尾白川下流域/ベータルンゼ

岳樺クラブ/クニさん、杉山


<山行日> 2000年3月4日(土)<記録> 杉山


1 記録

<天気> 曇りのち雨

<山域>南アルプス前衛/日向山

<25000地図>長坂上条

<参考>アイスクライミング全国版(白山書房)NIFTY山のフォーラム記録

<時間>

 7時韮崎出発〜8時日向山林道ゲート前駐車〜8時30分ベータルンゼ出会い〜9時登攀開始〜 12時松竹梅の滝登攀終了〜12時30分下降開始〜14時30分林道可〜15時10分車戻り〜 16時30分帰宅

2 詳細

天気予報は昼から雨。午前中に登ってしまうことにして、毎度の日向山林道にクニ さんの車で出かけた。錦滝もすっかり氷が緩んでいて水が透けて見える。暖かな春の 朝である。

 ベータルンゼに入り100mほど雪の沢を上がると、まあまあしっかり凍っている。 最初は小滝の氷床をフリーで行き、ゴルジュの下でロープを出す。 1ピッチめは私がリード。今日は私の40mとクニさんの50mである。

 40mいっぱいの氷のナメの途中でロープいっぱい。右岸にハーケンが3本打ってあ るが、古そうなのでスクリューを2本打ちビレー解除のコール。

 2ピッチめはフォローしてきたクニさんがそのままリード。15m〜20mの滝を越 える。この上でいったん傾斜は緩くなり二股に出る。右の沢は見事な氷の世界が広が り、歓声を上げる。

 3ピッチめは私がリード。最上部の2mの氷柱がバーチカルその上がチムニー。 バリエーションの楽しさに思わず笑顔がこぼれる。 4ピッチめは3級程度のナメ滝が続き、今度はクニさん。

 そして見上げれば、5ピッチめの最終は松竹梅の滝。見事に凍っている。 登る前にまずは腹ごしらえと一服。左が短くてやさしい、右が長く部分的に 4級程度か。リードを譲ってもらった私は一番右に取り付く。 10mほど登ってスクリューを打ち、ここからが核心部である。 氷は堅いがバイルがバシバシと決まる。5m行き左のバイルにビレーをとって、 右のバイルにフィーフィーでぶら下がってスクリューを打つ。

 毎週来ているおかげで、一連の動作がスムーズになってきたし、腕の疲れも少ない。 氷が柔らかくなってきたので、長いスクリューを打つ。 クニさんの<あと10m>の声に少しあせる。うーん抜けられるかどうか。

 <あと2m>のコール。もう少し。そしてちょうど40mいっぱいで、 右手の立ち木にビレーできほっと一息。 木にまたがって、ビレー解除のコール。この時、みぞれがぱらぱらと降り出してき た。

 クニさんを確保する途中で雨に変わってきて、雨の中のアイスクライミングになっ た。 満足感いっぱい、笑顔のクニさんを迎え、しかしそうそうに懸垂の準備。 沢のすこし上の立ち木が懸垂用の支点のようだが、50mと40mでは届かないの で、 右岸の太い木から下降する事にした。

 今日の核心は懸垂下降である。45m下るとロープが引きにくくなる。 この下の懸垂の支点となる立木も細いので慎重に下る。 最後となる、5回めの懸垂が一番難しかった。クニさんが下まで降り、ロープをひい てもまったく動かない。やむなくフリーで20mほど登り返して、ようやく引ける。 クニさんのいる場所まで下降してから、二人でフリーでクライムダウンした。

 このあとは小滝の氷床を慎重に降り林道に戻った。 帰りに白州町の造り酒屋<七賢>に寄り道、助手席の私は思う存分に10種類ほど の日本酒を冷で楽しむ。前は無料だった効き酒も150円の有料になっていた。 ステップにも寄り道してクニさんをオーナーの志村さんに紹介。 本降りの雨の中を帰宅した。

3 感想 

 フィナーレも近いアイスであるが、今シーズンからはじめたビギナーの自分にとっ ても、アルパイン志向のクニさんとっても、今日の5ピッチのベータルンゼは面白 かった。


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