小同心クラック

日程
2000年09月15日(金)
メンバー
(無所属)佐野、中村
記録
(無所属)佐野
写真
なし
ルート図
なし

<山 行 記 録>


松本の佐野@無所属です。
今回、無雪期の八ヶ岳・小同心クラックを登ってきましたので報告させていたきま
す。
夏の小同心には初めて取り付きますが、ペンキマークがいたる所にあってちょっと興
ざめでした。

メンバー:佐野(CL)、中村
山行日 :2000年09月15日(金) 日帰り
ルート :八ヶ岳・小同心クラックルート
グレード:IV
 
松本を出発し朝5時半に美濃戸山荘の駐車場に車を止め、柳川北沢の道を1時間半ほ
ど歩き赤岳鉱泉へ。鉱泉のテン場には3張り程度のテントがあるのみで静かでした。
ちょっと休憩して、大同心沢出会いまで硫黄岳への道を急ぐ。ここから大同心沢を
200メートル位踏跡に沿って歩き、大同心稜に上がる。

大同心稜は夏でも明瞭な踏跡があって大変歩きやすい。しばらく登ると急登がはじま
りちょっと藪っぽい所を越えると大同心基部の開けた所に出る。

このあたり高山植物が咲き乱れていてちょっといい感じの所だった。冬のイメージと
はまた違った大同心を見ることができた。

ここから、大同心基部の岩のバンドを右にトラバースして大同心ルンゼ上部のガレ場
を横断して草付きをトラバース気味に登る。

このあたりからペンキマークや意味不明な「XYZ」のような文字が、あちこちに見ら
れるようになり、大同心ルンゼ源頭部まで続いていました。

草付きには踏み跡はあるものの、かなりの藪こぎになって疲労しましたが、なんとか
小同心基部の取付きにたどり着くことができました。(所要:赤岳鉱泉から1時間30分)

(このトラバースはやや壁側より下側をトラバースしないと詰まりますのでご注意を)
取付きは平らで安定しており、ここで登攀具をセットしてクライミングシューズに履
き替える。ビレイポイントにはハーケンが1本あった。

1P目:ここからフェースを左上ぎみに上部のチムニー状を目指す。このあたり岩もし
っかりしておりグイグイ登れる。支点はピン等はほとんどないために岩角からスリング
で取る。

途中でレッジ状の所にしっかりしたボルトがある。チムニー状はやや岩のもろい所も
あったが特に問題なし。ここも支点は岩角から。(IV-) 25m25m程度でビレイポイント
へ着いた。スリングの掛かったピトンとリングボルトの支点あり。
この確保点はかなり安定している。

2P目:ここからルートは顕著な緩いチムニー状となって上部に続く。ビレイポイント
から右に回り込む形でロープを伸ばす。途中でグラグラのハーケンがあるが、ここも
岩角から。

チムニーの中はホールドは豊富で岩も硬くて快適。チムニーというよりはルンゼに近
くて傾斜も緩い。ちょっと股開きを交えながらここを抜けると上部で左右にクラック
が分岐する。

この部分が少し傾斜が立っているが、難しくはない。直登ルートか右肩に抜けようか
迷ったが、初め直登ルートを行こうとして真っ直ぐに登ったが、右に見えるのほほん
とした小広いテラスが目に入り、トラバースして肩のほうに抜けてしまう。ここの支
点も岩角(IV)35m冬に来た時の記憶が曖昧でビレイ点を探してみるも、見つからずに
グラグラのピトン1本と岩角で支点を作る。この時点で風がかなりあって、下に声が
届かず苦労する。

3P目:テラスから草付き状の岩場を右に上がり、小同心の頭まで一応ロープを伸ば
す。(V-)15mここからは明瞭な踏み跡をたどって横岳の頂上まで歩く。頂上手前にV
級程度の岩場があるため念のためロープを出した。支点はアイスハーケンやピトンが
あった。(1P:V級)ここも意外と悪いので、注意したほうがいいと思います。(取付き
から2時間程度)

横岳の頂上は盛況で、登山者がいっぱいだった。ちょっと休憩して、硫黄岳方面への
縦走路を進み大同心ルンゼ源頭部を下降して、大同心稜に戻ることにする。このルー
ト上にペンキマークなどが沢山あり幻滅させられる。ご丁寧にもルート名らしきも
のまで書いてあった。

大同心ルンゼの下降はちょっとしたギャップがあるものの、すべてクライムダウンで
降りられます。ここからの大同心稜の下降も問題なしで、稜線から1時間半で赤岳鉱
泉に着きました。下降はこれが一番早いと思います。

美濃戸には15:00位に到着しました。

小同心クラックは、冬は当然のこと夏にも初心者を連れてのトレーニングなどにもな
かなかいいルートだと思います。(ピッチ数も少ないので・・・ちょっと物足りないかも)

思ったよりも岩はしっかりしているので、もっと登られていいルートだと感じました。
ただ、八ツの岩なのでやはりもろい所もありますのでご注意を。

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