白馬岳/主稜

日程
2001年5月3日(木)〜4日(金)
メンバー
(獨標登高会)寺田、西片、河村、佐藤、雑賀
記録
(獨標登高会)寺田
写真
★ 2峰より登ってきたルートを振り返る
★ 大雪渓の途中で休憩中の河村
★ 大賑わいの主稜
★ 頂上直下の雪壁
★ 白馬岳頂上から剣を望む
★ 薄明かりの中、取付きの登高
ルート図
なし

<山 行 記 録>


 獨標の寺田です。

GWは白馬の主稜に行ってきました。
3月初の八ヶ岳以来久々の山行で、ちょっと体力的に不安はあったのですが、無事当
初の予定を達成することが出来ました。
GWなのでもっと長期のハードな山行も考えられましたが、主要メンバーがまだ凍傷
の後遺症があるのと、私自身今年は暦どおりだったのでましょうがないですね。しか
し内容的には長年の目標を達成でき、満足の行くものでした。

<山行記録>

こんにちは、ご無沙汰しています、獨標登高会の寺田です。
GWの2日間、白馬の主稜をやってきました。久々のまともな?山行で、やっと報告
が書けます。
今回はボードを担いで登り、大雪渓を滑降しました。

5月2日(水)雨

自宅発(21:00)−雑賀宅(21:30)−八王子ICI前(23:00)−猿倉着(4:15)ー
就寝(4:45)

連休中は暦どおり。こんなときに限って仕事がなかなか片付かない。強制終了後速攻
で帰宅。かみさん、子供を残し葛飾の自宅を後にする。(連休前半は当然家族サービ
スでした)雑賀をピックアップ後首都高に乗るが、連休前で大渋滞。八王子で西片を
ピックアップし、コンビニで食料調達。中央道は甲府の手前まで大渋滞。豪雨の中ア
クセルを踏み続ける。豊科から下道に降り、白馬を目指す。猿倉についたころは雨脚
も衰え、夜も白み始めていた。駐車場は連休中ということもありすでに満杯。かろう
じて2〜3台分のスペースがあった。ビールで乾杯し車中泊。

5月3日(木)曇り時々晴れ

起床(10:30)−猿倉発(12:15)−白馬尻幕場(13:30)−就寝(17:30)

8:30ごろ現地待ち合わせの河村、佐藤に一度起こされたが、もう一度寝る。彼ら二
人は白馬の無料駐車場にクルマをデポし、突坂尾根を越え、白馬の頂上経由、大雪渓
を下ってきた。馬尻にテントを残し、白馬まで下り、クルマをピックアッップしてき
た。10:30行動を開始する。今回、寺田、河村の両名はスノーボードを背負って登
り、大雪渓を滑降すると言う計画だ。河村、佐藤の情報によれば主稜はザイル不要と
のこと。最低限の装備にし、徹底的に軽量化を図る。

猿倉から馬尻までは1時間弱。大雪渓はすべて雪に埋もれ、テントの数もかなりの量
だ。大雪渓を少し登り彼らのテント脇にもう一張り張り、早速ボードの練習。雨がし
みこんでいて滑りは悪い。早々に引き上げ、露岩の上でウイスキー片手に山の話で盛
り上がる。早めの晩飯後就寝とするが、前夜の運転のおかげで?ぐっすり眠ることが
出来た。山の上でも季節はもう春。寒さはまったく感じられなかった。

5月4日(金)快晴

起床(2:30)−出発(4:30)−4峰(7:40〜8:00)−頂上(9:30〜10:00)−滑
走開始(村営頂上宿舎上の雪田)(10:20)ー天場(10:38〜11:35)−猿倉(12:
00〜12:50)−豊科(17:06)−八王子(21:00)−自宅(22:30)

