赤岳/主稜

日程
2000年12月23日(土)
メンバー
(ARIアルパインクラブ)原岳広、山中崇史
記録
(ARIアルパインクラブ)山中崇史
写真
なし
ルート図
なし

<山 行 記 録>


ヤマです。
昨年の12月23日に原さんと行った赤岳主稜の報告です。
初の報告ですが、ちょっと長すぎかも知れません。もっと要を得て簡潔な報告にしな
いといけないのかしら。とりあえず書いてみました。

2000年12月23日(土)八ヶ岳/赤岳西壁/主稜
 当初、小同心クラックを予定していたものの、代表者殿より時期尚早とのアドバイ
スをいただき、計画の変更を余儀なくされていた数日前、パートナーキャンセルと
なってしまった。
 公私とも多忙(体調不良含む)のため、12月は23日と年末山行くらいしか山に
行けなくなっていたため、何とか山に行く手だてを考えていたところ、原リーダー様
より、豊山さん(以下トヨ)とその会社の人たちとの富士山計画があると聞き飛びつ
いた。前の週末にはピッケル&バイルなどを購入し、数日後にはプラブーとアイゼン
も手に入れ準備万端整っていたからでもある。ところが、出発の金曜日になって、気
の毒にも、トヨは翌日出勤となってしまったようで、原さんとどうしようか調整した
結果、富士山と八ヶ岳どちらでも好きなほうとありがたい選択肢を与えられ、迷った
結果(実際には迷ってない)、ほぼ八ヶ岳に行くこととなった。これは南岸低気圧?
の関係で、富士山の天候はあまり芳しくないとの情報もあってのことである。とりあ
えず、ACMLに原さん投稿の計画を修正し、八ヶ岳ショルダーリッジを投稿しておい
た。

