幽ノ沢/3ルンゼ〜一ノ倉沢/4ルンゼ滑降

日程
2003年2月22日(土)
メンバー
(ARIアルパインクラブ)有持真人、藤川勝人
記録
(ARIアルパインクラブ)有持真人
写真
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ルート図
なし

<山 行 記 録>


有持です。
 
 みなさん、こんにちは。1月に北海道にアイスに行って以来忙しくて山
に行けず、ストレスが溜まっていましたが、久しぶりに谷川に行ってスト
レスを発散してきました。

<日程>   2003年2月22日(土)曇り〜雪
<場所>   谷川岳/幽ノ沢/3ルンゼ〜一ノ倉沢/4ルンゼ滑降
<メンバー> ARIアルパインクラブ/有持真人、藤川勝人

<行動>      

 指導センター(0430)〜幽ノ沢出合(0610/0630)〜3ルンゼ大滝下部(0810)
〜終了点(1000)〜ドロップポイント(1010/1035)〜一ノ倉沢出合(1100/1130)
〜指導センター(1220)

 3ルンゼ(幽ノ沢出合〜終了点)      3時間30分
 4ルンゼ(ドロップポイント〜一ノ倉沢出合)   25分
 全行動                  7時間50分

<装備>   (板)フリートレック旧型(88p) (靴)プラブーツ

<記録>

 出発が遅かったため、指導センターに着いたのが04:00頃だった。そそ
くさと準備をして出発する。

 先行パーティのトレースがしっかりとついており50分で一ノ倉沢出合に到
着。もう数パーティがテールリッジを登っていた。我々は幽ノ沢へ向かう。こ
こからはトレースがなく膝上ぐらいのラッセルが続く。06:10に出合に到
着した頃には空が明るくなってきた。

 今日は気温が少し高めだが日中もほとんど日が差す事はないと言う事なので
予定通り3ルンゼに向かって登りはじめる。出だしは割と雪もしまっていたが
登るにつれ雪が深くなり、3ルンゼ大滝下部に着く頃には腰ぐらいの雪となっ
ていた。

 3ルンゼ大滝は80m/2Pと言う事だがルンゼ登攀と言う事もあり、時間
短縮のために各自フリーソロで大滝を越えた。グレードはIV+程度であった
がフリートレックを担いでいるため少々ザックが重いので慎重に登る。

 氷の状態はまずまずでアックスも快適に決まる。時間をかけると疲れるので
休まずにガシガシと一気に登った。

 大滝の上部には広い雪田が広がっている。降雪があれば大滝にチリ雪崩れが
集中する形になっているので短時間で大滝を越えなければならない。

 大滝上部から一ノ倉尾根の終了点までは延々と雪田をラッセルして登ってい
く。弱層もあるが比較的安定しており、4ルンゼの滑降も期待がもてそうだ。

 終了点には10:00丁度に到着。オールラッセルをした割には出合からノ
ンストップで3時間30分とまずまずの時間であった。

 終了点に着いた頃から雪が降り出して、あちこちでチリ雪崩れが出始めた。

 天気も悪いし一ノ倉岳までは行かず、小休止してから早速、一ノ倉沢/4ル
ンゼの滑降を開始する事にした。10:35に滑降開始。

 出だしの雪質はフリートレックの苦手なアイスバーンだが、無茶苦茶固い訳
ではないので何とかなるだろう。

 片手には滑落停止用のバイルを持って、まず有持から滑降開始。転倒したら
どこまで転がるか分からないので慎重にターンを繰り返す。富士山のアイスバ
ーンよりはまだ滑り安かった。この辺りでは雪庇が崩壊でもしない限りは大き
な雪崩れは来ない感じである。

 まもなくアイスバーンも終わり、だんだん傾斜もきつくなってくるが、雪質
はパウダーへと変わってきた。

 さて、核心部のF4の滑降である。広かったカール状の雪田が一気に狭くな
り最狭部の幅は2〜3mぐらいで傾斜は50度強ぐらいだろうか。とても途中
でターンができる幅ではないので横滑りで突っ込んで行く。

 一番急傾斜の所でいきなり板がすくわれて転倒滑落。F4の下部はパウダー
であったので延々と滑落する事はなかった。見上げて見ると完璧な氷瀑の上に
パウダーが積もっていたため、氷瀑で滑ったらしい。「あれじゃエッジなんか
効くわけないぞぉ」と独り言。

 両側の岩壁からはチリ雪崩が出てくるが、まだ大きいのは来ない。ここから
下は極上のパウダーで雄叫びをあげながら快適にターンを繰り返していく。極
楽極楽。3月ならこんな快適な滑降はできないだろう。

 次は第2の核心のクレバス越えである。2ルンゼ下部あたりには例年かなり
大きなクレバスができていて、これを越えなければ滑降を続ける事はできない。

 雪がつながっている箇所がなければ一気にジャンプで越えなければならない
が、偵察した所、左端に一カ所つながっている所があり、崩れないか冷や冷や
しながら一気に越えた。

 途中で、中央稜と凹状岩壁を登っている仲間に声援を送り、一ノ倉沢出合ま
ではパウダーの大雪田を爽快に滑降する。

 一ノ倉沢に11:00到着。写真を何枚も撮りながらの滑降であったが25
分で滑降終了。

 最初は、フリートレック旧型は88pと短いため、深いパウダーにどれだけ
対応できるか心配していたが、しっかりとトップも浮いてくれて十分に満足で
きる滑りを楽しむ事ができた。

 指導センターには12:20分に到着。また明日もあるので温泉で汗を流し
てビールで水分を補充してまったりと過ごす事にする。

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