小同心クラック

ARIアルパインクラブ/福島猛、無所属/藤田幸紀、松原正樹


<山行日> 2000年1月29日(土)<記録> 福島猛



1月29日(土)無風快晴

 美濃戸 [05:00] --> 赤岳鉱泉 [06:30, 07:00 (-15 degC)] --> 小同心クラック取り付き [09:30, 10:30] --> 小同心の頭 [13:00] --> 横岳頂上 [13:40, 14:00 (-8 degC)] --> 硫黄岳 [14:55] --> 赤岳鉱泉 [15:45, 16:35] --> 美濃戸 [17:30]

 大同心稜の登り、想像以上の急登でこたえる。トレースは付いているが、 うっすらと雪をかぶっており、場所によっては軽いラッセルになったり、 また、所々で足が膝までずぼっと埋まる所もある。

 大同心基部からは、ほとんどトレースは消えている。慎重にトラバース していく。小同心クラック取り付きまであと20m弱位だろうか。小岩壁 の下を右上する辺りで、股程度のラッセルとなる。ラッセルも面倒なので、 小岩壁を登り、トラバースして小同心クラックの基部に行く。小岩壁の 登りは3m程度だが、一枚岩で、すこしいやらしい。きちんと岩壁の下を ラッセルして行くべきだったようだ。

 取り付きで、登攀準備中、後続パーティーが来る。こちらは3人パーティー、 スピードが上がらないだろうと考え、先に行ってもらう。

 松原は今回がアイゼンでの所謂本チャンの登攀が初めてということもあり、 リードは藤田、福島で交代でやっていくことにした。また、セカンド、サード、 共に一人ずつ登っていくことにし、松原には中間に入ってもらい、10.5 mm ザイルで、藤田、福島につなげた。

 1P目、藤田リード。全てのホールドがでかく、ぐんぐん登る。アイゼンの 前爪できちんと立たなければいけない所なんて全くない。普通に足を置いて いくといった雰囲気だ。岩には全くといっていいほど雪がついておらず、 まるで秋晴れのなか、三ッ峠で練習しているかのようだ

 2P目、福島リード。上部では、右上する凹角(右ルート)にルートをとってみた。 あまり登られていないのか、残置はあまりなく、岩角にランニングビレーをとって いく。1P目と比べると多少傾斜がある。また数ヵ所、きちんと前爪で立たなければ いけない部分もある。肩の右端にて、ピッチを切る。錆びたハーケンがひとつしか 見つからず、岩角からビレーをとる。

 3P目、藤田リードで、右側から多少下り気味にトラバース、そこから草付きの 小岩壁を2m程度登り、左方に5〜6m程歩いていくと肩の左端の方に出た。 しっかりしたビレーポイントがある。左ルートをとった場合の2P目の終了点 がここのようだ。藤田はそのまま、小同心の頭までザイルを伸ばす。途中ザイル が屈曲したせいで、かなり重いようだ。

 小同心の頭でザイルをたたみ、横岳へ向かう。頂上直下では再びザイルを使用。 頂上直下の岩場には意外に多くの残置があり驚く。

 横岳から硫黄をまわってのんびりと赤岳鉱泉へ。無風快晴。こんな八ヶ岳は初めてだ。 まるで雪上ハイキング。

 今回、天気に恵まれ、トレーニングとしては少しもの足りないようにも思えたが、 実に楽しい登攀となった。


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