夏の上高地へ作業急ピッチ 釜上トンネル

北アルプス・上高地(南安曇郡安曇村)に通じる県道上高地公園線で、釜上トンネル
(仮称、延長六百九十メートル)建設が八月上旬開通に向け急ピッチで進んでいる。
九九年に土砂が崩落したロックシェッド区間をう回する二車線の新トンネルだが、一
車線の釜トンネルと連結するため、開通後も、交互通行規制は継続する。

ただ、県は年内に、釜上トンネルの先線で、釜トンネルをう回する二車線の新トンネ
ル建設に着手予定。完成すれば、上高地への“難所”として大型車などの入山を拒ん
できた釜トンネルは役割を終えることになり、現在でも過剰な入り込みに拍車がかか
る可能性もある。釜上トンネル開通を機に、あらためて規制の在り方を考える必要が
ありそうだ。

釜上トンネルは総事業費約二十二億円で、二〇〇一年二月に着工。施工する共同企業
体(JV)の現場担当者によると、地質は「もろすぎず、固すぎず」、掘削は順調に
進み、今年二月に貫通した。現在は路面の舗装工事が行われている。

最大こう配は10・9%で、百メートル進んで約十一メートル上る計算。最大で15
%を超える釜トンネルよりは緩いが、それでも「トンネルとしては異例」の急こう配
という。高さは約四・七メートル。釜トンネルは通行できない大型観光バスも通るこ
とができる。

一方、釜上トンネルが開通しても、上高地バスターミナルの収容台数が限られ、トン
ネルから先の道路はバスがどうにかすれ違える状態のまま。県松本建設事務所は「交
通量は現在と大きく変わらない」との認識だ。釜上に続く新トンネル開通後の対応
は、関係機関でつくる「上高地自動車利用適正化連絡協議会」で今後検討するとして
いる。(6月10日 信濃毎日新聞)

ACHP編集部

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