赤岳西壁/主稜

ARIアルパインクラブ/福島猛、無所属/藤田幸紀


<山行日> 2000年1月8日(土)<記録> 福島猛



| 1月8日(土)曇り

 美濃戸 [05:30] --> 行者小屋 [08:00, 09:30] --> 主稜取り付き [11:00] --> 主稜終了点、赤岳頂上小屋 [15:00, 15:40] --> 行者小屋 [16:40]

 まだ暗い中、ヘッドランプの明かりを頼りに、美濃戸から南沢沿いの登山道を 行者小屋に向けゆっくり歩く。雪が本当に少ない。美濃戸では雪がまるでない。 行者小屋で数センチといったところだ。行者小屋到着後、テントを張り、すこし のんびりとしてから、文三郎道をテクテク歩く。文三郎道上部で登攀準備後、 右ルンゼに下降、横断して主稜に取り付く。

 1P目、福島リード。チョックストーンを下からくぐり、チムニー状の岩場を 登り主稜のコルへ出る。岩に雪はあまり付いていないが、所々薄くベルグラが 張ってあり少しイヤらしく感じる。コルではピッチを切らずに、そのままザイル を伸ばせるだけ尾根を登る。コルから尾根上へと大きく曲がったためザイルが めちゃくちゃ重い。途中からは一歩足を出すのもひーひーだ。

 2P目、3P目、4P目、5P目、藤田、福島、藤田、福島とトップを代わり ながら雪稜、小岩壁、雪壁をなんなくのぼって行く。しかし、4P目、5P目と 登っている頃から徐々に風が出てきて、またガスってもきた。主稜の核心手前、 5P目を切ったときには、さっきまで見えていた南峰もガスのため全く見えなく なってしまった。

 6P目、藤田リードで、いよいよ主稜の核心だ。藤田はオーバー手袋を脱ぎ、 気合いを入れて登っていく。このPも岩にベルグラが張ってあり、セカンドで 登っていても少しイヤらしい感じであった。

 7P目、8P目、福島リード、藤田リード、そして登攀終了。

 ザイルをたたみ、テクテクと頂上小屋まで歩いていく。小屋わきで風を避け つつガチャを分ける。ヤレヤレだ。

 天気がいまひとつだったこと、またベルグラがイヤらしかったことなどから、 登り終えたあと、それほど爽快という感じではなく、やっと終わったかという 感じであった。また、上部の主稜核心部をトップで行かなかったということも、 いまひとつ充実感を得られない原因であった。

 大休止後、風にあおられながら稜線上を地蔵尾根へとテクテク歩く。ガスが消え てきて、まだ風はあるものの天気が回復してきた。


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