鹿島槍ヶ岳/北壁/氷のリボン

日程
2001年3月18日(日)〜19日(月)
メンバー
(新潟クライミングクラブ)安藤、(日本山岳会)宗像
記録
(新潟クライミングクラブ)安藤
写真
なし
ルート図
なし

<山 行 記 録>


 安藤@NCCです。

 凍傷復帰第二戦で氷のリボンをやってきました。ちょっと長いです。

ルート:鹿島槍北壁蝶型ルンゼ氷のリボン
メンバー:安藤(NCC)、宗像(JAC)

3月18日
  大谷原(9:00)---天狗の鼻(16:30)
 安藤は車で新潟で大町まで入る。他2名は大町駅で合流し、安藤号で大谷原まで入
山。車は橋の手前まで入ることができる。天狗尾根にはトレースがばっちり着いてい
て、高速道路状態。天狗の鼻で前日より入山していた、もう一名のメンバーと合流し
て、全部で4人が揃う。

 3月19日
  起床(2:45)--出発(5:20)--リボン取り付き(7:20)--登攀開始(8:00)--F3
上(11:30)--天狗尾根(13:30)--天狗の鼻(15:30)
 絶好の登攀日和の中、黙々と取り付きまでトラバースするが、雪が安定していても、
気持ちが悪い。途中で北壁主稜へ向かう二人と別れて、ひたすらラッセル。蝶型ルン
ゼ左稜からのびる小尾根を乗り越すと、突然めざす氷のリボンが姿を現す。
 「なんだ楽勝!楽勝!ちっちぇ〜じゃん!」なんて思いながら、近づいていくとど
んどんでかくなっていく。遠目にはF1がボコボコのスタンスだらけの氷で楽勝にみ
えた。F2,F3は氷が青々として、かなりぶっ立って見える。

 F1 宗像リード 5級〜6級-
 チリ雪崩の中、ジャンケンでどっちが先かをきめ、宗像がF1をやっつける事とな
る。途中まではサクサク登っていき、落ち口4m暗いで急に動きが止まる。チリ雪崩
れもきつくて、まともに上を向いてはいられない。しばしの奮闘後、ロープが40m
位出てやっとビレイ解除。フォローしてみるとなんと、目茶きついぞ?始めは垂直に
は近いが氷がボコボコしていて、比較的登りやすい(5級-位)。問題ののこり4m
は氷ではなくて、ただの「堅い雪」で「たまに氷の固まりが混ざっている」程度で
「オーバーハング」している。2回位落っこちそうになったが、ごまかしながら登が
手がパンプ気味になってくる。「こりゃたいへんだぁ〜、良くリードしたなぁ?」と
いいながら、宗像を見上げると死にそうな顔をしている。「安藤さんも死にそうな顔
してますよ」と言われ返される。

 F2 安藤リード 5級〜5級+
 F2は見るからに堅そうな氷で、垂直部が殆どと中間部がややかぶっている。問題
はチリ雪崩れだ。殆ど上を見ることができなく、滝に打たれる修行僧状態。ちょっと
でも進もうとして、下を向いたままアックスを振るが、もちろん手をぶつけまくる。
氷が硬く、軽量のクオークがはじかれるし、決まると抜けない。雪崩がひどいときに
は、スタンスも見えない。まぁ、氷がボロボロより良いけどね。
 20〜25m程、氷を登ってザイル一杯蝶型左稜側にルートを延ばす。右稜側に灌
木があるが、F2基部からでは届かないだろう。岩のクラックにアックス2本をねじ
込んでビレイポイントとした。宗像フォロー中、右稜側より比較的でかいチリ雪崩れ
が発生して、F2へまっしぐら!「宗像やられたかぁ〜!」と声をかけるが、反応も
ない、動きもしない。「あいつ、カクネ里すきだったからほんもうか?」と思いなが
ら、脱出法を考えていたら、チョビチョビ動き出した。雪だるま状態の宗像がしばら
くしてビレイポイントまでやってきたが、もしも右稜側に行っていたら、二人ともや
られていたかもね?

 F3 安藤リード 4級+〜5級-
 F3基部までの雪壁を宗像にトレースしてもらい、左側のカンテ状の氷を登る。一
番左にルンゼ状の優しい部分があるが、ここまで来たら、ぶったっている所を登らん
とね。F3は20m位で相変わらずチリ雪崩が激しい。落ち口で強烈なチリ雪崩を上
半身に喰らって「げふっ!」
 50m一杯一杯だして、雪壁途中でアックスビレイ。蝶型ルンゼが緩く天狗尾根ま
で続いている。

 天狗尾根までは、ルンゼを100m程、蝶型左稜の岩場とのコンタクトラインを詰
めてから蝶型左稜に乗る。尾根上からは主稜を登る奴らがよく見え、無線で連絡をし
てBCへ戻る。

3月20日 天狗の鼻(6:10)--大谷原(10:20)
 この日、メンバー二人は下山、後の二人は荒沢奥壁北稜にキノコ狩りと鹿島北西面
に継続にでかけた。新潟への帰り道、カネコロンを偵察に行ってきたが、「カ」の字
も残っておらず、青年団バンドだけが白く光っていました。

::使用ギア::
 コブラ、クオーク、北振、フライ、BDスクリュー17cm10本、22cm2本ス
ナーグ2本、BDスイッチブレードクランポン、グリベルランボークランポン

 その他
 天狗尾根第一クーロワール右岸上の雪屁が非常に不安定となている。

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