鹿島槍ヶ岳/天狗尾根(北壁の偵察)

リコー山の会/中谷正秀、その他


<山行日> 2000年3月4日(土)〜5日(日)<記録> 中谷正秀



 はじめまして、リコー山の会 の中谷と申します。 HPを時々、拝見させて頂いております。

 早速ですが、先週(3/4・5)の「天狗の鼻の下」までの状況をお知らせ致します。

 昨年よりも、かなり積雪が多かったです。北壁・主稜の偵察で2週通ってますが、 ラッセルが捗らず、第2クーロアール下までしか到達しておりません。

 会社からのため、以下 クラブ内のフォーラムに掲載した文章をそのまま、貼り付けさせ て頂きます。 今後とも、宜しくお願い致します。

<記録>

先週の取入れ口までに続き、今週もルート工作&偵察に入る。

3/4:曇り後雪後雨

 10時大谷原発。一週間でこんなにも変わるかという位、景色は春っぽくなっている 。先週は大町の町中でも真冬であったが。さすが、3月である。 取入れ口までは 雨で締まった雪をスキーで歩く。途中の吊り橋迄は先週は無かった踏み跡がある 。

 猟師かな。堰堤上で2回渡渉し、取入れ口は梯子の出口がキノコ雪でハングして いたので、橋を渡らず右岸から越る。更に2回渡渉となる。氷雨の中で、鼻水を啜 りながら靴下を絞るのは情けない。が、好んで来たのでしょうがない。荒沢手前の フィックスは空身でバケツを刻んでから通過。荒沢は、本当にひっそりと雪に埋も れている感じである。両岸からの雪崩が恐いので、ここも天狗尾根取付きまで空身 でラッセルする。

 沢の中は3回、流れを渡るがいずれも雪に埋まっていて問題なか った。尾根へは末端(先端)からでなく50m位手前から側壁?に直接取付く 。17時、標高1500m付近で天狗尾根の尾根線に出る。やっと、遠見尾根が姿 を見せる。雨がかからない大木の下で幕営。サンアルピナのスキー場がガスに浮かぶ。

3/5:快晴

6時半、一応、登攀具のみ持ちワカン+アイゼンで行く。上部は雪だったようで 、ラッセルも軽くなる。尾根の分岐にピンク布を付ける。この尾根は赤布が殆ど無 く、要所に緑色のテープが樹に巻きつけてあるが、保護色なのでガスった時は分か り難い。1800m付近のナイフリッジは坊主頭のキノコに覆われ、快適に越す 。緩傾斜の壁に尾根が消える所にワカンとストックをデポする。

 ここからザイルを 雪崩紐代わりに引きずって登る。11時位からガスに覆われる。後立山の東面はこ の時期は晴れると雪面との気温差で、ガスが出易いようだ。何度かガスの切れ間を 待ってルート(雪庇)を確認しながら進む。第一クーロアールもべっとり雪に覆われ ていて、中間の大木も水平部が半分埋まっている。

 今回はルート工作が目的なので 、理想的なバケツ掘りに専念するが、おかげで下りは前向きに下れる位の道ができ た。クーロアール自体よりも抜けてからの4mが傾斜があり神経を使う。この後 、天狗の鼻下の水平なナイフリッジまでラッセルし、14時半、時間切れで引き返 す。BCを撤収し、20時に大谷原帰着。


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