西片の携帯の着メロ・黒い犬(ZEPね!)で目覚める。大雪渓はガスに覆われてい
る。ゆっくりと支度をし、ヤッケの上下を着込んで出発。ガスがまとわりつき水滴が
滴る。薄明かりの中ヘッドランプをつけ取りつきから登高開始。すでに何パーティー
か先行している。登るにつれ空も白み始め、ガスも晴れ、気温もぐんぐん上がる。振
り返れば視界は開け、遙下界に霧が垂れ込めている。ルートはトレースがばっちり付
いていて、ひたすら雪の階段の登高だ。ビバークサイトもいたるところにあり、まだ
行動を開始していないパーティーもあるようだ。さすがにボードを担いでいるのは
我々2名だけだが、スキーを担いで登っている人は結構いる。登高と休憩を何度か繰
り返すうちにあっという間に頂上直下の雪壁到着。ロープを出すこともなく難なく通
過。よって数珠繋ぎでも渋滞はない。

頂上からは360度のパノラマが広がる。携帯でかみさんに無事登頂の報告。しばらく
景色を楽しみ下山開始。頂上周辺は雪が少なく、岩が出ているので滑走は出来ない。
村営頂上宿舎の上部雪田からシュプールがあり、我々もここから滑降の準備に入る。
徒歩組みの3名と別れ、いざドロップイン。雪質はまあまあか。岩の間をくぐりぬ
け、大雪渓に入る。ここからがハイライト。大雪渓上部の急傾斜の一枚バーンだ。
ターンのたびにブロックが崩れ落ちる。脇の登山道の登山者からは歓声(罵声?)が
上がる。下部緩傾斜帯では雪も腐り、デブリも多く滑りづらい。あっという間に幕場
到着。振り返り大雪渓を見上げ、一瞬で終わってしまった至福の瞬間に思いを馳せ
る。日向ぼっこしている間に、徒歩組みも尻セードを多用し40分遅れで到着。テント
を撤収し下山する。小日向の湯は駐車場が溢れていたので、白馬駅に下る途中のミミ
ズクの湯で汗を流す。帰路は一般道も高速も渋滞にはまる。

個人的なことを言えばスキーが高じて山の世界に入ったわけですが、白馬はスキーの
時代から、山に入ったきっかけまで、非常に思いで深いところです。大雪渓自体は10
年程前にボードで滑降していますが、主稜から大雪渓の滑降は以前から計画はしてい
たのですがなかなか実行に移す機会がありませませんでした。今回GWの2日間の山
行ではありましたが、数年来の思いが達成でき非常に感慨深い山行となりました。最
近有持さんのHPではスキー滑降を含めた山行報告が続いていたので、自身でも是非
やってみようとモチベーションを高めることが出来ました。

●装備について

<ザック>
ザックは通常のクライミング用(カリマーのアルピニステ45+10)に、モンベルのス
ノーボードアタッチメント(¥2,200)でボードを取り付けました。荷物の出し入れ
はしづらいが、登高時の安定性は高いです。

<ボード>
以前はバートンのエクストリーム(オフピステ用、170cm、ビンディング込み5kgぐら
い)にハード用ビンディングを使用していましたが、最近では軽量化のためにバート
ンのバランス52(ゲレンデ用、152cm、ビンディング込み4kgくらい)にソフト用ビン
ディングを使用。当然春用のワックスです。

<ビンディング>
以前はハードブーツ(コフラック・クリマモンタナ)にハードブーツ用ビンディング
(ワンタッチアイゼンの前後を逆にしたようなもの)を使用していましたが、滑走中
にビンディングが外れることがたびたびありました。やはり登山用のプラブーツは、
スキー靴やボード用のハードブーツに比べかなり柔らかいようです。そこでソフト用
のビンディングに取り付けようとしたのですが、ハイバックが当たってしまい、上手
くブーツを固定できませんでした。試しにハイバックをはずしたところ、ぴったり
フィットさせることが出来ました。またプラ靴の硬さが、丁度ハイバックの役割を果
たしてくれ、軽量化にもなりました。ボード用のソフトブーツに合わせたビンディン
グの位置だと、ハードブーツの踵がかなり後ろになりドラッグしてしまうので、ブー
ツセンターの位置にビンディングの移動が必要です。試される方は必ずゲレンデ等で
試してから山行に臨んでください。

<携帯>
猿倉、馬尻、主稜上、頂上、大雪渓上部すべてアンテナ3本!

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