ピラミッドフェース〜第4尾根〜中央稜

日程
2000年8月26日(土)〜27日(日)
メンバー
(クライミング上だクラブ、野田憬稜登高会)尾崎徹、(クライミング上だクラブ、柏山岳会)川崎
記録
(クライミング上だクラブ、野田憬稜登高会)尾崎徹
写真
なし
ルート図
なし

<山 行 記 録>


尾崎@クライミング上だクラブ、野田憬稜登高会です。
8月最後の山行として、26−27日で北岳バットレスへ行ってきました。
数年前の岳人、継続登攀への登竜門という広川さんの記録を拝見して
ルートについては未経験のピラミッドフェースと中央稜を前後に配し、
4尾根白い岩のクラック取り付きをビバーク地に予定しての計画でした。
メンバー 尾崎     クライミング上だクラブ、野田憬稜登高会
            川崎     クライミング上だクラブ、柏山岳会

広河原26日 2:15到着、ブルーシートの下シュラフに包る。
早朝周囲のざわつきで5:00に目覚めると、駐車場は満杯で登山者の出
発準備が慌ただしい。
こちらも寝て居られず6:30出発すると、2年振りの登山道は大勢の登山
者と上空の建築資材を運搬するヘリコプターの爆音でにぎやかな事。
水は二俣前からは伏流になり、左岸ではC沢でのみ採れる状況。
11:00前バットレス下部取り付き前に到着すると、十字クラックから下部
フランケに行く御若いパーティー2名のみで、登山道の喧騒に比べまるっ
きり静かな雰囲気。
御二人にはルートの取り付きを御聞きしたりてお世話になりました。
11:45登攀開始するが悪い、取り付き凹角付近に多少の崩壊があるせ
いかV+の部分が酷く悪く7−8m程で諦め、再度周囲を見てまわるが
分からずDガリーの大滝から取り付く事にし、2P伸ばしバンドをトラバー
スして、ピラミッドの2Pの終了点付近に合流する。
4P目終了点付近の崩壊した横断バンドで、下部フランケに向かうパーテ
イーからの落石が多い為、バンドを左に行く所を右に逃げて4尾根取り付
きから1P上がり、ピラミッドの5P終了点にトラバースする。
ここでも5尾根支稜から4尾根に入る2名のパティーと御会いする。
初見のルートで時間が掛り15:00となるが、壁泊の為気分は気楽だし、
バンドを拾えば4尾根へトラバースする事も可能、ガスが掛かって見通し
は悪いがその分暑さはしのげると言う事で、核心の続くピッチに取り付く。
XからW+のピッチはすべすべのしっかりした岩に走るクラックにフレン
ズを噛ませたりと、重荷のせいか結構キツイ、フォローの川崎さんに言わ
せると7月の変チに比べれば易しいとの印象であるが。
各ピッチの確保支点ははっきりして探す必要がないのがうれしいし、壁が
思ったより寝ている中、16:30最後の易しい右上のトラバースに入り、
4尾根白い岩のクラック取り付き前に合流した16:45。
重荷のザックを下ろしツエルトを張り、全てを確保してガスの晴れた眺望
を楽しみ、19:00にはシュラフに入る。
夜間目覚めの時、ツエルトの間から遠く無音の雷光を与えても、頭上は
満天の星空であるのがうれしい。
27日快晴6:00前に取り付く、3度目の4尾根は気心を知った仲間のよう
で登攀を楽しむ事に集中する。
マッチ箱のコルで八本歯から思い掛けず、「カワサキさーん」とコールが掛
かり、7:00ちょい過ぎで仲間に出会え、気分がとても良い。
枯れ木テラス懸垂支点前、昨日4尾根に入ったパーティーが中央稜に取り
付いている。
8:0045mザイル一杯でCガリーへ懸垂下降し、ハング下までCガリーを詰
め、8:30中央稜の取り付きを確認する。
1Pシビアーなフェースを直上し、被り気味のレッジを左上にトラバース。
2P易しい凹角を直上、3Pレッジを右上にトラバースし、ハングの弱点をフリ
ーで強引に越える。
これで核心は終わりである、1Pと3Pが核心と言えるがハング越えが頗る気
分を高めてくれた。
4尾根のマッチ箱や枯れ木テラスにクライマーの姿が現れるが、こちらに入っ
てくるパーティーはいない。
後はリッジの上を忠実に上がるのみ、最後の数ピッチ気を抜かないように互
いに声を掛け合って攀じる。
大岩の終了点10:45、北岳山頂から人が顔を出してはこちらを見ている。
「終わりだね」の一言のみ。
ザイルと装備を整理し、4尾根と異なり登山道を歩く事なしに昼前で大勢の登
山者のいる頂上11:10到着。
白根御池小屋を経由して広河原の山荘前15:00、ここでぴったり仲間に出会
えた。
二人合わせて110才のシルバーマーク付きの為、途中御会いしたパー
ティーの方々には色々教えて戴き、有り難うございました。
ピラミッドフェースの1−2Pを残念取りこぼしして、次の宿題となりました。

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