甲斐駒ヶ岳/Aフランケ/戦う操縦士・毒蜘蛛ルート

日程
2001年8月11日(土)〜16日(木)
メンバー
(豊川山岳会)白井良岳、(名古屋渓稜会・千種アルパインクラブ)土橋正明
記録
(豊川山岳会)白井良岳
写真
なし
ルート図
なし

<山 行 記 録>


白井@豊川山岳会です


甲斐駒ヶ岳・赤石沢Aフランケ・「戦う操縦士」と「毒蜘蛛」を登ってきましたので
報告します
【日時】平成13年8月11日(土)〜16日(木)
【メンバー】白井良岳(豊川山岳会)・土橋正明(名古屋渓稜会・千種アルパインク
ラブ)

11日(土)
戸台よりバスで入山し北沢峠まで(1100円)
小雨の中仙水峠経由で甲斐駒ガ岳へ重荷を担いでおっちらおっちら行く。
11:30甲斐駒ガ岳頂上着。これより雨が本降りとなり八合目岩小屋に非難する。
本来は水不足を予想してAフランケ下部の岩小屋をベースにして水の確保をと考えて
いたが、この雨で岩小屋の雨だれを集めていたら2時間近くで14リットル溜めること
ができ今夜は八合目岩小屋泊。ラッキー

12日(日)
起床(3:00)---「戦う操縦士」登攀開始(7:00)---登攀終了(17:0
0)大テラス泊
土橋より1ピッチ目登攀開始する。
リスのネイリングがだいぶぶん。ユマーリングの私は6リットルの水とビヴァーク用
具一式を詰め込んだザックを担いでクリーニング。これが地獄。(^_^;)ちょっとした
ハングをこえるおが人苦労で、体を後ろにもってかれ「ふっ、ふっ、腹筋がぁぁぁ」
何度降りようかと思ったことか。
2ピッチ目白井がリード
「赤蜘蛛ルート」を15mほど登った所からクラックに取付くとあるがそれと言った
クラックが見つからないのでロープを伸ばし一度ピッチを切る。よく見ると、コナー
クラックに沿って平行に右側に走っているワイドクラックが途中から直上している
の。それしかクラックがなので、再び白井リードでカムを使い登る。10mほど登っ
た小テラスにペツルのボルト(ハンガーなし)があった。15mは25mの誤りで
しょうか?
3ピッチ目土橋リード
ピトン、カムをつかい順調に扇ハング下まで。終了点のペツルのボルト2個ある内の
1つはネジが入らなかったそうだ。
4ピッチ目白井リード
ハングを越えロストアローが続いた後再びハング。ハング下の草付に抜けそうなアン
グルを決め残置のアングルに移る。トポにリヴェットとあるが見当たらない。フック
ももろくてかかりそうにない。ハング越えにさんざん迷ったあげく、ハング抜け口に
1度は抜けたロストアローを場所をずらし打ち込み難所を抜ける。あとはV級の岩場
を登り大テラスまで。土橋さんがユマーリングであがってくるころには雨が降る出
す。夜半まで雨は降ったり止んだりでした。今日はAフランケには誰もおらず、「赤
蜘蛛るーと」は閑古鳥が鳴いてました。

