織田裕二、主演映画で冬山決死行

 織田裕二主演映画の山岳アクション映画の制作発表を紹介します。

 冬山ロケの決死行だ。俳優、織田裕二(32)が、来年8月公開の主演映 画「ホワ イトアウト」(若松節朗監督、東宝配給)で冬山ロケを敢行、スタントなしで限界ぎ りぎりのアクションシーンに挑むことになった。

 雪深い 山あいのダムを舞台にしたサスペンスアクション。14日、都内ホテルで行われた会 見で織田は「えっ、ここまで やった?と言われる映画にしたい」と武者震いした。(写真:厳冬の地でハリウッド 真っ青のアクションに挑む織田裕二=右=。左から共演の佐藤浩市、松嶋菜々子=東 京・内幸町)

◇  「この映画が日本映画の新たな1ページを作れるよう頑張りたい」。織田が冬の雪山 をも溶かす熱演を約束した。東京・内幸町の帝国ホテルで行われた会見。3カ月後の クランクインに思いを馳せ、やる気に満ちあふれた表情を見せた。

 映画「ホワイトアウト」は、人気作家、真保裕一さんの同名サスペンスアクション小 説。白銀に覆われた山あいのダムを襲撃して職員を人質に取り、政府に50億円を要 求するテロリスト集団とたった1人で戦う男の物語。平成7年に発売以来、現在まで に単行本、文庫本あわせて45万部のロングセラーだ。

 織田は、仲間や事件に巻き込まれた亡き親友のフィアンセ、千晶(松嶋 菜々子)を 救うため、命をかけて闘うダムの運転員、富樫役。容赦なく吹き付ける雪の山の中で の格闘や雪原の爆破、雪崩シーンなど、壮大なスケールのアクションは日本映画では 久々の挑戦になる。

 「ぼくは意外と乱闘シーンやアクションをやっているんで」と腕に覚えのある織田は 「これまでの日本映画にないようなアクションシーンになれば」とケロリとしたもの 。傍らの松嶋は寒いのが苦手とあって「ロケが終わったら温かいお風呂に入るように します」と苦笑した。

 だが、そんな織田にとっても雪深い極寒でのアクションは初めて。ロケ地は国内か米 国になるが、何が起きるか分からない。しかも、現場を仕切る小滝祥平プロューサー は「織田くんには合成もせず、吹き替え(スタント)もなしで、生身の身体でやって ほしいとお願いした」と厳しい条件を出している。

 関係者によると、織田はすでに体力トレーニングを開始。具体的な方法にいては言葉 を濁したが、完璧主義で知られるだけに12月初旬のクランクインには、万全の状態 で臨みそうだ。

 昨年、“青島刑事”を熱演した「踊る大捜査線 THE MOVIE」(本広克行監 督)が配収53億円を記録、ノリにノる織田に早くも注目が集まりそうだ。

★ロケ候補地に米コロラド、ワシントン州のダムも

 これまで極寒ロケが行われた日本映画には、「八甲田山」「南極物語」「植村直巳物 語」などがある。「ホワイトアウト」の最も重要な舞台となるダムのロケ地は海外2 0数カ所を含む70カ所をロケハン。現在、新潟、群馬、長野、富山、宮城などに絞 り込まれている。

 小滝プロューサーによると、最終的に降雪の具合で決定。米・コロラド 州、ワシン トン州にあるダムも候補に挙がっている。通常、1時間に3、4カット撮れるのが、 雪中撮影では2時間で1カットと時間がかかり、製作費も膨らむ。特に同作はアクシ ョンが大半を占めるため、原作者の真保さんも「まさか実現するとは思わなかった」 と驚いたほど。

 撮影隊200人を編成し、大学の山岳部員20人に応援を頼み、あらゆるアクシデン トに備えるという。

『ホワイトアウト』ストーリー

 日本最大の貯水量を誇る奥遠和ダムの運転員、富樫(織田裕二)は、同僚の吉岡と遭 難救助に出かけるが途中、吉岡が遭難死する。

 2カ月後、吉岡のフィアンセ、千晶(松嶋菜々子)がダムを訪れた時、ダムをテロリ スト集団が占拠。首謀者ウツギ(佐藤浩市)は政府に50億円を要求し、拒否すれば 、ダムを決壊、下流の20万世帯を濁流に流すという。 悪天候で警察も手が出せない。偶然、逃げた富樫は一人、立ち上がる。

 “ホワイトアウト”とは吹雪で発生したガスと雪で高低や方向、距離が分からなくな ること。日本ヘラルド、フジテレビ、東宝など7社が製作。製作 費は10億円。

 ACHP編集部


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