衝立岩/中央稜

霧峰山岳会/島田邦昭、嶋田英也


<山行日> 2000年3月4日(土)<記録> 島田邦昭



 アニマル島田@霧峰山岳会です。

 お約束どおり、一の倉の報告をいたします。

 有持さんの予想通り、土曜日の午前中は気温が高くアプローチで汗だくになって しまいました。沢の中はデブリもなくきれいなものでした。 もぐっても足首上くらいでした。

 テールリッジは3個所くらい切れてますが、まだ通過可能。 あと1週間くらい は平気だと思います。 積雪は昨年に比べても多いほうではないでしょうか。 滝沢の下部もほとんど埋 まっていましたし、南稜 の1ピッチ目も雪壁になっていました。

 この日は気温の割に雪崩のほうは静かで、たまに小さいのが、一の沢から流れて いましたが、その他はほとんど聞かれませんでした。 おそらくここ3日間の高 温で落ちたのではないでしょうか? (それにしてはデブリがない。)

 ルンゼに向かったパーティー(2,3,5)は状態が悪いといって、すべて引き返して いました。 午後から風が出て、少し気温が下がり雪が舞い始めました。 その後夜になって 雨に変わった。 降雨量はたいしたことはないと思います。 夜半からは前線の通 過で強風が吹いていましたが気温は高く湿度も高く感じました。 週末の状況はこんなとこです。

 それでは私たちの報告を

 睡魔に勝てず、出発は6時過ぎとなってしまった。 旧道の途中で戻ってくるパー ティーに会う。 3ルンゼのパーティー、それと5ルンゼのYCC松本氏、幽の沢 V字右をねらってた蒼氷の岩田氏。 岩田氏には「こんな時間に行くんです か?」とあきれられてしまう。 われわれは壁だし、テールリッジ経由なので、 雪質は関係ない。

 出合いに7時20分。すでに先行パーティは中央稜の基部にいる。 「このくらい離 れたほうが順番待ちしなくてすむよ。」などと言い訳しながら、春山のような陽 気の中アプローチする。

 相棒の体調がイマイチらしく、ペースが上がらない。 9時半島田トップで取り付 く。 前にきたときはアブミまで出したが、この日はフリーでワンピッチ目を終 える。 2ピッチ目の終了点につくと、先行パーティがいた。もう降りてきたのか と思ったら登っているらしい。 次のピッチで追い越させてもらう事になった。 4ピッチ目先行のトップが途中で切ったので、さきに伸ばすことにするが、チム ニーで相棒がてこずっている。「かわってもらえませんか」というのを「時間の 無駄だから、空身になって突破せよ。」と指令する。結局このピッチに2時間も かかり、時間的に厳しくなってきた。

 しかし、核心部は超えたのだからあとはペースをあげるだけだと思いきや、その 上も意外と悪く、時間がかかる。 凹状部やスラブには雪がついていて、ホールドをほじくりだすのに苦労した。ピ ナクルの上はブッシュまじりの雪壁だときいていたのに、ツルツルのスラブが待 っていた。 未熟なわれわれはまたもや時間を費やし、ついに日没寸前。ビバー クするにはさらに200メートルも登らなくてはならない。ルートは実質終わった ので、 完全に暗くなる前に下降する事に決定。

 ヘッドランプをつけて、テールリッジを下降。 雪が腐ってきて団子になるの で、結構恐かった。 夜とともに雨に変わり、体が濡れてきた。 避難小屋でお茶 とホットウイスキーを飲み。 気を取り直して、駐車場まで歩いた。 もうぼろぼ ろになって10時前暖かな駐車場のロビーで横になった。

 今度はもうちょっと早起きします。反省。


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