13日(月)
起床(3:30)---登攀開始(5:00)---登攀終了(19:00)---八合目岩
小屋(21:00)
「赤蜘蛛ルート」の5ピッチ目と「白稜会ルート」の5ピッチ目をこなし「戦う操縦
士」の7ピッチ目を土橋がリード。
傾斜の緩いコーナーだが草付があったりして、意外とてまがかかる。
8ピッチ目白井リード
10:15分頃取付いたので「昼過ぎには抜けれたらいいなぁ」なんて思っていたら
とんでも無く、1フォールし3時間かかり13:00ごろようやく登り終えました。
さすがに核心部、ピトンの利きが甘かったです。全体的に脆くピトンスカーがあるか
らと言ってロストアローを打ち込んでもあまり利かなかったりする。ぼくが落ちた個
所はハング下をコーナーに沿って右上し、コーナーを抜けて直上に移る個所で打った
ナイフブレードがあまり利いてないのは解っていたが「次のロストアローが決まるま
でもちますように」と祈りながハンマーをを振っていたら抜けました。(^o^)その下
のロストアロー、エイリアン(赤)、ロストアローと3っつもはずれまずまずの
フォールでした。最後はモチズキのハーケンで止まってました。さすがに落ちた時は
ガックリし土橋さんに代わってもらおうかと思いましたが「せっかくここまで登って
来たのだから」と再びトライしなんとか終了点へ。
9ピッチ目土橋リード
左上するクラックが幾つかあり迷いながらも上部のクラックに取付く。クラックをつ
なぎながらさらに左上、ここも脆く岩がよくかけて落ちる。今日は「赤蜘蛛ルート」
は大繁盛でひっきりなしに登っきている。私たちのラクがはねて「赤蜘蛛ルート」に
飛ん
でくのでことさらラクが当たらないかとヒヤヒヤしながらビレーする。けっきょく正
解ルートは一番下部の左上クラックだったと思います。
9ピッチ目をぼくがフォローし終えた時には暗くなり、ヘッドランプをつけて10
ピッチ目をリードする。ブッシュ帯で右上するように心がけて登って行くとヒョッコ
リAフランケ頭の岩小屋のすぐ下に出た。

「戦う操縦士」は「赤蜘蛛ルート」のすぐ近くに引かれたラインであったので堅く綺
麗なクラックを想像していたが思い込みが激しいぶん意外と草付が気になりました。
あと、リスが脆くAフランケのアメリカンエイドが初めての私はちょっと予想外でし
た。今まで花崗岩と言えば小川山とか瑞浪のクラックをイメージしてしまいこんな脆
いとは思いませんでした。しかし、そのぶん苦労はさせられ、まさに戦う感じで根気
よくランニングをとって行かなければ登れないルートだと思います。途中大テラスで
ビヴァーク出来るのはとてもいいですね。

14日(火)
昨夜遅く帰って来たことで疲れていたため二人とも朝寝坊。予定の「夜間飛行」を変
更して「毒蜘蛛ルート」とする。
八合目岩(^_-)小屋---登攀開始(10:00)---大テラス(14:30)
奇数ピッチ土橋リードで偶数ピッチを白井がリードして登る。午前中は晴れて蒸し暑
く、「こんなんが続いたらすぐに飲料水がなくなるなぁ」と心配していたら午後には
曇だし、3ピッチ目のフォロー途中から雷を伴っておお雨となる。ユマールの途中
だったため濡れながら大テラスへ到着。どうせ濡れたので小雨のなか4ピッチ目も
フィックスを張るためのばす。大テラスにツェルトを張りビヴァーク。ラジオを聞き
ながら夕暮れまで暇をつぶす。しかし、AフランケでFMの”Jウェーブ”が聴けれるな
んて知らなかったです。これが八合目の岩小屋でもよくはいりました。あと”FM東
京”も入りました。”FM横浜”は入りません。音楽はやっぱりいいですね.。夜中は
カッパしか着てなかったので寒くて目が覚めました。
15日(水)
大テラス(5:00)---登攀終了(13:00)---八合目岩小屋(14:30)
問題無くこなし、無事登攀を終える。
「毒蜘蛛ルート」の核心の4ピッチ目と5ピッチ目で4〜5箇所ぐらい自分でランニ
ングを作らなくては行けないがその他のピッチは1〜2箇所作るぐらいでボルト、残
置ピンは多い。追加ギアに、ナッツと幅広いアングルがあると良い。アメリカンエイ
ドの初心者にはいいルートかも。

16日(木)
3時に起きて下山する。結局この日だけ甲斐駒に来て以来雨に降られませんでした。
伊那市で名物ローメンを食べ新城市に帰る。自分で味付け出来るのが良いが土橋氏は
表面が赤くなるまで七味唐辛子をかけていた。

今回の山行は盆休み休かをすべて使わしてくれた妊娠中の妻に感謝。アリガトー
(^-^)/
もちろんパートナ―の土橋さんにも充実したクライミングありがとうございました。
これからヨロシク。

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