大峯/池郷/石ヤ塔/ヒラニア・ガルバ

日程
2004年11月7日(日)
メンバー
(じゅげむガイド工房)野村勝美、その他
記録
(じゅげむガイド工房)野村勝美
写真
なし
ルート図
なし

<山 行 記 録>


こんにちは

 京都の野村です、久しぶりの投稿です。
 先日、大峯の池郷にある「石ヤ塔」というところまで
 出かけてきました。(参考画像 http://jugemukobo.exblog.jp/)
 池郷林道は台風の影響かそこらじゅうに石・穴がありましたが
 通行できないこともなく、無事アプローチのモノレール軌道まで
 行けました。
 ところが、つり橋を渡って以降は作業道なのか獣道なのか
 よく分からないうえ、目指す第1岩峰取り付きには人の痕跡がゼロ!
 以前岳人で発表された記事にあった、すっきりした割れ目のイメージが
 こびり付いていたのが災いし、実は一発で取り付きの目の前まで
 来ていたのですが、まるで本ちゃん終了後の「ブッシュ」的壁がそれだとは
 全く気が付かずにさらに1時間半?ほどうろうろしました。

 で、ようやくすでに昼を過ぎてから開拓者お勧めの「ヒラニア・ガルバ」へ。
 1ピッチ目、ワイドクラックに突入したリードが「ひゃ〜!」の悲鳴。
 フォローすると、出だしの何手かは岩がゆるい!
 中ほど過ぎでハングに突き当たり、これを右に続くクラックにつなげる。
 ハング下辺りからリードは迷わずキャメを鷲掴み。
 後続すると、ハングを処理する部分で足がうまく捌けず
 フォローながらこれまたキャメの鷲掴み(^^;
 これが5.10b?!

 2ピッチ目。見たことないワイドクラック。リードで登り出すが、プロテクションの 

 3本あるボルト+1本のピンの最初は、遥か頭上。
 両開きの股下には延々ロープがまっすぐ伸び、その下には「地獄の釜」が
 パックリ口を開けている。難しくはないが経験したことのない恐怖感、、
 最後のボルトを過ぎ出口を求めて行くが、頭を押さえられ、
 天井には出口に向かって水平にシンクラックが走るが、すでに狭すぎ
 体をどう処理したらいいのかさっぱり分からない!
 「わぁ〜!」とついにずり堕ちた弾みに、背中が右手の壁に張り付き、
 その姿勢が活路となった。水平クラックはやがてエイリアン、キャメ#2、
 #3と咥えるながら上方のテラスに向かって伸び、最後に#4を差し込むも、
 またしても足を捌くことができずこれまた鷲掴みでテラスに這い上がる。
 喉はカラカラ。これが5.10a??

 短くて易しい3P目をようやくフリーでこなし、やっとのことで頂上へ。
 そこには興醒めにも木材搬出に使ったのか、ワイヤーがだらしなく垂れていた。
 すでに夕暮れ、急いで懸垂に移り、2P+ロワーダウン、さらに1Pで取り付きへ。 

 もう真っ暗。さらに野村がヘッデン忘れで、ほうほうの体で車まで戻りました。

 三倉とか行ったことないですが、ワイドクラックってこんな恐ろしいものか、
 (ワイド)クラックのグレーディングってこんなに厳しいものかと、打ちのめされた思いです。
 どなたか行かれることありませんか?是非感想をお聞かせ下さい。
 いろいろと情報を頂いた、ここを「楽しい」と言える開拓者の菅さん・池野さんたちには
 改めて感服してしまった次第です。

 ダラダラとすみません

野村勝美
じゅげむガイド工房(URL;★  http://www.geocities.jp/jugemuguidekobo/
野村さん、みなさんこんにちは。 >  まるで本ちゃん終了後の「ブッシュ」的壁がそれだとは >  全く気が付かずにさらに1時間半?ほどうろうろしました。 この岩場の欠点は、下部のブッシュの多さに有ります。 「扉を開けて」は唯一下部から露岩帯を繋いでますが、それでも1ピッチ目 (今回登られた1峰南面のアプローチ)はブッシュがうるさいです。 現在、私共の会の若者達が、下部を整備中(新しいラインも含めて)です ので、近々ブッシュを余り触れず頂上、或いは上部ルートに取り付ける 様になると思います。 >  (ワイド)クラックのグレーディングってこんなに厳しいものかと、打ちのめさ れた思いです。 はっきり言いまして、私自身はクラックが苦手で(早い話下手)、クラック部分 のグレードは良く判っておりません。 石ヤ塔もフェース・エイドは私が担当し、クラックは主に池野の担当で(1峰 南面はクラック多し)、三倉と香落渓を参考に池野がグレーデングしました。 「ヒラニア ガルバ」1P目のグレードは、池野が「私がオンサイト出来たの だから」との安直な判断で付きました(尚、石ヤ塔は岩峰なのでクラックに 土が溜まらず、事前の清掃無しに直接下から取り付けました)。 2P目大チムニー部分は私がリードし、「5.9ぐらい?」と判断。 上部ワイド部分は池野が登り人工交じりになったので、当初あわせて「5.9・A 0」 との事だったのですが、後日池野が再登の折、「あっさりフリーで登れたので せいぜい上部も10.aぐらい」と、これも余り深く考えて付けられておりません。 3P目はこんなものかと思っております。 以上のような経緯ですので、グレーデングに関しましては、今後登られる方々 の判断に委ねたいと思います。 ご意見頂ければ幸いです。 最後になりましたが、野村さんのような優れたソロ・アルパインクライマーに 登っていただき、且つ、評価(?)していただきまして光栄です。 今後とも宜しくお願いします。  同人 ルーデンス                 菅 修三
野村さん、今晩は。 同人ルーデンスの池野です。 石ヤ塔のグレードについて菅が説明しておりましたが、私からも補足させて ください。 各ピッチのグレーディングにあたって、3点ほど参考にした事があるのですが、 一つ目は私のオンサイトとレッドポイントのグレードで、二つ目は、野村さんが 登られた大チムニーの左へ抜けるルートと反対側の右へ抜けるルートをフリー で登った方が、「せいぜい10.b」と言われた事。 右は左より難しく感じられましたから、左に10.a以上はつけられませんでした。 そして三つ目は、名張のクラックのグレードで、あのルートと比べれば・・・という 事です。 ちなみに「ヒラニア・ガルバ」の1P目はオンサイトできなかったので、5.9より上 のグレードがついています。 この1P目の出だしは、おっしゃる様に少々脆いのですが、ここを登らず左の フレーク(Stonedの1P目)を登られたらもっと快適だったと思います。 それはともかく、チムニー最上部のトンネルを、光を求めて抜け出ていく所は 印象的だったでしょう? 私が大好きな所です。 菅も申しておりましたが、野村さんからご感想をいただきまして、大変嬉しいです。 今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

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