尾瀬の「長蔵小屋」書類送検へ 廃棄物不法投棄の疑い

日光国立公園・尾瀬の山小屋「長蔵(ちょうぞう)小屋」(福島県桧枝岐(ひのえま
た)村)が廃材などを小屋の近くに不法投棄していた問題で、田島署は今週末にも、
法人としての長蔵小屋(平野太郎社長)と投棄を指示した少なくとも2人の従業員
を、廃棄物処理法違反で福島地検会津若松支部に書類送検する。

調べでは、長蔵小屋は99年9月、老朽化した旧別館を解体した際に出たコンクリー
ト片やプラスチック製の断熱材など約7トンを、小屋の東側の旧別館跡地に穴を掘っ
て埋めた。このほか00年9月ごろにも、ガラスくずや圧縮した空き缶など約600
キロを小屋の近くに不法に投棄した疑い。

平野社長は調べに対し「(不法投棄は)従業員がやったことで、自分は知らなかっ
た」などと関与を否定。このため、同署は社長個人の立件は見送るとみられる。

同署と県警生活環境課は今年5月中旬と6月中旬に現場検証。5月には廃材など約1
0トンが、6月にはガラスくずなど600キロが掘り出された。うち公訴時効(3
年)が成立している分を除いた約7.6トンを立件する。

本来なら廃棄物はヘリコプターなどを使って公園外に運び出さなければならない。同
署は、処分費用を節約するために敷地内に埋めたとみている。長蔵小屋は20年以上
にわたって廃棄物の不法投棄を続けていたといい、総量は約20トンに上るとみられ
る。

長蔵小屋 「尾瀬の開祖」と言われる故平野長蔵氏が1890年に設けた。尾瀬沼の
ほとりに本館と別館があるほか、尾瀬のほぼ中央部の尾瀬ケ原には第二長蔵小屋もあ
り、山岳愛好者に古くから親しまれている。(7月3日 asahi.com 08:21)

ACHP編集部

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