中山尾根

ARIアルパインクラブ/福島猛、無所属/藤田幸紀


<山行日> 2000年1月9日(日)<記録> 福島猛



1月9(日)晴れ  行者小屋 [06:40] --> 中山尾根取り付き [07:30, 08:20] --> 中山尾根終了点、 日ノ岳頂上付近縦走路 [12:00, 12:30] --> 行者小屋 [13:20, 14:30] --> 美濃戸 [16:00]

 今日は朝から快晴だ。行者小屋から中山乗越に向かう。乗越からは尾根を登る。 トレースがあったおかげで思っていたよりはやく取り付きに着くことができた。 1番のりのようだ。よしよしと思いきや、我々が登攀準備をしているあいだに、 すでに登攀準備を終えたパーティーがやってきて先に行ってもらう。しばらく 先行パーティーを待ったあと登攀開始。

 1P目、福島リード。ぐいぐい登れる。岩にはほとんど雪も氷も無く快適だ。 ザイルを一杯に伸ばすつもりであったが、先行パーティーと同じように20m 程ザイルが伸びた所のバンドでピッチを切り、またしばらく先行パーティーを 待つ。

 2P目、藤田リード。左にぐっと回り込みトラバースぎみに左上、そして凹角を 登る。凹角の出口付近の木からランニングを取り、ホッとしたような動きを見せる。 そのままザイルを一杯に伸ばす。ここで先行パーティーが先を譲ってくれた。

 2P目終了後、ザイルをたたみ、雪稜を上部岩壁までテクテク歩く。上部岩壁少し 手前、ちょっと傾斜が急になり、簡単な岩登りとなる。天候、岩の状態如何では ザイルが必要だろうなと感じた。

 3P目、上部岩壁、福島リード。正面から右に回り込むと浅い凹角。手強そうだ。 オーバー手袋を脱ぐ。凹角の中央部と右のカンテの中間辺りにルートをとる。所々 雪や氷が岩の割れ目に詰まっており、それが必要以上に気になる。ホールドがつかみ ずらい。4〜5m登り、それから凹角の中央部へと右に2m程トラバース、かなり 緊張させられる。腕がぱんぱんになってきた。トラバースの前、すでに毛糸の手袋 も脱ぎ、インナー手袋のみになった。凹角中央部ををそのままさらに登り、バンドで 一息入れた後、ほぼ垂直に近いチムニー状の深い凹角へ。ほとんど雪も氷も付いて なく、残置支点も沢山あり、何の不安も感じることなく、あっさりと気分良く登り きった、そのままザイルを伸ばしていく。

 4P目、藤田リード、5P目、福島リードで右にトラバースしてとさか状岩峰を 回り込む。6P目、藤田リードで浅い凹角状の岩壁を3mほど登り、あとは傾斜の ぐっと落ちた雪面をザイルを伸ばせるだけ伸ばす。日の岳頂上付近で登攀終了。

 天候に恵まれ、春のような日差しの中、快適な登攀であった。これが昨日の主稜の ような天候、またベルグラの張った状態であったなら、かなり苦労させられたので はなかろうか。上部岩壁ではA0,A1を余儀なくされたかも知れない。

 上部岩壁下部の浅めの凹角では、残置支点がより多そうに見えた凹角の右の面に ルートをとった。しかし、凹角中央部の直上、もしくは凹角の左の面を登った ほうが良かったのかもしれない。日本のクラシックルートに載っている写真では 凹角は左から登っているように見える。また、とさか状岩峰は今回巻いていった。 次回は是非直上したいと思う。


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