アメリカ/グランドティートン峰

日程
2000年08月20日(日)〜22日(火)
メンバー
(ATK山岳会)川瀬和明
記録
(ATK山岳会)川瀬和明
写真
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ルート図
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<山 行 記 録>


グランドティートン峰登山記録(8月20日、21日、22日)  ATK山岳会 川瀬和明

8月にワイオミングのグランドティートン峰(4197m)をボストンへの出張の帰
りに登ってきましたので報告します。 日本ではあまり知られていませんが、昔の西
部劇映画の「シェーン」に出てきた美しい山ですといえば中年登山者の方はわかると
思います。 グランド・ティートン国立公園はイエローストーン公園のすぐそばにあ
りはアメリカではかなり有名な観光地で上高地と軽井沢を合わせたようなところです
(物価が高い)。
駐車場が標高2057m、Corbet High Campが標高3413m、Grand Tetonの頂
上が4197m。初日に1356m、二日目に784mの標高差を登ることになりま
す。

19日3時過ぎににJackson Cityに着く、空港でレンタカーを借りJackon Hole 
Mountain Guide Officeに直行、契約の後ザック、キルティングコートなどを借り
る、登山用具店に行き長袖下着上下、スキー帽、毛の手袋、サングラスその他を買
う、軽登山靴はレンタル(クライミングシューズ、ゴア上下等は日本から持っていき
ました)がありました。 宿泊はAlpine House B&B。 日本で言えば高級ペンショ
ンと言ったところですがボストンのホテルよりも高い!

20日ガイドのMarkと9時半に町を出る。Lupine Meadows TrailHeadまで車で1時間
あまり、11時に駐車場発そこから3400m余りのJHMGのCorbet High Campまでお
昼休みをいれて5時間位、上高地から涸沢といった感じか。景色はもちろん最高、途
中South Teton峰が正面に大きく迫る。ガラ場をしばらく登るとCorbet High Camp
に着く。大きなテント(食事用)と3人用のテントがいくつかある。このテントに2泊
することになる。South TetonとGrand Tetonの間に小さいが氷河がある。 夕食は
インスタントのパスタ、アメリカの食い物はヨーロッパよりもまずい。 

21日朝4時ヘッドライトをつけて出発、いったんモレーン(見た目はガラ場)の上に
下っていき上り返す。 一息のぼり途中岩場をやり過ごすとすぐにLower Saddleに
着く。 ひたすら登る北アルプスの一般ルートくらい、ただし鎖はない。 7時に
Upper Saddleに着く。目の前は一面壁、一般ルートは左にトラバースしてから登る
そうだ、我々は右にトラバースしてから直上する。ここからガイドのMarkとアンザイ
レンする。ルートは「Powell Gilky」でグレードが5.8。超寒い、すべて(フ
リース、キルティング、ゴア)着込む。前のパーティーを待ってる間風に吹きまくら
れる。クラックのある壁を前のパーティーのガイドがセットしたラダーを使って登
る、厚手の手袋をしているのでラダーが無いとちょっと登れない。高度のせいで息が
切れる。ラダーは自分が回収。ルートのプロテクションは必ずしも十分でないので、
Markはフレンズ、ナッツを要所要所で使っている。ここを過ぎるとグレードは5.7
となるので少し楽になる。上部でEXUMリッジに合わさるとロープをはずす。まもなく
Grand Tetonの頂上に着く(9時)。ここで大休止。また美味くない行動食を食べる
がなかなか進まない。Markは美味そうに食べる。眼下には回りの山々小ぶりの氷河が
見え、絶景絶景。イエローストーンまで見えないかと思ったが山火事のせいかモヤッ
テイル。 下りの岩場の最後のとこが40mの懸垂下降となる、内30mは空中懸垂
で気持ちいい。Campには1時くらいに戻りました。Campに戻っても疲れと高度のせい
でしばらく深呼吸がおさまりませんでした。

22日は午前中にCampの近くにあるRed Sentinelに登ってから山を降りることにす
る。 ここは100mくらいの高さの「ローソク岩」といった感じの小ピークでグ
レードは5.7−5.8です。Campから30分ほどでRed Sentinelが見えてくる、見
たところちょっと凄い。「え、本当にこれを登るの」とMarkに聞くとYesと言い、と
ても楽しいクライミングだといった。
右はDissapointment Peakの岩壁が目の前に迫る。クライミングシューズに履き替え
る。1st pichはクラックのあるわりと易しい登り。2nd pitchはMarkが登りだ
してすぐにハング気味の壁を右にトラバースしてその後上に上がっていくようだが
さっぱり見えない。「Off the belay」の声があり。「Climbing」と声をかけて登
りだす。ここから右の壁に回りこむが、下がない。こちら側は下がすっぱり切れ落ち
ているので高度感があり少々ビビル。これを除けばこの後は典型的な気持ちのよい
フェイスクライミング。、ホールドスタンスともに細かいが2ndの気安さもあり楽し
んで登れました。3rd pitchはスリル感はあるもののまったく易しく問題なし。ピー
クの上はマラ岩と同じような感じでした。 正面にGrand Tetonがそびえ、回りは3
60度岩壁に囲まれとてもリッチな気持ちでした。下りは50mの懸垂下降で、45
mがまた空中懸垂でした。
まずい昼食をCampに戻って食べ、後は下の駐車場にひたすら戻りました。
夕食に食べた寿司は大変美味かったでした。

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