12月22日(金)23:30頃
 ありがたくも自宅まで迎えに来ていただき出発。車中で最終的に八ヶ岳に決定し、
一路小淵沢I..C.へ向かう。ルートはショルダーリッジということで確認する。
12月23日(土)
2:30頃
 美濃戸に到着し幕営するが、ちょっと体を温めるためのお酒を持ってこなかったの
ですぐに就寝する。
6:40過ぎに起床となってしまった。起床後の原さんの行動は迅速かつ無駄のない
動きであった。生来がぐうたらの私はなかなか次の行動に移せないでいた。テント撤
収後、車中で軽く朝食を摂り、7:20頃に早々に出発する。
 さて、前日、原さんはお国のために名古屋へ出張していたためか、体調がすぐれな
かったらしくつらそうであった。
とはいっても、絶好調の時の私よりは十分体力も気力も上回っていて、行者小屋まで
のアプローチを私が先に歩くことになったが、結局は原さんが歩くよりも遅い歩き
だったようである。まあ、先にどんどん引き離されて歩くよりは気分的には楽だった
かも知れない。今回の名古屋出張は顔なじみ愛知県部長からの執拗な接待攻勢を、持
ち前のリーダー的判断により逃れての帰京であったため、万が一その県部長に捕縛さ
れていたら、この計画はなかったことになったはずである。
9:10行者小屋着
 原さんが何気なく(小屋の)中に入ろうなんて言うから、はぁと追随した。あ
れぇ…普通は休憩もちょっとした代金を払わなければいけないんじゃなかったっけ?
なんて考えていたが、きっとお考えがあってのことなのだろう、特にそのことには触
れなかった。お茶でもいただくわけでもないし、ちょっと休むだけだし。もちろん、
一銭も支払わずに出発。う〜ん、この何気ない行動もさすがリーダー様。私だけで
入ったら、ビクビクして、キョロキョロしてしまい、小屋番に「休憩ですか?」なん
て声をかけられ代金を支払う羽目になってしまうだろう。このときにスパッツを装着
する。
9:40行者小屋発
 ショルダーリッジへの取り付き点へは、文三郎道から赤岳沢へ分かれた沢筋の道を
行くのだが、見落としたのかどうか、階段状のかなり上まで来てしまう。もっとも、
少なくとも赤岳沢へのトレースはなかったので、道を発見してもラッセルとなって時
間がかかってしまったであろう。
10:50頃文三郎道から主稜取り付きへの分岐に到着。
ここで登はん準備をする。ここならわかりやすいので、次回も迷わず取り付くことが
できそうである。アンザイレンして出発。
11:20頃分岐発
 この分岐から取り付きまではちょっとガレたところを下降、トラバースしないとい
けないのでゆっくりと落石しないように気をつけた。取り付きでは先に到着していた
原さんが仮のビレイ?をしてくれていた。
11:30取付
 原さんがオールリードということで登はん開始。1pいきなり直上する。それほど
難しくはない。数回ながらアイゼントレをしていたので焦ることはなかった。それに
天候も良かったため、手袋は薄手のもので十分だったせいもあろう。これが風雪吹き
すさぶ天候ならそうはいくまい。1pを切ったところからはコンテですすむ。それほ
ど雪もついていなかったため、すこぶる早く歩ける。右手には南峰リッジを登るクラ
イマーがいた。その稜線をたどると赤岳へダイレクトに伸びている。そのルートだと
最終ビレイ点が頂上であろうから気分がよさそうだ。しばらくコンテですすみ、正面
に小さな岩壁に突き当たる。ここが核心部なのか。その基部にいる原リーダーのとこ
ろまで追いつく。ここでビレイする。ちょっとした2〜3mの高さの岩だが、ちょっ
と緊張。左側から行くとやさしいとのこと。しかし、右側に2本のランナーが取れる
ので直上する。凹角部を直上2m、抜け口、左上1mで登り、抜け出る。あとは最後
までコンテでちょっとした岩場などを通過しながらのクライミングとなる。さすが初
心者向けのルートなので、顔が引きつる程困難なものではなかった。天候は良ければ
本当に快適なクライミングのできるルートだと思う。次回には是非リードしたい
なぁ。
13:10頃
 このルートは頂上にダイレクトに出るわけではなかった。縦走路の最上部で合流し
てすぐに北峰、八ヶ岳山荘前に到着。初の冬バリエーションに同行していただき、原
さんにはホントに感謝感謝です。握手して記念撮影、昼食とする。空気は澄み、展望
も最高。ここまで晴れてくれると申し分がない。プラティパスの半分凍った水を飲ん
でいると、あたたかいホットヴァームをいただく。テルモスは冬山では必携とのこ
と。来週の山行までには用意しなくては。いまのところプラブー、コフラックバーチ
カルの具合はいい。足にフィットし暖かい。プラブーも捨てたもんじゃないな。何
か、スキーブーツみたいでガチガチに固められ、歩きにくいに違いないというのは先
入観だけだったようである。BDのセイバートゥースもしっかりしていて良い。とり
わけワンタッチ装着であるのは本当に便利だ。従来、冬であっても皮革製登山靴で
あったため、ワンタッチ式はちょっとつけられないなと考えていた。プラブーにした
以上、ワンタッチ式をと購入したのだった。
13:40頃 下山開始
 文三郎道経由でサーっと行者小屋まで。途中の階段部分はアイゼンが網にはまって
歩きにくいが、慎重に行けば問題ない。まあ、想像したとおり。あとは、さっさと美
濃戸へ向かう。このころからプラブーが右足の外側くるぶし辺りにあたりはじめる。
15:30過ぎ 美濃戸に到着する。
 美濃戸につくころにはもう右足が痛くて痛くて…。顔を歪めながら何とか歩いたと
いう感じ。やはりプラブーは足に合わないのかしら…。もう少し履き込めば慣れてく
るのかなぁ。美濃戸山荘ではお茶と野沢菜をお客に振る舞っていた。ちょっとした
サービスなのだろう。とてもありがたい。
 リーダーは待ちわびていた生ビールを飲み干し、自分は温かいコーヒーを飲む。こ
こまで車で入っているってのはうれしい限りだ。
 あとはARI御用達の鹿の湯でひと風呂浴びて、小淵沢I..C.手前の蕎麦屋で天ぷらと
そばを食す。つまみであるたらの芽の天ぷらと鳥皮揚げで乾杯して帰路に就く。いさ
さか酔ってしまい、原リーダーに運転してもらったまま助手席でぐっすり熟睡。相模
湖でちょっと目覚めたがそのまままた熟睡で、起こされたときには自宅近くまできて
いた。申し訳ございませ〜ん!でもおかげで本当に快適な、忘れ難き山行となりまし
た。またよろしくお願いします。帰りの運転も??
山中崇史

以上、最後までお読みいただき恐縮です。今後はもっと簡潔にしないといけないので
しょうか?なお、年末山行はこれから書きます。

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