールに行ってきました。

メンバー:えのきど、かーばた

5/14
朝に横浜を出発し、2時間30分ほどで富士宮口 5合目へ。富士山には 100回以
上登っているものの富士宮から登るのは 4回目。先週は仕事が切羽詰っていて
連日徹夜に近い状態だったので、5合目にテントマットを広げて昼まで昼寝。

天気は雲ひとつない快晴で、ばっちり。湿度もなく快適でした。

山頂までほぼ夏道をトレースして 4時間 30分ほどで山頂へ。雪渓は 8合目よ
り上でところどころあるものの、アイゼンの必要性は感じられず、運動靴だけ
で山頂を往復している登山者もいました。途中山スキーヤーやボーダーさん達
 20名近くとすれ違いました。山頂泊の登山者は 3パーティのみで、全員神社
付近でテント泊。 

山頂についてからとりあえず荷物を下ろしてサミットフォールの偵察へ。メイ
ンである白山岳直下のサミットフォールは遠目ながらもしっかり確認でき登れ
そうな雰囲気でした。それ以外にも朝日岳直下にも 1本、測候所下にも 1本登
れそうな氷瀑がありました。

とりあえず明日は登れそうなことを確認し、夜は黒部横断の残りの食材+生物
どっちゃり足してたらふく食べてさっさと就寝。先週雪が結構降ったようで、
新雪が 15cm 程有り、水は雪から十分作れました。 


5/15
天気は明らかに下り坂で 7時頃からガスり始め、視界は終日 20m 程度。この
視界の悪さに今回はかなり苦しめられました。

まずアプローチが全然わかりません。とりあえず馬の背の手前、コノシロ池の
先辺りで火口に下り火口壁の下の方を昨日サミットフォールがあったあたりを
目指してトラバース。

視界が悪いので現在地もわからなければサミットフォールの場所も良くわから
ずとりあえず上の方を見ながらトラバースして行きました。昨日撮った写真は
サミットフォールの拡大写真しかなく、写真を見ても現在地を把握できません
でした。火口全景を撮っておけばよかった。

右往左往しつつも、1時間 10分ほどでサミットフォールに到着。ガスっていて
上の方が見えないものの、とりあえず 1P目は登れそうな感じだったので取り
付きました。見た感じでは予想以上に立派な体裁ではあるものの実際はぼろぼ
ろでした。


【サミットフォール 1P目 : かーばたリード】
資料は『岩と雪 117号』のトポのみ。が、出だしからトポ通りのラインは取れ
ず、登れそうなところを選びながら右に左に蛇行しながら登って行きました。
氷はスカスカで脆く、細いつつららの集合体が岩から垂れ下がっているだけで
厚めのアイスキャップ(?) を拾いながら登っていき、スクリューもスカスカで
余り効いている感じはなく、ところどころに露出している岩のクラックにエイ
リアンが有効でした。 


20m 程ロープを伸ばした辺りでガスでリードは完全に見えなくなり、崩壊した
つららの落下で登っているのが確認できる感じでした。35m ちょっとロープを
伸ばして 1P目終了。

フォローで上がりましたが、とにかく氷が脆く、蹴り込んだスタンスがどんど
ん崩壊して行き、注意しないとホールドごと持っていかれる感じでした。ビレ
イ点はカムとハーケンで作成。

【サミットフォール 2P目 : えのきどリード】
さて 2P目はと考えて周りを見回すも、絶望的。左には氷が薄くて全く行けず、
上を見ても薄いつららが垂れ下がっているだけで、岩がところどころ露出して
おり、つららを壊しながら岩を繋いでいけば可能性はあるのかもしれませんが
それだと氷を登りに来た意味がないし、傾斜もかなりあるので難しい。あとは
右に行くと言う選択肢だったのですが、こちらも氷が薄く、登って行くのは結
構厳しい感じ。10分ほど悩んだ挙句、今回は断念して降りることにしました。

ハーケンを 1枚打ち足して、捨て縄で懸垂して取付に戻りました。残置無念。
懸垂しながら少し離れて上を見たところ、さっきのビレイ支点から右に上がら
ず、そのまま右にトラバースすればやや傾斜が緩い箇所があったので登れたか
もといった感じでした。

取付に降りてからも相変わらずガスガスなので、帰りも結構難儀し、上がると
ころを間違えたらしく、気がついたら山頂に出てしまいました。

神社脇にデポしてあった荷物を回収して、アイゼンつけたまま、雪渓を繋いで
そそくさと下山しました。 

天候は終日曇りだったことも有り、気温が上がらずシャワークライミングにな
ることもなく、火口内だからか風もなく、条件はよかったと思います。せっか
く凍っていたのにもったいない。たぶんこういった数少ないチャンスをモノに
できるかどうかがクライマーの実力なんだと思いました。視界が悪くてルーフ
ァイが上手くできなかったと言うこともありましたが、まだまだ経験、技術力
不足。ロケーション、氷の条件も面白いのでまた来シーズントライしたいと思
います。

以下の Web サイトで毎日気温をチェックし、今週も気温がプラスに転じるこ
とがなければサミットフォールは一層発達し、ラインを選べれば登れる状態に
なっていると思います。狙われている方は今がチャンスです。是非トライして
みてください。

富士山(フジサン) 毎正時の観測データ 
★ http://www.data.kishou.go.jp/maiji/data/47639.html

写真は Web を参照してください。
★ http://www.enokido.net/mountain/archives/000988.html

5/15 行動記録
07:00 神社脇出発
08:10 サミットフォール取付(-5℃)
08:25 クライミングスタート
11:10 2P目スタート(-2℃)
12:00 富士山山頂剣ヶ峰
12:30 神社脇
14:30 5合目 

えのきど。(Club8.5φ/ZCC/ICUWV OB/同人CHOT)
雪山大好きっ娘。


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